帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「冬の熱情」

「冬の熱情」
ウルトラQ倶楽部』第12話
2003年12月28日放送(第12話)
脚本 佐々木守
演出 実相寺昭雄

 

物語
彼女がアメリカに行く事になり、彼氏は彼女を連れて京都に。
そこで彼氏が語った京の都を舞台にしたある男女の物語が彼女の心を揺さぶる。

 

感想
京の都で財産を食い潰して悲惨な暮らしを送っていたある姫君のお話。
理想的な男と出会い、やがて結婚を約束するが、男の父は結婚に反対し、さらに男が陸奥へと旅立つ事になり、7年後に男が都に帰った時には姫君の家は既に滅んでいて姫君自身も影を残して力尽きてしまうと言う哀しいお話。
『Q倶楽部』での佐々木守実相寺昭雄コンビ作品は昔の京を舞台にしていて、ウルトラシリーズと言うより「日本昔話」を思わせる作りになっている。特撮によって表現される不可思議話を現代のお伽噺とするならウルトラシリーズの源流の一つに「日本昔話」を求める事が出来るのかもしれない。

 

姫君の話を聞いた彼女はアメリカから帰ったら彼氏が影になっていたら嫌だからとアメリカ行きを思い留まった事を告げる。
かつては姫君が待って男が旅立っていたが現在は彼氏が待つ身で彼女が旅立つ身となっているのは時代の流れかな。

 

「青龍・朱雀・白虎・玄武。四つの神様は支配者は守ってもそこに暮らす一人一人までもは守ってくれない」と言う彼女の言葉がさりげないが結構ズシリと来る。