帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「BLOOD MESSAGE」

Episode8 BLOOD MESSAGE」
ULTRASEVEN X』第8話
2007年11月23日放送(第8話)
脚本 長谷川圭一
監督 小中和哉

 

殺戮宇宙人ヒュプナス
身長 175cm~180cm
体重 75kg
自分がエイリアンである記憶を消されていて人間として生活を営んでいる。極度の肉体的苦痛に遭遇するとエイリアンとしての殺戮本能が覚醒し、以後は殺戮本能が暴走して周囲の人間を無差別に襲うようになる。何者かによって街にばら撒かれた地雷とも言うべき存在。
3体がエージェントとセブンXによって倒されたが全部でどれだけの数が街に潜伏しているかはDEUSでも把握できていない。
名前の由来はギリシア神話の「ヒュプノス」かな。

 

物語
雷雨の夜の度に起きる連続通り魔事件。目撃証言から犯人は赤いコートを着ていた事が判明する。調査を進めたジン達は赤いコートの殺人鬼の恐るべき真相を知ってしまう。

 

感想
劇中でキョウスケとアサミが『サイコ』や『めまい』と言ったスリラー映画を見ているように今回はスリラー作品を下敷きにしている。さすがに黒田勇樹さんはこういう役がよく似合う。
他ジャンルの要素を組み込む事で話に幅を持たせたのは良かったが流石に『サイコ』は有名すぎるので開始早々に真相が見えてしまったのは残念。

 

連続通り魔事件の現場に書かれていた血文字は「No man」だったが、ここから「Not man」にして人間ではない=エイリアンとしたり、男ではない=犯人は女としたりと色々解釈されていったのが面白かった。
血文字は殺されたドラッグシンジケートの死体の血で書かれているので「人間ではないのはこいつらの方だ」と言う意味もあるのかもしれない。
最終的に血文字は「Norman」が正解だった事が明らかになる。これは劇中で説明がある通り『サイコ』に登場するノーマン・ベイツの綴り。

 

赤いコートの殺人鬼が四つん這いで迫ってくる場面が怖すぎる。

 

ヒュプナスは何者かによってエイリアンとしての記憶と本能を封じられている。本能が覚醒するまでは人間と区別が付かないので、いつ殺人鬼に目覚めるか分からない者が街中に大勢潜んでいると言う驚愕の事実が明らかになる。
とは言え、極度の肉体的苦痛を与えないと本能は覚醒しないので、何者かが地雷をばら撒いたのは事実だがその地雷を起動させてしまったのは人間だと言える。

 

今回もセブンXの戦いは短いが今回は話の内容から戦いを長くする必要は無いのでこれで良かった。

 

キョウスケとアサミが出会った映画館ではスリラー映画の他に「勇気ある戦い」と「明日を捜せ!」なるものが上映されていた。当然、元ネタは『セブン』のサブタイトルから。
勇気を出して声をかけたところから始まった二人の物語が最終的に明日の見えない暗闇に落ちてしまった事を考えると意味深なチョイスであったと言える。

 

深夜作品とは言え平成に入ったウルトラシリーズでここまでドバドバ血が流れるのは驚きであった。
因みにヒュプナスはニュージェネレーションシリーズでも何度か登場しているが作風の違いからかそちらでは殺戮は行われていない。