サブタイトルにあるようにエミの主役回。
変装しての潜入捜査と言うのは『セブン』を思い出す。(エミもウルトラアイのような赤い眼鏡をかけていたし)
相手が「地球侵略を企む宇宙人」ではなく「リスペクトによる地球支配を企む会社社長」と言うのが現代的。
ウルトラシリーズでは人間が怪獣を生み出す話はいくつかあるが今回のような「人間が会社単位で怪獣を秘密裏に作る」と言うのはあまり無かったと思う。
曾根崎は「防衛軍の中にいたら埋もれてしまうとして防衛軍から出て人の道からも外れてしまった」と言う存在だったが、これは「ウルトラマンになって普通の人から外れた存在になってしまったが防衛軍の中で自分の信念を示していく」と言うゲントの生き方と真逆になっている。
そう考えるとワンマンで自分の思い通りに動く会社を作った曾根崎と組織が用意したチームと隊員の中で動くゲントと言う対比にもなっているのかな。
「隊長が主人公でウルトラマンに変身する」と言うのが『ブレーザー』の特徴の一つなのだが、残念ながら今のところはそれが上手く作用していないように思える。
変身前のドラマでは隊長が主人公と言うのが面白いドラマを作っているのだが、ウルトラマンに変身してしまうと指示を出す隊長が不在になってしまい、隊長としてのドラマを展開できなくなってしまっている。
隊長不在なので隊員がそれぞれ色々考えて動いているのだが、ウルトラマンが出ている時にゲント隊長はどこで何をしているのかと言うのを意外と誰も追求していないのが気になる。いっそ、ウルトラマンが登場している時は隊長が不在なので隊長に代わって皆が考えて動かなくてはいけないと言うのをハッキリ示しちゃっても良いのかなと感じた。
SSKaRDの結束が強くなっていくのだが、一方でゲント隊長はエミの合図ではなく自分の判断で突入したり自分がウルトラマンである事を隠さなければいけなかったりと実は他の隊員とはちょっとズレた位置にいる描写になっている。
エミがゲントに言った「世の中に偶然なんてありません」だが、ひょっとしたら、ゲントとブレーザーの出会いは偶然ではなかったと言う展開が後にあるのか、それとも世の中には素晴らしい偶然の出会いと言うのもあると言う事を示す事になるのか…。
表情豊かなアースガロンがかわいい。
『ブレーザー』はウルトラマンのタイプチェンジが無いが、その分、怪獣の描写に力を入れていこうと言うのが伝わる。
それにしてもエミ役の搗宮姫奈さんの動きが本当に素晴らしかった。