帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「超える思い」

「超える思い」
ウルトラマンアーク』第19話
2024年11月23日放送(第19話)
脚本 根元歳三
監督 武居正能

 

宇宙甲殻怪獣バザンガ
身長 51m
体重 2万6千t
ヘルナラクが発生させた卵から孵った。
ヘルナラクが『ブレーザー』の地球からいなくなった後もブレーザーと戦い続けるが最後はブレーザーのスパイラルバレードで倒された。

 

冥府闇将軍獣ヘルナラク
身長 67m
体重 測定不能
アースガロンを撃破し、続けてブレーザーとアークと戦う。
スパイラルバレードとアークファイナライズを受けて卵を発生させる器官が露わになると次元の裂け目を通って『アーク』の地球に向かった。
『アーク』の地球では星元市を拠点に卵を産み続けて人間を追い払った。
アーク一人では勝てない相手だったが、ブレーザーの力を得たアークのアークスパイラルバレードを受け、続けてアークファイナライズを撃ち込まれた事で大爆発を起こして倒された。

 

23式特殊戦術機甲獣アースガロン(Mod.2)
身長 50m
体重 2万7千t
ヘルナラクと戦うが敗れてしまう。
しかし、その後も戦い続けてバザンガと戦うブレーザーを援護した。

 

ウルトラマンブレーザー
身長 47m
体重 4万2千t
ヘルナラクと戦う為に出現する。
いきなり現れたアークに驚くも見事な連係を発揮して形勢を逆転させる。
ヘルナラクが次元の裂け目を通って『アーク』の地球に逃げると自分のエネルギーを与えたアークを次元の裂け目に放り投げ、残されたバザンガをスパイラルバレードで倒した。

 

物語
次元の裂け目の向こう側に落ちたユウマはそこで違う次元のSKIPと遭遇する。
アークとブレーザーの二人のウルトラマンは冥府の闇将軍ヘルナラクとの次元を超えた決戦に挑む!

 

感想
4話続いたブレーザー編の決着回。

 

ヒーロー作品での「違う次元や宇宙」「パラレルワールド」「マルチバース」等は「色々なヒーローを共演させる為の設定」みたいなところがあるが今回の話では「時間の進みが違う」「同じ地球なのに違う歴史を辿っている」「同じ人物でも違う人生を送っている」と言った「違う次元」に着目した描写が多かった。
過去のウルトラシリーズでもこういう話は何度かあったが、どちらかと言うとこういう設定は仮面ライダーシリーズの方が多い印象があるかな。

 

いきなり違う次元に飛ばされると色々なトラブルに巻き込まれるものなのだが、今回はユウマはすぐに事情を理解できたし、違う次元のシュウもユウマの正体をすぐに推測できている。
こういうところでゴチャゴチャしないでサクッと話を進めるところが実に『アーク』らしいなと思う。

 

ユウマは実際に次元の裂け目の向こう側に行くまで裂け目の向こう側の世界を想像する事が出来なかったが、違う次元のシュウ達は既にそれを理解していてヘルナラクがユウマ達の次元に行く事を阻止しようとしていた。
この「向こう側には何があるのか?」について想像できたかどうかと言う話は「ゼ・ズー ゲートの向こう側」について想像力を働かせたルティオン達と働かせなかったゼ・ズー達の話に通じるところがある。
以前に自分はユウマの中ではアークとシュウは「ヒーロー」と言う扱いで一緒に括られているところがあるのかもしれないと書いた事があるが、今回の話で違う次元のシュウがユウマに語った「自分達の平和の為に他の世界に脅威を押しつけるわけにはいかない」と言う考えはルティオンが地球に来た理由と同じものであった。

 

久し振りにブレーザーの戦いを見たが改めて見るとホントーにうるさいなぁw

 

次元の裂け目を通って戻ってきたユウマだったが時間の進みが違った為に四日間も行方不明になってしまった。
さすがにトイレに行ってから四日も行方不明は言い訳を考えるのが大変だっただろうなぁ……。

 

防衛隊は星元市を犠牲にしてでもヘルナラクを倒す事を決定する。
ユウマが四日間も行方不明になっていたと言う事はアークも四日間現れなかったと言う事になる。四日前にアークが次元の裂け目の向こう側に消えた事は目撃されているので、おそらく防衛隊はもうアークはこの地球にはいないと判断したのであろう。

 

いつもの客演回だったらどんな強敵が現れてもウルトラマンが複数いるので最後はW変身からの共闘で主題歌をバックに勝つんだろうなと予測出来るのだが、今回は次元の裂け目が閉じた為に違う次元にいるブレーザーの協力は得られないとなって、ヘルナラクをどうやって倒すのか最後まで予測できなかった。

 

アーク一人では勝てないヘルナラクを相手に客演ウルトラマンの協力を得られない状態でどうやって戦えば良いのか?と言う展開でSKIPや防衛隊と言ったこれまでアークと一緒に戦ってきた仲間達が協力する展開はベタだけれどやっぱり良い。

 

クライマックスの違う次元の同じ星もと市で戦う二人のウルトラマンの場面は「客演回でこういう見せ方もあるのか!」と唸った。
ウルトラシリーズの客演回の定番と言うものが決まってきたところだったので、こういう捻りは今後の話の幅を広げると思う。

 

とは言え、やっぱりゲント隊長達のSKaRDの活躍やゲント隊長とユウマのW変身等が見たかった気持ちは正直言ってある。
ブレーザー』の地球にもユウマ達がいるのなら、ヘルナラクと戦うアークを援護する防衛隊の戦闘機のパイロットが『アーク』の地球のゲント達だったとかしてほしかったなぁ。

 

ギャラクシーアーマーが敗れた後にブレーザーキューブを出したらパワーバランス的にこの後の話が大変になるのは分かるけれど、アーク一人では勝てない強敵だと分かっていながらアークアーマーを使わないでヘルナラクと戦うのは違和感があった。
ブレーザー』の地球での戦いはアークのエネルギーが足りなかったとかで納得できるのだが、ブレーザーからエネルギーを与えられた『アーク』の地球での最終決戦でもアークアーマーを使わなかった理由はちょっと思い付かない。

 

ブレーザー編の敵となったヘルナラクウルトラマン二人がかりでないと倒せないとして強敵感はちゃんとあったのだが見終わるとちょっと物足りなさを感じた。
おそらくだがヘルナラクが「死んだ怪獣を復活させて暴れさせる危険な怪獣」と言う説明だったら気にならなかったと思うがザンギルが「冥府の闇将軍が怪獣幕府を打ち立てようとしている」と説明して実際にヘルナラクの肩書きが「冥府闇将軍獣」で相手の疲労を誘う戦術を使ってくる等した為に「まさか本当に怪獣幕府を打ち立てようとする知能ある怪獣が出てくるのか!?」と言う妙な期待が生まれてしまい、その期待の後に実際のヘルナラクを見たら「意外と普通の怪獣だったな」と物足りなさを感じてしまったのかもしれない。まぁ、全25話の第19話で本当に怪獣幕府を打ち立てられても困るのでヘルナラクは今回の話で倒されて正解だったのだが……。
振り返ってみると「冥府の闇将軍が怪獣幕府を打ち立てようとしている」と言う言葉は『アーク』と言う作品の全体のバランスを崩しかねないほどのパワーワードだったのかもしれない。
個人的には『宇宙戦隊キュウレンジャー』の設定が好きなので幕府のような階級がしっかりした敵組織をウルトラシリーズでも見てみたいなと思っている。(『メビウス』のエンペラ軍団をもっと組織化したような感じで)

 

今回の客演回だが「『ブレーザー』からウルトラシリーズを見始めた」場合、「客演が無い『ブレーザー』」→「『アーク』の第16話から『ブレーザー』の怪獣が再登場する」→「『アーク』の第19話で遂にブレーザー本人が登場する」とブレーザーとアークの共闘に向けてちょっとずつだが着実に歩みが進められていた事が分かる。ところが、これが「『デッカー』以前のウルトラシリーズも見ていた」場合、「『メビウス』から『デッカー』までの客演回では過去作のキャストが登場してW変身等もあった」→「『アーク』のブレーザー編では声以外に過去作のキャストは登場しないしW変身も無い」とウルトラマン共闘に関して以前より後退した感じになってしまう。
ウルトラシリーズに限らず今は長年にわたって作品を追い続けるファンは少なくないし、たとえファン歴が短くても過去の作品をサブスク等で手軽に見られる状況なので、たとえば作り手が『ブレーザー』でシリーズの流れを一度区切ろうとしても、『ブレーザー』以前の作品を頭に入れたまま『ブレーザー』以降の作品を見て「過去作と比べたら違和感を覚えたり物足りなさを感じたりする」と言った人達はどうしても出てしまう。ここは長期シリーズ故の難しい問題と言える。

 

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