「お前はギヴァス」
『ウルトラマンアーク』第12話
2024年9月28日放送(第12話)
脚本 本田雅也
監督 武居正能
古代地底獣オカグビラ
身長 50m
体重 3万5千t
再び地中から現れてギヴァスへの復讐を行うが返り討ちに遭い、最後はアークに守られて地中に逃げ帰った。
機械巨像ギヴァス
身長 70m
体重 6万9千t
クロコ星人と同じ銀河にある惑星メグマで作られた。
メグマ星人は優れた科学力を有していたが聖なる月ムジャーリが力を失ったので第二のムジャーリを探す為に巨大な宇宙船で宇宙を旅していた。
ギヴァスに乗っていたメグマ星人達は惑星メグマが滅んだ後も生きる証を残す為に旅を続けていた。長い年月の末に力尽きてしまった最後のメグマ星人はギヴァスを助ける為に自分達の死を隠してギヴァスに新しい友が出来る事を願って「この星に私のギヴァス(友)はいるか? 私はお前のギヴァス(友)になりに来た」と言う言葉を残した。
星元市に降り立ったギヴァスはオカグビラの攻撃を受けて反撃の為に動き出すが、ユウマの説得を受けて戦いを止めると、ユウマに告げられて地球の月へと去っていった。
茸狩宇宙人クロコ星人
身長 2m
体重 96kg
石堂の頼みを受けてギヴァスの謎を解く為にSKIPにやって来る。
物語
ギヴァスの扱いで思い悩むユウマ。
そこにクロコ星人のヌマタがやって来て、SKIPは再びギヴァスの言葉の解明を始める。
果たして「この星に私のギヴァスはいるか? 私はお前のギヴァスになりに来た」の本当の意味とは……?
感想
ヌマタさん再登場。
銭湯が舞台なので不自然さ無くアキラ100%さんを裸にする事が出来た。(そもそもユウマが銭湯にいる事が不自然とか言ってはいけない)
ギヴァス編のテーマは「相手が敵か味方か見極める」「相手が敵ではないと分かったらどうするべきか」であるが、それは「あけぼの荘へようこそ」でも描かれている。
「あけぼの荘へようこそ」ではヌマタさんが地球の言語を話せたし事情を知っているあけぼの荘の人達がいたので比較的スムーズに話が進んだが、今回はそこからさらに踏み込んで地球の言語を話せず事情を知っている人もいないギヴァスを相手に話が進められる事となった。
ヌマタさんはユウマに向かって「ギヴァスの味方になってやれるのはあなたしかいません」と告げる。
SKIPがギヴァスは敵ではないと思っているところであえてユウマ一人に絞って話をしているので、これはユウマがアークである事を踏まえての発言だと思われる。
自分の腕力だけでギヴァスを登っていくユウマに驚き。
防衛隊所属だったらそういう訓練がありそうなので気にならないが、おそらくそういう訓練を受けていないであろう一般人のユウマが70mもあるギヴァスの頭部まで登るのはさすがにちょっと無理があるような……。(20階建てのビルでボルダリングをしているようなもの)
ギヴァスのコックピットにいたメグマ星人が既に死んでミイラになっていたのは衝撃だった。
「遠くの君へ」のフィオもだったが、現在の地球にいるウルトラマンは遠く離れた星にいる宇宙人や遙か昔に星が滅亡した宇宙人を助ける事は出来ない。そしてこれはそのまま「地球から遠く離れて滅亡の危機に瀕しているルティオン達の星」と言う話に繋がっていく。
ギヴァスが暴れ続けるので防衛隊はミサイル攻撃を決定する。
それを回避する為にユウマはギヴァスに暴れるのを止めるよう告げるのだが、オカグビラが攻撃してくるのでギヴァスが反撃するのは仕方が無いし、ギヴァスとオカグビラが暴れたら街が破壊されるので防衛隊が攻撃を決断するのも理解できる。
「満月の応え」もだったが、他の作品だったら防衛隊が不自然に悪く描かれそうな状況でも『アーク』では防衛隊の行動にちゃんと納得がいく流れが作られているのが良かった。(それだけに「満月の応え」も前回もゲストの描写がイマイチ説明不足だったのが残念)
惑星メグマの言葉はとても複雑で、使う状況によって意味が変化する言葉もあって、「ギヴァス」と言う言葉は「敵」と言う意味の他に月が出ている時は「友」と言う意味が出てくるとの事。
よく考えたら地球の言語にもそういう言葉があるので、これはなるほどなぁと感心した。この設定によって惑星メグマを「「友」や「敵」と言った地球人に近い精神を持っていながら地球とは異なる文化を持っていた星」として描けたと思う。
アークがギヴァスとオカグビラの間に登場したのを受けて伴所長が「(防衛隊の)攻撃到着まで5分を切ったぞ」と呟くが、ウルトラマンの登場時間は3分間なので今回は防衛隊が到着する前にアークが事態を解決する事が分かってしまった。ここは明確な時間を示さない方が防衛隊の攻撃がいつ来るのか分からないドキドキ感があったと思う。
今回のアークはオカグビラを倒さないで逃がしているが、「満月の応え」を経てユウマは怪獣を倒す以外の選択肢も想像できるようになったのかなと思われる。(そう考えるとアークがシャゴンを見逃す「あけぼの荘へようこそ」は「満月の応え」の後の話にしてほしかったかな)