帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「テックブースター出動せよ(前編)」

「テックブースター出動せよ(前編) ーカオスパラスタン登場ー
ウルトラマンコスモス』第21話
2001年11月24日放送(第21話)
脚本 梶研吾林壮太郎
監督 根本実樹
特技監督 佐川和夫

 

カオスパラスタン
身長 67m
体重 7万7千t
遊星ジュランに降り立ったEYESの前に現れた。
無数の光の粒子で作られていてカオスヘッダーに取り憑かれている。
口から火球を吐く。角から電撃を放射する。両手から放つ光の塊でテックブースターの飛行バランスを崩し、コスモスの眼を眩ませる。

 

物語
遊星ジュランの調査を行っていたミツヤが通信不能になり、ジュランが地球目掛けて迫って来た。
防衛軍が超高性能ミサイルによるジュラン爆破を進める中、EYESはテックブースターでミツヤ救出に向かう。

 

感想
『コスモス』二度目の前後編。放送当時は大事な話かと思いきやあまりそうではなかったかなと思ったが、全てが終わった後に振り返るとやはり色々と大事な話だった。

 

新メカ・テックブースターが登場してオープニング映像も一部変更された。
又、今回の話からオープニングの前にその回のハイライトを流すようになった。
今回の話を初めて見た時はいきなりコスモスとカオスパラスタンの戦いが始まっていて、録画設定を間違えたかとかなり焦った。

 

1000年に一度、太陽系にある軌道上を通過する遊星ジュランに生命反応が捉えられたのでSRC宇宙開発センター探査部が生態系を調べる為に調査を行う。
結局、パラスタン以外の生命体はいなかったが、ジュランの大気組成が地球に極めてよく似ている事が判明し、後の『THE FINAL BATTLE』ではネオユートピア計画でジュランの生態系が回復されて地球怪獣の移住先となった。

 

太陽系内に侵入した遊星に入り込んだ探索者を怪獣が襲うと言う展開は『ダイナ』の「幻の遊星」を思い出させる。

 

宇宙開発センターの同期でムサシのライバルとも親友とも言える存在ミツヤが登場。
どちらが先に宇宙に行けるか勝負していたらしく、回想シーンでは見ていて恥ずかしくなるほどの青春時代を見せてくれる。
今回の話の中心にいるミツヤだが意外と影が薄い。もう少し色々使える立ち位置の人物だと思うので上手く活用できていなかったのが残念。
因みにミツヤを演じているのは高橋一生さん。一生さんは後に『シン・ウルトラマン』でリピアーの声を担当している。

 

地球に向けて軌道を変えたジュランを超高性能ミサイルで爆破する事を決定した防衛軍。
地球に迫る天体をミサイルで爆破する話はウルトラシリーズではもはやお約束レベルになっているが、今回はそれにミツヤ救出の為にEYESがテックブースターでその天体に向かう展開が加えられている。
横暴なイメージがある防衛軍だが佐原司令官と宍倉副司令官には強硬的な態度はあまり見られなかった。二人はジュランに向かうEYESを心配したりと決して冷徹ではない温かみのある部分を見せていたが、怪獣への対処でSRCと対立している以上、こういう甘い対応では駄目だったのか、後に強硬派の西条武官が前面に出てくるようになる。

 

宇宙に出たムサシの「これが……夢にまで見た宇宙か……」や宇宙は勝手が違うとしてメインコントロールをムサシに託すフブキ隊員等、ムサシが宇宙飛行士を目指していた設定をちゃんと描いているのが嬉しい。
「任せたぞ」や「さすがに宇宙の操縦は上手いもんだな」等、今回はさすがのフブキ隊員もムサシの腕を認めている。

 

と言う事で次回「テックブースター出動せよ(後編)」に続きます。