未知の宇宙怪獣に対して防衛軍が持てる戦力をつぎ込むと言う戦闘中心の回。
ゲバルガは生物っぽさと機械っぽさが融合しているのがまさに未知の怪獣と言う感じがして良かった。
必死に走って逃げるアースガロンがかわいい。
とは言え、アースガロンが思ったより活躍の印象が少ないのが気になるかな。
特空機とかナースデッセイ号は主人公とは別に動いていたので主人公がウルトラマンに変身した後もウルトラマンを援護したりと活躍できていたのだが、アースガロンはゲント隊長を乗せちゃうと行動不能にして搭乗者を気絶させないとゲント隊長がブレーザーに変身できないのでブレーザー登場後の活躍が作りにくいところがある。
ニュージェネレーションシリーズから一体型のウルトラマンは地球人とウルトラマンと言う二つの人格がある事を徹底して描くようになったが、それを突き詰めると前回今回の『ブレーザー』のように一体化している地球人とウルトラマンの意見がぶつかると言うのは納得。これは今までの作品だとあまり無かった展開なので『ブレーザー』独自の要素として続けてほしい。
「人間の子供を守る」→「怪獣の子供も守る」
「仲間を命の危機から退避させる」→「一体化している人間を命の危機から退避させる」
ブレーザーのやっている事ってゲント隊長のやっている事と同じなんだよね。ゲント隊長は人間なので怪獣の命と人間社会を天秤にかけたら人間社会を優先させるし部下に無茶はさせられないけれど自分自身は無茶が出来る。でも、ブレーザーからしたら人間も怪獣も同じ命だしアンリ隊員もゲント隊長も同じ仲間なんだろうなぁ。地球人とは違う考えが出来る生命体と言うのをこういう形で描くのはこれまでのウルトラマンにはあまり無かった感じがして新鮮。半世紀以上続いているシリーズだがまだまだ描けるものがあるんだなぁ。
最初に設定を見た時はゲント隊長は中間管理職として苦労する事になるのかなと思ったが今回の話ではハルノ参謀長の方がそういう苦労を担う役のようだ。まぁ、立場的にハルノ参謀長の方が上司と直接顔を合わせる事になるからなぁ。
これまでのウルトラシリーズは「主人公とウルトラマンが一体化した事で結果的に良い方向に話が転がる」事が多かったが『ブレーザー』は前回に今回と「主人公がウルトラマンと一体化した事で悪い方向に話が転がる」となっている。一人の人間がウルトラマンに関する事と特別チームに関する事の全てを見て責任を持っていくのはやっぱりちょっと大変。次回でブレーザーと和解できたらウルトラマンに関する苦悩は大分解消される事になるのだが果たして……。