帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「虹が出た 前編」

「虹が出た 前編」
ウルトラマンブレーザー』第7話

 

古来から伝わる伝承を軸に展開される「これぞ怪獣作品!」と言える話。
言葉だけでなく映像でもニジカガチの猛威が描かれているのが良かった。何度も書いているが今だと映画みたいな話もTVで出来るようになっていて技術の進歩に驚かされる。

 

今回はちょっと遠くから映した映像が多く、人物や怪獣の周りの風景も映しているので、自然がテーマのストーリーを映像で補強している。
ニジカガチ出現が山の中で、人々が襲われる場面がビニールハウスや畑で、横峰教授が人類の間違いについて語る場所が工場の近くと言葉での説明が少なくても映像で色々察せられるのが良い。
全ての場面で鉄塔が映し出されている気がするのだがこれも何か意味があるのかな?

 

昔は人間と怪獣が共生していたと言われるとちょっとビックリしてしまうが、今回のニジカガチは古来から伝承が残っている存在なので妖怪や八百万の神みたいなものだと考えるとなるほどとなる。

 

横峰教授役の人は55歳で子役の人は10歳らしいので横峰教授が語った昔の話は今から45年くらい前の話になるのかな。『ブレーザー』の設定を2023年とすると45年前は1978年となる。こういう昔話ってバブル時代を舞台にすると成立させるのがちょっと難しくなりそうな感じがあるので、こういう話が出来るのもあと数年になるのかな。

 

異常な暑さに急激な大雨は現実で起きている問題でもあるので今回の話は妙にリアリティを感じるものがあった。そう言えばコロナ禍でアマビエが注目された事があったし、どんな時代になっても人間はこういう怪獣や妖怪と言う存在を考えてしまう生き物なのかもしれない。

 

横峰教授は人類を全否定してしているのではなくて人類は正しい道を歩む事が出来るはずだと思っているところがあって、だからこそリセットしてやり直そうとする。

 

横峰教授の真意を知ったゲント隊長は感情的にならずに自分の意思をハッキリと伝えていて、こういうところが隊長だなと感じた。主人公が若手の隊員ではなく隊長なのでゲントは第1話の時点で軸がしっかりしていた。『ブレーザー』の見やすさって主人公のゲントがブレていないところが大きいのかな。