帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ルナ対ルナ」

「ルナ対ルナ ーゲルワーム登場ー
ウルトラマンコスモス』第23話
2001年12月8日放送(第23話)
脚本 荒木憲一
監督 北浦嗣巳
特技監督 佐川和夫

 

変幻生命体ゲルワーム
身長 17cm~65m
体重 8g~6万7千t
法勢大学を騒がせていたドッペルゲンガー事件の真相。生物のDNAをコピーして噛んだ人間の姿を借りられるが長時間維持する事は出来ない。
法勢大学の鉱物研究室に保管されているカトラ隕石の中に2匹いた。怪電波でお互いに意思を伝え合う。
青いゲルワームは途中で隕石から落ちてしまったので人間の姿を使ってピンクのゲルワームのもとを目指すが、バイオ工学研究室の人工細胞を増殖させる液化ガスを浴びて巨大化してしまう。
コスモスとの戦闘の後、2匹のゲルワームは再会し隕石に乗って宇宙に帰っていった。
名前の由来は「ワーム(芋虫)」から。

 

にせウルトラマンコスモス
身長 47m
体重 4万2千t
ゲルワームがコスモスの姿を借りたもの。姿形は全く同じだが光線技は使えなかった。
ルナモードのフルムーンレクトでゲルワームの姿に戻された。

 

物語
微弱な怪電波を探る為に大学に潜入したムサシとフブキ先輩はちょっと変わったオカルトっ子のカスミに振り回される。

 

感想
冒頭で前後編と言う壮大なスケールを持った前回の話をあくびに収めてしまう演出が面白い。まぁ、新メカのテックブースターを無理矢理出した感は否めないが……。

 

重めの話が続いていたが今回は肩の力を抜いて見られる話になっている。全体に漂うB級っぽさが良い。

 

カスミ以外にもさり気に微妙におかしい人達がいる法勢大学は描きこめばかなり面白くなった気がする。宇宙生物を巨大化させる人工細胞増殖液化ガスがある大学と言うのが凄い。

 

今回は春風コンビが私服で潜入捜査を行う。「フブキ先輩」と呼ぶムサシとフブキ先輩のコンビが妙に似合っている。
隊服を脱いだからか今回のフブキ先輩はコミカルな役回りとなった。実はオカルト話が苦手と言う設定はベタだがやはり面白い。
フブキ先輩の前世がミジンコだと知って大爆笑のムサシ。新たなからかいのネタが手に入った感じ。
春風コンビ以外の出番が少なかったのが残念。他のメンバーも私服潜入捜査に参加してほしかった。おそらくアヤノ隊員は実年齢以上に幼く、シノブリーダーは実年齢以上に大人に見られただろう。

 

「くだらん。俺達は科学の最先端にいる人間だぞ。非科学的だ」。
ムサシのドッペルゲンガー話を切り捨てるフブキ先輩だが既にイッパイイッパイな感じ。
オカルト話を「くだらない」「非科学的」と断じる人の殆どは実は恐がっている。

 

ドッペルゲンガーに驚く警備員は『ダイナ』や『ガイア』でフォーガスやディーンツと遭遇した二家本さん。今回も怪事件に遭遇したが無事生還している。

 

白昼堂々現れたドッペルゲンガーを追ってオカルト研究会に足を踏み入れるムサシとフブキ先輩。ここでオカルト研究会会長・13日の金曜日生まれ・筋金入りのオカルトっ子であるカスミが登場する。
藁人形で呪おうとしたり、前世が見える水晶占いでフブキ先輩の前世をミジンコと判断したり、怨霊退散のお札と呪文でドッペルゲンガーを退散させようとしたりとなかなかぶっ飛んだ人物。オカルトっぽい雰囲気のものなら手当たり次第何でもOKな感じ。他に会員がいないので全部独学でやっていったらとんでもない方向に行ってしまったのかな。
実は自分には能力が無い事に気付いているのか、寂しい表情も見せている。この部分は後に再登場する「緑の逃亡者」で取り上げられている。

 

ゲルワームに落とされたテックサンダーをなるべく衝撃を与えないように受け止めるのがコスモスらしくて良かった。

 

フブキ先輩がゲルワームは隕石の中にいる仲間を求めている事に気付くが何故かコスモスは気付かなくて結果として仲間に会いたいゲルワームを邪魔する悪役になってしまった。
生命の輝き」ではコスモスはイフェメラの事情を分かっていたのだが……。ムサシの意思が強くなってきたので、コスモスの知識を使えなくなってきたのかな?

 

今回はヒーロー作品のお約束である偽者話。
二人が組み合った時はどちらが本物か全く区別が付かなかった。ここまで本物と区別が付かない偽者はかなり珍しい。
ところで巨大化したゲルワームの体重は6万7千tでにせコスモスの体重は4万2千tとなっている。2万5千tの体重は何処に……?

 

事情を察したフブキ先輩に隕石を返され、仲間と再会できたゲルワームは皆にお礼を述べて宇宙へ帰る。こういうホノボノしたオチは『コスモス』らしくてホッとする。
でも、あの2匹のゲルワームは恋人だったのか、あるいは親子だったのかもと言う会話は「空からのプレゼント」と全く同じだったのでもう少し捻ってほしかった

 

今回の話は荒木憲一さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。今回の話で荒木さんはライダー、戦隊、ウルトラと日本三大特撮ヒーロー作品全てを手掛けた事となった。