『ULTRAMAN(シーズン2)』
2022年4月14日配信
脚本 檜垣亮
監督 神山健治・荒牧伸志
マンガサイト『コミプレ』で連載されている漫画『ULTRAMAN』をアニメ化した作品のシーズン2。
シーズン1はアニメオリジナル要素もあったが第1話からエースキラー戦までを原作に沿って展開していたが今回は東光太郎を始めとした原作の新キャラクター達が登場するが展開はアニメオリジナルとなっている。
シーズン1より動きが滑らかになっている。又、日本の漫画やアニメ的な部分が増えているので日本の漫画やアニメを見て育った自分は馴染みがあって見やすかった。
原作のタロウ編は舞台がニューヨークだったり超人化の原因が薬品だったりサイドキックなキャラクターがいたり当初はタロウスーツが光太郎の自作だったりとアメコミ的な要素が強かったのだがアニメではそれらをバッサリとカットして舞台は東京で超人化の原因も薬品でなくなり友人のデイブは同僚で恋人のイズミに変わり自作スーツも未登場となった。
舞台が日本になったので「シーズン1の続き」と言う感じが強くなったのだが、ウルトラシリーズでは異例と言えるほどアメコミに寄った原作の話も好きだったのでこの変更はちょっと残念だったかな。
原作では光太郎の友人としてデイブが登場するがアニメでは同僚で恋人のイズミに変更されている。イズミの元ネタは『T』に登場した森山いずみ隊員だと思われる。
『T』では森山隊員もさおりさんも光太郎に好意を寄せているが恋人はさおりさんで森山隊員は同僚だったのが本作では森山隊員が光太郎の恋人になっていると言うのはウルトラシリーズのアナザーとして面白かった。
イズミの魂が光太郎に話しかけてくるのは『T』の緑のおばさん(ウルトラの母)が元ネタかな。
ちょっとこじつけかもしれないが、『T』では白鳥船長と言う親しい人の死をきっかけに光太郎がウルトラマンである事をやめて人間として生きていく事を決意するのに対して本作ではイズミと言う親しい人の死をきっかけに光太郎が人間である事をやめてウルトラマンとして生きていく事を決意すると対になっているのが興味深い。
一方で原典である『T』では死亡していない森山隊員がモデルになっているイズミがあっさり死んでしまう展開にちょっと引っかかったのは正直言ってあった。アニメの光太郎は原作ほど無鉄砲ではなくなっていたのでイズミの死が無くてもウルトラマンとして戦う事を決意できた感じがするので、イズミは転送されただけで済ませてわざわざ死なせなくても良かったのではないかと思う。イズミの死のせいでこの後のマーヤの被害者描写もちょっと引っかかる感じになってしまったし。
アニメオリジナルキャラクターのワドラン星人マーヤは『セブン』のワイルド星人とマゼラン星人マヤと『A』の女ヤプールを組み合わせたキャラクター。
露出度高めな格好、佐倉綾音さんの演技、男なのに何故かメイド服の部下達とまさに日本の漫画やアニメ的なキャラクターとなっていて印象に残った。
今回は全6話と短めになっていてアクション中心でサクサク見られる作りになっているが、一方で新キャラである光太郎やマーヤに関する描写は物足りなさを感じた。
第2話で光太郎が変身して続く第3話からはもう決戦に向けて話を纏め始めたので、変身したばかりの光太郎がすぐにウルトラマンと異星人の戦いに順応していたり、マーヤを悲劇のヒロインにする為に命を落とす危険性があった事を理解していながら転送装置を使ってイズミを死なせた事について途中から殆ど言及されなくなったりと急展開がいくつかあったのは勿体なかった。
ペダント星人の声はギャラファイシリーズでタルタロスを担当している諏訪部順一さん。最初の自己紹介の場面は「我は究極生命体アブソリューティアンの戦士アブソリュートタルタロス」の台詞が頭の中に響いてしまったw
オープニング曲はNOILIONの『3』、エンディング曲はVoid_Chordsの『Transcending Time』となっている。
敵味方関係無く踊りまくるエンディング映像は必見!
配信リスト
第1話「NYから来た男」
絵コンテ 内山寛基
第2話「憤怒の炎」
絵コンテ 内山寛基
第3話「失われた『光』」
絵コンテ 荒牧伸志
第4話「科特隊急襲」
絵コンテ 内山寛基
第5話「黄金の城塞」
絵コンテ 荒牧伸志
第6話「六番目のULTRAMAN」
絵コンテ 内山寛基