帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「闇」

「闇」
ウルトラQ dark fantasy』第25話
2004年9月21日放送(第25話)
脚本 小中千昭
監督 実相寺昭雄

 

物語
あるニュース番組の「廃墟探訪」と言うコーナーの撮影準備を進めるTVクルー。
次々とアクシデントが起きる中、プロデューサーの仙童は霊について語り出す。「恐怖は伝播する」と……。

 

感想
「恐怖」について言葉と映像と音で語っていった話。
最初に見た時は何が起きた話だったのかよく分からなかったが、難しい事を考えずに素直に見たら「かつて惨殺事件が起きた廃墟にTVクルーが足を踏み入れた事で霊の怒りを買った」と言う実は分かりやすいホラー作品であった事が分かる。
実相寺監督作品は演出の奇抜さに驚かされる事が多いが物語の展開は意外とシンプルである事が多い。

 

今回の話をよく見たら実際に霊が出てきたわけではなく、仙童を刺し殺した女性スタッフも霊に取り憑かれたと説明されているが本当にそうだったのかは分からなかったりする。(霊に取り憑かれたと思い込んでそれっぽい動きをしてしまった可能性がある)
そう考えると今回は恐怖が伝播した事でTVクルーの間にパニックが起きて事故や事件が起きてしまった話と見る事も出来る。

 

今回の話のもう一つのテーマは「TVの役割」。
劇中では実現する事は無かったが全国に生放送される番組で心霊現象が起きたら日本中がパニックになっていたであろう。ネットが台頭していく中でTVディレクターの仙童は心霊現象の生中継をする事でTVが持つ力を示そうとしたのかもしれない。ただ残念ながら今回の仙童がやった事は後にYou Tube等の生配信で誰でも出来るようになってしまう。(さすがにTVの全国放送に匹敵する影響力を持つ配信者はまだ少ないが)