帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「かっぱの里」

「かっぱの里 ーかわのじ登場ー
ウルトラマンコスモス』第56話
脚本 川上英幸
監督・特技監督 村石宏實

 

河童かわのじ
身長 165cm~43m
体重 65kg~4万5千t
取川村に河童伝説が残されている存在。
ドイガキ隊員によると地球上でまだ確認されていない生物との事。
事情を知らない警官に撃たれて怒りで巨大化するがコスモスと相撲を取っているうちに気持ちが落ち着いて元の姿に戻ると老人達と共に取川村に残って暮らし続ける。
「河童」と言うドストレートな肩書きに驚く。名前の由来は「河の児」かな。

 

物語
ある老人ばかりが暮らす村にやって来た若者が化け物に襲われると言う事件が起きた。
EYESが調査に向かうが村の関係者は化け物なんかいないと答える。果たして真実は……?

 

感想
今回の舞台は数年前にダム建設の話が出て多くの者がお金を貰って去って行ったが、その後、ダム計画が中断されて年寄りだけが残ってしまった村。家族に見捨てられた者が残ったと言う話もあり、高齢者の増加による様々な問題が垣間見える。
怪獣や宇宙人との共存共生を謳っていながら、同じ人間、家族でありながら共に生きる事が出来ない厳しい現実があった。

 

実の子供や孫が去っていく中、昔から村に残り続けているかわのじと老人達の関係はまさしくムサシが掲げる怪獣との共存共生を実現していると言える。
ただ、この理想的な関係は深く付き合えるだけの長い時間と限られた空間を持つ事が出来た村だからこそで、それらを持つ事が難しい街においてはかわのじは単なる化け物でしかなかった。

 

今回はウルトラシリーズでは久し振りとなる相撲対決があった。
『A』の「ベロクロンの復讐」のように話の流れに合っていないのは困るが今回は河童を題材にしているので相撲対決は当然の流れになっていた。
こういう事をするとウルトラマンの神秘性が失われると言う意見も分かるが個人的にはサブエピソードはこういう遊びのある内容の方が好きかな。

 

ドイガキ隊員は巨大化までしたかわのじを放っておく事は出来ないと訴えるが、ムサシ達はそっとしておく事も大事だと思うとしてそのまま帰る事に。
確かにかわのじは巨大化して鉄塔を引き抜いたし、人間大でも暴れた若者を殴っているので、今後問題が起きないようにするのなら捕獲して鏑矢諸島に移送するのが一番ではある。だが、全体の安全を考えるあまり個々の事情を無視して怪獣は全て捕獲して移送するべきと言うのも乱暴な考えなのかもしれない。因みに全体の安全の為にこの乱暴な解決方法を選択した存在こそ後に明らかになるカオスヘッダーであった。