帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「鉄の貝」

「鉄の貝」
ネオ・ウルトラQ』第7話
2013年2月23日放送(第7話)
脚本 いながききよたか・加藤綾子
監督 入江悠

 

鉄貝獣ガストロポッド
身長 160cm
体重 500kg
足が硫化鉄に覆われているなど体全体が高温に耐えられるように作られている巨大な貝。
日本近海の海底に生息していたが地震による地殻変動の影響で熱エネルギーを求めて日本各地の火山地帯に移動した。
地殻の熱エネルギーを吸収する事で地震発生を防いでいたが福田教授の早まった結論によって地震を引き起こす怪獣とされてしまう。福田教授が開発した新兵器によって高密度の液体窒素を浴びせられて駆除されていくが少女マヤが匿っていた個体が自らの命と引き換えに新たな命を生み落した。

 

物語
全国各地に巨大な貝の怪獣が現れる。
屋島教授が調査を進める中、ライバルの福田教授は巨大な貝ガストロポッドが巨大地震を起こしていると発表する。

 

感想
ガストロポッドが巨大な地震を起こす原因であると発表された事で国を挙げてのガストロポッド駆除が行われるが実はガストロポッドは地震が起きるのを止める働きを持っていて、その駆除は逆に巨大地震を引き起こす事になると言う話。
時期的にやはり東日本大震災を思い出す話。ただし今回は地震そのものより政府や官僚や専門家の対応を皮肉った話となっている。個人的には過激な説に乗っかった事で国全体を間違った方向に進ませてしまったマスコミの暴走についてももう少し取り上げてほしかった。結局のところ福田教授一人の問題にしてしまったのは残念。

 

千葉県や神奈川県や茨城県山梨県ウルトラシリーズでは珍しく具体的な地名が出てくる。

 

『ネオ・Q』では珍しく怪獣が大量に出現して、さらにその怪獣を倒せる兵器が登場すると言う盛り上がる展開なのだが、真実を知っている視聴者は盛り上がれないと言う実に『ネオ・Q』らしい展開。

 

国中央での屋島教授と福田教授の争いとは全く無関係な地方の女の子がガストロポッドを匿っていた為に日本は大地震の危機から救われるかもしれないと言う結末。だが、少女の父親がガストロポッドを見てどういう行動に出るかは分からないが……。

 

自分の結論が間違っていると薄々気付いていながらも「どっちが正しかったか未来が証明してくれる!」と計画を強引に進める福田教授に対する「未来が証明してからでは遅いんです!」と言う南風原の糾弾が記憶に残った。

 

今回の話は加藤綾子さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。

 

今回の話は2013年11月に「『ネオ・ウルトラQ』特別上映part1」の1本として劇場公開された。