帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「変身不能!?」

「変身不能!? ーザゲル登場ー
ウルトラマンコスモス』第52話
脚本 林壮太郎(原案 梶研吾
監督 根本実樹
特技監督 佐川和夫

 

和文明人コイシス星人ジュネ
身長 170cm
体重 42kg
ジュネはスレイユ星への旅を終えてコイシス星に帰る途中に宇宙船が事故に遭い、迎えが来るまでの間を地球に留まる事になった。
地球の環境に適応できないのでバリアー発生装置で自分とザゲルの周りにバリアーを張る。
ブレスレットで瞬間移動し、念力で相手を攻撃する。
地球は恐ろしい星と聞いていたが実際に会ったムサシやEYESを見て考えを改めた。

 

パートナー怪獣ザゲル
身長 61m
体重 6万1千t
コイシス星の怪獣で地球の環境に適応できない。バリアーで守られていたがバリアーエネルギーが切れ掛かった為に体が弱っていった。
口から光弾を吐き、姿を消す事が出来る。
EYESによってバリアーを補強されるが自身の不注意でバリアーを消してしまい、苦しさで暴れるがルナモードのフルムーンレクトで静められるとトランスバブルで保護される。最後はジュネと共に迎えに来たコイシス星の巨大UFOに回収された。

 

物語
怪獣ザゲルの出現でコスモスに変身しようとしたムサシは謎の少女にコスモプラックを奪われてしまう。
少女の正体はザゲルと共に生きているコイシス星人ジュネだった。

 

感想
初回放送で放送されなかったが、今まで漠然とした理想や夢として掲げられていた怪獣との共存共栄を実現させたコイシス星の存在はムサシに大きな影響を与えたと思われ、実はかなり重要な話と言える。

 

ジュネは地球は恐ろしい星だと聞いていてEYESとコスモスがザゲルを倒すと思っていた。今までのウルトラシリーズを見たらこの地球人観は間違ってはいないのが辛いところ。
ジュネに地球は危険な星だと教えたのはスレイユ星なのかな。もしそうなら「異星の少女」のラミアが帰還する前の話だったのか、ラミアが帰還して地球の実情を訴えてもスレイユ星の世論は変えられなかったのか気になる。

 

「だって地球人は争いを好み、平気で自然を破壊し、怪獣達を排除しようとしているんでしょう?」と言うジュネの問いにムサシはEYESの任務は怪獣を攻撃する事ではなくて保護する事だと説明する。しかし、それを聞いたジュネはムサシにとって意外な答えを返す。
「どうして怪獣を保護する必要があるの? 地球に自然があるように怪獣だっていて当たり前の生き物じゃない。どうして地球人は怪獣と共存共栄が出来ないの?」。
怪獣を捕獲して別の場所に移すと言う事は地球では人間と怪獣は同じ場所で生きられないと言う事を証明していると言える。今まで排除してきた怪獣を保護しようと言う考えが出てきた事は大きな変化ではあるが、怪獣と共存共栄しているコイシス星から見れば、それはまだまだ道半ばの状態であった。
地球での怪獣との共存共栄は難しかったが後の『THE FINAL BATTLE』でムサシはネオユートピア計画を立案する事になる。

 

ジュネは地球人とコスモスが怪獣を攻撃すると思っていたが、EYESはバリアー発生装置を分析して弱まっていたザゲルのバリアーを補強し、コスモスはフルムーンレクトで暴れるザゲルを大人しくしてトランスバブルで保護する。
コイシス星の巨大UFOが迎えに来て、ジュネは地球人に感謝の言葉を述べる。
「私、地球の事を誤解していた。地球にもあなたやあなたの仲間のような人達がいるのね。あなた達がいれば怪獣との共存共栄も夢じゃないと思う。さようなら。あなたの事は忘れない」。
ジュネを見送るムサシも答える。
「僕も君の事は忘れないよ」。
今まで漠然としていた怪獣との共存共栄が実際に達成された例を見る事が出来たのはムサシにとって非常に大きな意味を持つ事となった。