帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「白の戦慄」

「白の戦慄」
ウルトラQ倶楽部』第21話
2004年2月29日放送(第21話)
脚本 佐々木守
演出 実相寺昭雄

 

雪達磨
スキー場が作られた際に山の安全祈願の為に作られたが、ゲレンデを縦横無尽に転がってマナーを守らないスキー客を襲った。
山神の分身で、山が売られてスキー場に変えられ世間が様変わりする中でも人々が山神の存在を忘れないように動き出したと考えられた。
どんな手段を用いても壊す事も溶かす事も出来なかったが、反省した人々が「左義長」の儀式を行うと祭の火で溶けていった。
意外と可愛い顔をしているらしい。

 

物語
今年最後のスキーを楽しむ由利子。
身勝手なスノボ族が幅を利かせている中、山の頂上に置かれていた巨大雪達磨がいきなりゲレンデを転がり落ちる。それは人間には手を出せない山神の怒りなのだろうか?

 

感想
『Q倶楽部』の佐々木守実相寺昭雄コンビ作品にようやく由利子達主人公3人が登場。
いきなり雪達磨がゲレンデを転がり落ちると今度は転がり上って元の場所に戻ると言う不可思議事件が発生し、由利子から連絡を受けた万城目と一平がスキー場にやって来る。
残念ながらSF小説家が来ただけでは事件を解決する事は難しく、結局、万城目は聞き役に終始する事となった。一の谷博士や科特隊と違って万城目達では聞き役以上の事を出来ないのが本作の辛いところ。

 

時代の移り変わりと共に村と山も変わっていき、そんな中で忘れられていた儀式が不可思議事件の発生によって再び人々に知られる事になる。
『Q』に比べて『Q倶楽部』は古来からの伝承を取り上げる事が多い。『Q』の頃は科学の発展によって未知の領域と遭遇すると考えられていたのが、それら未知の部分が解明された事で『Q倶楽部』の頃になると未知の領域との遭遇を科学が関与しない古来の伝承等に求めるようになったのかもしれない。