「恐れの光」
『ウルトラマンアーク』第16話
2024年11月2日放送(第16話)
脚本 根元歳三
監督 越知靖
幻視怪獣モグージョン
身長 54m
体重 5万9千t
ザディーメが残した次元の裂け目から落ちた卵から孵化した。
掌から発する光で相手が恐れるものの幻覚を見せて動きを止めたところを捕食する。
トサカから赤い光線を放つ。
最初は実体が無い幽霊のような存在だったが再登場時は実体化して街を襲撃した。
ザンギルの「斬鬼流星剣」の力を与えられたアークアイソードに自身の能力を反射されると最後はアークファイナライズで倒された。
ユピーによって「イルージョンを見せるモグラ=モグージョン」と名付けられた。
宇宙侍ザンギル
身長 220cm~54m
体重 77kg~5万4千t
モグージョンに苦戦するアークとSKIPの前に現れた。
「斬鬼流星剣」の力をアークアイソードに与えてモグージョン撃破のきっかけを作る。
戦いの後、ユウマとシュウの前に現れて「ヘルナラク」の脅威を伝える。
物語
オニキスの反応が消失した為、石堂は宇宙科学局に戻る事となった。
石堂がSKIPを離れる日、キャンプ場から奇妙な事件が報告される。
感想
前回の話で第1話からの謎が大体解けて一段落したので今回の話からはブレーザー編が始まる事となった。
ユウマと石堂さんの通勤路の場面は季節や二人のやりとり等が「想像力を解き放て!」と対になっている。
特別調査員は情報漏洩を防ぐ為に指令が下るまでは自分にどんな仕事が与えられるのか分からず、同僚ともあまり関わらないらしい。
そう考えると同僚と一緒に仕事をするSKIPでの日々は石堂さんにとって印象に残るものであったと思われる。
「防衛隊の特別調査員は同僚との関わりが少ない」と言う設定を知ると、数少ない同僚を宇宙人に殺された石堂さんの心の傷が分かるようになる。
「防衛隊から指令を受けて派遣される特別調査員」と言う石堂さんの設定は「宇宙警備隊から指令を受けて地球に派遣されるウルトラマン」に通じるところがある。
石堂さんが派遣先のSKIPやユウマを気に入ったのもウルトラマン達が地球を気に入ったのと同じものなのかもしれない。
ユウマがSKIPに入隊した理由は「現れる怪獣に対処するだけでは駄目で、怪獣を調べる事でより多くの人を守れると思った」との事。
「怪獣に関する知識が豊富な主人公」と言うのは『コスモス』のムサシや『X』の大地に近いが、ユウマはあくまで「人間を守る為に怪獣を調べる」となっている。これはムサシや大地と違ってユウマは怪獣災害で両親を失っているので、自分が守ろうとする存在に加害者である怪獣は入らなかったのであろう。
しかし、アークと一心同体になって「満月の応え」等で人間以外の存在と交流するようになってユウマの考えは少しずつ変わっていく事になる。そしてそれは宇宙人に同僚を殺された石堂さんがアークやヌマタさんやザンギルと交流した事で変わっていったのに通じるものであった。
人々がパニックに陥ったキャンプ場を調査して毒ガスや病原菌が発見されなかった事を報告するユピー。地下鉄サリン事件の話を聞くとユピーのような存在のありがたさがよく分かる。
キャンプ場に忍び込んだ男性がモグージョンの能力で見たものはなんと「湯豆腐」であった。
「豆腐が嫌い」ならまだ分かるのだが「湯豆腐が怖い」ってどういう事なんだろう? 湯豆腐でなければ大丈夫なのだろうか? あまり深い意味は無いと思われるがすっごい気になる。
石堂「防衛隊は間に合わない! 私達がやるしか……。いや、私達なら出来ます! ですよね!」。
石堂さんが自分とSKIPを分けないで「私達」と言っているのが良い。この直後にアークがモグージョンの攻撃を防いでいる間に石堂さんが人々を避難させる場面があるので、この「私達」と言う言葉には「石堂さんとSKIPとアーク」が含まれていると思われる。
石堂さんがSKIPでの任務継続を上司に願い出た辺りの話は「石堂シュウの日記」で書かれてある。
これを読んで改めて思ったが、「石堂シュウの日記」に書かれてある丹生谷班長の場面が本編で実際に描かれていたら彼はかなりの人気キャラクターになったと思われる。
ー #石堂シュウの日記📔 ー
— ウルトラマンアーク THE MOVIE/ジェネスタ公式 (@ultraman_series) 2024年11月8日
今週もシュウの日記を
覗いてみましょう〜🔍
シュウの被っていた
ヘルメットに
こんなエピソードが!
来週もお楽しみに!#ウルトラマンアーク pic.twitter.com/5pEV6MP2z1
石堂「なぜ宇宙科学局に務めているか答えていませんでしたね。私は宇宙人を危険な存在と考えていました。でも、今はユウマ君と同じです」、
ユウマ「僕と?」、
石堂「警戒は必要です。ですが、彼らの事をもっとよく知りたいと思っています。より多くの人々を守る為にも」、
ユウマ「……石堂さん」、
石堂「シュウで良いですよ。ユウマ君」、
ユウマ「え?」、
シュウ「実は皆さんが名前で呼び合っているの羨ましく思っていたので」、
ユウマ「分かりました。シュウさん」。
『ブレーザー』のSKaRDも「名前を呼ぶ時は下の名前かあだ名」となっていたが、この辺りは基本的に名字で呼び合っていた昭和時代との違いを感じる。
次回予告のユウマの妙な喋り方がちょっとツボにはまる。