帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「夜霧よ、今夜も…」

「夜霧よ、今夜も…」
ウルトラQ dark fantasy』第21話
2004年8月24日放送(第21話)
脚本 藤川桂介
監督 八木毅

 

魔性の月の女神ヘカテ
はるばる天空から舞い降りた謎の存在。劇中で涼がギリシア神話の月の魔神ヘカテーを連想したが実際の関係は不明。
地球以外の惑星人を配下に従え、秘密の屋敷に近付く者を始末させていた。
第三惑星人の思い上がりを見逃せば自分達に自然破壊のツケが来るとして、マグマを刺激して世界中の火山を噴火させて地球を火に包もうとしていた。
光の刺激にも怯まず、手をかざす事で配下の惑星人を始末し、小枝を蛇に変えて相手を襲わせる事が出来るが最後はお地蔵様の力で消滅させられた。

 

物語
行方不明者が続発している山村へと取材に向かった涼は霧の中に屋敷を見付ける。そこでは恐ろしい第三惑星人滅亡の計画が練られていた。

 

感想
ゴシック的な雰囲気がよく出ているのだが日本の田舎を舞台にしながら西洋の小道具を揃えてきた事に対する違和感が最後まで拭えなかった話。
日本に馴染みの無い西洋の伝承を取り上げたかったのならお地蔵様のような日本のものは外してほしかったし、逆にどうしてもお地蔵様を出したかったのなら月の女神やら惑星人やらは出さないで日本の妖怪を出してほしかった。
冒頭のナレーションでパラレルワールドと説明されているので、そこで日本的な部分と西洋的な部分の転換あるいは融合が行われたのかもしれないがこの台詞だけでは弱い。せめて物語中盤にもお地蔵様に関する話を出してほしかった。

 

今回の話はお化け屋敷みたいに視聴者をビックリさせて怖がらせるのが目的のように見える。確かに雰囲気はよく出ているのだが、肝心の惑星人達に怖さを感じなかったのが残念。夜に所属する者達なのでカメラのフラッシュに怯むのは分かるが何回も続くといい加減に対処方法を考えてと言いたくなる。他にも池に落ちただけで苦しんで溺れ死んでしまう等、成人男性数人がかりなら簡単に倒せそうな気がするくらい弱かった。これで地球滅亡と言った壮大な話をされても説得力が無かった。