帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「インターネット・カネゴン」

「インターネット・カネゴン
ウルトラマンアーク』第8話
2024年8月31日放送(第8話)
脚本 吉上亮
監督 越知靖

 

V怪獣インターネット・カネゴン
身長 測定不明
体重 測定不明
大学で「欲望のモデル化」を研究していたホシペイ社のCEO・銅金カナオが作った完全自立型AI。
星元市の次世代都市構想の実証実験にホシペイのプロジェクトが採用された事でPRと研究を兼ねて試験的にシステムに実装された。
人の欲望を解析して配信で人間が求める事を忠実に実行してホシペイを集めていたが、「お金を使う」と言う概念が無い為に星元市の経済活動を止めてしまった。
SKIPによって星元市の飛行船型データセンターに捕獲され、アークとユピーによってお金を使う事を学習するデータを飲まされる。
実体を持たない完全デジタルな存在であったがアークとの戦いの後は実体を持つようになっていた。

 

物語
最近の星元市は物価が上がって物不足に陥っていた。
SKIPも節約が求められる中、石堂さんは動画を配信して電子通貨「ホシペイ」を手に入れようとする。
まず、人気の動画配信者を研究する事になったが……。

 

感想
『Q』の時代からいる怪獣カネゴンが登場する話。
昔の怪獣の再登場となると懐古的なお話になる事が多いが、今回は「電子通貨」「AI」「ユーチューバー」「Vチューバー」「AR」「VR」と言った令和ならではの要素が盛り込まれていて『アーク』の中で最も2024年を示す話になっていた。

 

「一日のコーヒーがたった三杯など……あり得ない!」。
石堂さん、カフェイン中毒になっていませんか……?

 

石堂「ユウマ君。「ホシペイ」って知っていますか?」、
銅金「ご紹介します! 「ホシペイ」はアプリをスマホにインストールするだけ! 誰でも、どこでも、いつでも、星元市で暮らす人全てを幸せにする全く新しい地域通貨、それが「ホシペイ」!」、
ユウマ「「ホシペイ」なら僕もアプリに入れていますよ。現金と同じに使えて便利ですよね!」、
リン「なに? ユウマと「ホシペイ」のポイントでも溜めるつもり?」。
ここのコマーシャルっぽいちょっと不自然な皆の台詞が妙にツボにはまった。

 

動画の再生数を上げるのに必死で様子がちょっとおかしくなっている石堂さんをあしらう伴所長の場面が面白い。
笑顔で応対していて「私は好き(な動画)ですよ」と褒めているが本当はあまり興味が無さそうなのが隠し切れていない。

 

ホシペイライブの人気動画一覧はカネゴン以外にも目を引く動画があった。特に「つーじーイズム」の「【緊急】助けてください」は何があったのか非常に気になる。

 

銅金カナオの名前は『Q』の「カネゴンの繭」に登場した「加根田金男」のアナグラム。ちょっと無理がある名前だが、今回はコメディ回で彼女自身もマンガチックなキャラクターだったので違和感は無かった。

 

コメディ回と思いきや電子通貨「ホシペイ」の説明からカネゴン回らしい経済の話になった。この時の銅金カナオの説明が分かりやすい。放送当時の日本も不景気だったが、その原因が何なのかよく分かる話になっていた。

 

ホシペイについて説明する時に銅金カナオが白いちょび髭と白衣を着けるのは『Q』の一の谷博士のオマージュかな。

 

カネゴンとの戦いの舞台となった電脳空間の何でもあり感は『ダイナ』の「怪盗ヒマラ」に登場したヒマラワールドを思い出すものであった。

 

アークやユピーが電脳空間に入る時に通った場所は『電光超人グリッドマン』が元ネタかな。
因みに今回活躍したユピーの声を担当している広瀬裕也さんは『グリッドマン』の続編である『SSSS.GRIDMAN』の主人公・響裕太の声も担当している。

 

今回は全体的にゆる~いコメディ回であったが、それでも戦闘中に主題歌が流れると動きはコミカルでも盛り上がる雰囲気になるのがヒーロー作品の面白いところ。

 

「お金を使う」を学習したカネゴンは「USブラザーズTV」に投げ銭をするが、それを受け取ったオメガ(石堂さん)の姿がカネゴンに変わってしまう。
もし、カネゴンからお金を受け取った人間はカネゴンに変身してしまうとしたら、ホシペイの9割をカネゴン保有されている星元市の人々の運命は……。(「石堂シュウの日記」を読むとそのような事は無かったようだが)

*やっぱり「USブラザーズ」の件は怒られたんだw

 

USブラザーズの表情デザインを担当したのはシャゴンのデザインも担当した坂本トシミさん。劇中には登場していないがX(旧Twitter)ではSKIP星元市分所メンバー全員のアバターが描かれている。

 

今回の話は吉上亮さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。

 

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