帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「その名はガイア」

「その名はガイア ー金属生命体アパテー登場ー
ウルトラマンガイア』第3話
1998年9月19日放送(第3話)
脚本 小中千昭
監督 高野敏幸
特技監督 神澤信一

 

金属生命体アパテー
身長 52.5m
体重 5万2千5百t
金属生命体の集合。
宇宙からアルケミー・スターズのネットワークやTV回線を使ってガイアを解析した後、飛行形態でヨーロッパ警戒網に突入してガイアのいる東京に向かうが途中の砂漠地帯でXIGと交戦状態になり戦闘形態に変形する。
人型から槍型に変形し、閉じ込めた敵を電流で攻撃する。人型でも槍を装備して戦う。
ライフゲージを所有するガイアを真似た姿をしていてガイアが現れると鎧を付けた姿にヴァージョンアップする。
ガイアを追い詰めるがアグルのフォトンクラッシャーで倒された。

 

物語
XIGの一員としてウルトラマンとして戦う決意をする我夢。
一方、宇宙から謎の金属生命体が地球に飛来。その目的はウルトラマンであった!

 

感想
リンブンは我夢がアルケミー・スターズの日本代表であった映像を見付け、それを見た田端さんはアルケミー・スターズとG.U.A.R.Dの関係に疑問を抱く。と言っても、どうやらすぐにその関係は公表されたようだが……。
ネットワークで繋がっている組織と言うのが平成らしい新しいものであった。
世界各地でほぼ同時に誕生していった天才児達と言う設定や「錬金術」の意味を持つ「アルケミー」と言う言葉を使った組織名は20世紀後半らしいオカルトっぽさがあった。

 

ガイアの戦いの映像を見た我夢は自分が無意識に戦い方を知っていた事を確認すると怪獣を倒した必殺技に「光子の力・光の刃」として「フォトンエッジ」と言う名前を付ける。
ウルトラシリーズウルトラマンの必殺技の名付けが行われたのはあのスペシウム光線以来となる。
そう言えばウルトラシリーズではウルトラマン達の技名を人間達が口にする事があるがどういった経緯で技名を知る事が出来たのだろう?

 

アッコの「ガイアは宇宙人なのか?」と言う質問に我夢は「根源破滅の危機になった今、地球自身がウルトラマンを遣わしたのではないか」と答える。
「まるで地球が生き物みたいな言い方」と言うアッコの発言を聞いた我夢はガイア理論を持ち出してそういう考え方もあるとして、そこからウルトラマンの名前を「ガイア」にしようと提案する。
長い歴史を持つウルトラシリーズであるがウルトラマンが宇宙関係でなく地球出身となっているのは『ガイア』だけ。

 

アッコは初対面からやたらと我夢を子供扱いしているが、ウルトラマンに「ガイア」と名付けた時の我夢は確かに子供っぽかった。
アッコがやたらとお姉さんぶるのはアッコ自身のシスター・コンプレックスが影響していると思われる。その話は「迷宮のリリア」で描かれる事になる。

 

光電子管にガイアの光を入れていた我夢は自分で変身道具を製作して「光を開放するからエスプレンダー」と名付ける。
エスプレンダーはガイアのライフゲージをイメージしたデザインになっている。
ウルトラシリーズで変身道具を自分で製作したのは……。分かっていた事だがこうして一つずつ挙げていくと『ガイア』は他の作品には無いものが多い事が改めて分かる。

 

「ここは子供の遊び場じゃない」と我夢に忠告する梶尾リーダー。元防衛軍として民間人の我夢を戦いに巻き込みたくないのだろう。
又、千葉参謀もまだ少年である我夢の処遇に疑問を呈するが、石室コマンダーは「地球を襲うものが何なのかすら見極められない状況の中でアルケミー・スターズの存在はXIGにとって決して無駄ではない」と答える。
『帰マン』の郷秀樹と違ってウルトラマンになっても身体能力が向上しなかった我夢を特別チームに入隊させるのに「未知の敵を解明する事が出来る」としたのは上手い落としどころであった。

 

ヨーロッパ警戒網を突破した謎の金属生命体を警戒する為にXIGが出動。ファイターの航続距離は大西洋までが限界なのでピースキャリーがインド洋まで運搬していく事になる。
ウルトラシリーズではどんな遠い所でも結構簡単に行けてしまい、それが逆に世界を狭めてしまう事があったが『ガイア』では今回の設定でそれを防いでいる。だが、オープニングの映像でエリアル・ベースから出撃するファイターの場面の評判が良かったのでピースキャリーがファイターを運搬すると言う設定は使われなくなってしまった。
因みに今回からピースキャリーはヘルチケット砲を装備して、オープニング映像もそれに合わせて変更されている。

 

KCBの取材を通して非日常が日常になってしまった人々の反応が描かれる。これは『ティガ』の「怪獣が出てきた日」でも使われていた演出。
『ガイア』では他にも「勇者立つ」で怪獣出現後も普通に出勤する人々と言う日常と非日常が混ざった場面が描かれている。

 

ウルトラマンやXIGに関する番組を担当していたからか藤宮が玲子に会いに来る。
ウルトラマンか……。良い名前だ。TVの人に言っておきたかったんだ。ウルトラマンの姿、世界に余すところ無く伝えてほしいって……」。
今回の藤宮は声のみ。まだ顔は出ていない。
それにしても「TVの人」と言う言い方がちょっとカワイイ。

 

コッヴとの戦いではあっけなく撃墜されたチーム・ライトニングだが、今回はブリーフィングのかいあってか飛行形態のアパテーを見事撃墜。若いだけに新しい知識の吸収も早いのかな。フライング・シミュレーターでライトニングがチーム・ファルコンに勝てたのも通常のジェット機を長く扱ってきたファルコンよりファイターへの切り替えが早く出来たのかもしれない。
まぁ、この後すぐに槍状に変形したアパテーに撃墜されてしまうのだが……。

 

今回も勝手にピースキャリーから降りてしまう我夢と何故かそれに気付かない堤チーフと神山リーダー……。
今回の我夢は勝手にハッチは開けるわヘルメットは脱ぎ捨てるわで後の始末が大変そうだ……。

 

ウルトラマンを研究してきただけあってアパテーの動きはガイアに似ている。
ガイアは槍状のアパテーから脱出するもエネルギー不足で倒れてしまう。この辺りはもう少しダメージを強調した方が良かったかな。最初に見た時はいきなりガイアが倒れて驚いた。
因みにガイアには3分間の時間制限は無い。過去にはセブンがいるが、やはり明確な制限時間設定があった方が見やすいし作りやすいのか、この設定は後の作品には引き継がれなかった。

 

起死回生をかけて撃ったクァンタムストリームも通じなかったガイア。
フォトンエッジを使えた理由がキチンと描かれていたので今回いきなりクァンタムストリームを使ったのはちょっと残念。出来れば冒頭の我夢がガイアの戦い方を真似ている時にクァンタムストリームのポーズを編み出すとか言うのが欲しかった。

 

アパテーに追い詰められて震えるガイア。こういう描写はウルトラマンでは珍しい。

 

絶体絶命の危機に陥るガイア。その時、謎の光線がアパテーを直撃してガイアを巻き込んだ大爆発を起こす。爆発の中、生きていたガイアが見たものは「もう一人の……ウルトラマン?」。
もう一人のウルトラマンであるアグルは砂煙の中に消えていった。

 

今回の我夢は楽しそうに自分のウルトラマンに名前を付けたり変身道具を作ったりしていたが、そのウルトラマンが敗れる危機に陥り、さらにウルトラマンが自分だけではなかった事を知るのであった。