帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「思い出は惑星を越えて」

「思い出は惑星を越えて」
ネオ・ウルトラQ』第8話
2013年3月2日放送(第8話)
脚本 いながききよたか
監督 石井岳龍

 

ギ・ノール星人
身長 170cm
体重 70kg
竜座矮小銀河に位置するギ・ノール星からやって来た。
教皇の死後、教皇の御心で結ばれていた民のタガが外れて民族紛争が絶えなくなったので、教皇が転生した存在を求めて地球にやって来た。
侍従武官のハタを始めとするグループは教皇の生まれ変わりである浩一をギ・ノール星に連れて帰ろうとするが、教皇の存在に異議を唱える左派のホウショウ族は暗殺者を派遣して浩一を亡き者にしようとした。
暗殺者はハタによって全滅させられたが、ハタのグループも暗殺者との戦いで全滅してしまった。
刺青のような模様が全身に施されている。地球人に比べて長寿。地球にある物ではアルコール類がギ・ノール星の栄養物に最も近い。金の塊を作り出す事が出来る。
地球とは雲泥の差を持つ科学技術を有していて様々なアイテムを駆使する他、自身も様々な能力を発揮する。

 

物語
ぼや~としている医学生の浩一。街を舞台に激しい戦いを繰り広げるハタ。
全く無関係だと思われた両者は意外な糸で繋がっていた。

 

感想
基本的に「静」のイメージが強い『ネオ・Q』では珍しく激しいアクションが見られる「動」のお話。
ぶつけられた衝撃で人が壁にめり込んだのには驚いた。アニメではよく見るが特撮では中々見られない演出だった。

 

今回登場のギ・ノール星人も着ぐるみではなくて役者にメイクを施したタイプの宇宙人であるが、今回はアクションをするので着ぐるみより動きやすい生身の役者で良かった。
又、正平がハタの話を終盤まで信じられなかった理由も着ぐるみのような完全に異形の姿ではなくメイクを外せば普通の地球人に見えたからだと考えられる。

 

ハタと暗殺者が映画館で戦っている時、石井監督の『生きてるものはいないのか』、入江監督の『サイタマノラッパー』、中井監督の『ハブと拳骨』のポスターが貼られている。

 

今回はハタのキャラクターが印象に残った。
見た目と違った丁寧で生真面目な性格がギャップを生んで面白い。
大学の廊下で座して浩一を待っていた場面は爆笑してしまった。

 

精神は転移すると言うハタの説明にあるように今回は生まれ変わりや輪廻転生を扱った話となっている。
教皇にまつわる諸々の話を聞くにチベットダライ・ラマを連想させる。こういう難しい話題を宇宙人や怪獣を使って描く事が出来るのがウルトラシリーズの面白さの一つである。

 

今回は正平の出番が多かった。
ハタの言う事を信じていなくても面倒を見るお人好しなところや最後にハタの映像を浩一に渡して言葉をかける場面等、全体的に良い扱いであった。
言っては悪いのだが、これまでの正平と絵美子の描写はどうにも感情移入しにくいものであったが今回の正平は見ていて共感できる描き方がされていた。今回の話を序盤に持って来ていたら正平の印象も変わったものになっていたかなと思う。

 

ギ・ノール星の教皇と言う宇宙規模の話と国境なき医師団への参加と言う地球規模の話をリンクさせた展開、地球人の正平達と宇宙人のハタの少しズレたやり取り、ハタの心変わりとその最期、そしてハタの死に理屈じゃなくて気持ちで反応する浩一、擦れ違いながらも最後まで敬子を頼りにしていた浩一とそんな浩一を支える敬子と笑わせながらも最後はしっとりとした雰囲気に落ち着く流れは自分好みであった。

 

今回の話は石井監督はウルトラシリーズ監督最終作となっている。