「ミコとミコト」
『ウルトラマンオメガ』第5話
2025年8月2日放送(第5話)
脚本 本田雅也
監督 越知靖
伝説蛇獣オオヘビヌシノミコト
身長 2~100m
体重 100kg~1万t
ある山奥でミコに育てられていた大きな蛇。
昔人間と恋に落ちた蛇の神様の言い伝えからミコによって名付けられた。
周りから鉄分を吸収し、脱皮を繰り返して巨大化していく。
最後は友達のミコを守る為にあえてオメガに倒される事を選んだ。
物語
オーナーに頼まれていた荷物を届けに山奥の村にやって来たソラト。
そこで出会ったミコと言う少女は山奥で巨大な蛇に「ミコト」と名前を付けて育てていた。
感想
前回のレビューで「『オメガ』のゲスト回はゲスト中心のドラマになっているように見えて実は主人公メンバー中心のドラマになっている」と書いたが今回は『オメガ』では珍しいゲスト中心のドラマとなっている。(ただし、ミコとミコトの関係を深掘りしていくとコウセイとソラトの今後を色々と考察出来る作りになっている)
記憶喪失のソラトだが遠慮無く距離を詰めてくるので意外と人と打ち解けるのが早く、今回も見ず知らずの軽トラックの運転手さんと仲良くなって目的地まで送ってもらっている。
下の動画でマサッさんが呟いた「不思議と引き込まれちゃうお兄さん」がソラトを的確に表現していると思う。
今までのウルトラシリーズでミコとササコのような物語をすると子供をもっと分かりやすく反発させていたと思うが、今回登場したミコは表向きは叔母に感謝の言葉を述べたりしているが心は開いていないと分かる態度になっていた。
ウルトラシリーズに限らずヒーロー作品は限られた時間で色々な事をしなければならないので明確で分かりやすいドラマが求められているところがあって今回のような雰囲気で見せていく話はちょっと異色であった。
ヒーローはどうしても品行方正が求められるものなのでソラトの「野菜があまり好きではない」はウルトラシリーズでは珍しい設定であった。
ソラトが野菜嫌いそうなのであえて大きい野菜を入れるササコさんが実に親戚や田舎のおばちゃんらしくてつい笑ってしまった。
自分は一作品に一体か二体はオーソドックスな二足歩行ではないデザインの怪獣が出てほしいと思っているのでミコトのデザインは好き。
田舎の村を動き回るミコトの姿は今まであまり無かった絵で新鮮だった。
撮影は大変そうだけれど、やっぱりこういう変化球の怪獣は今後も残していってほしい。
「都会から田舎へ一人で引っ越す事になった寂しい子供のミコ」と重ねる事で「ミコトのような怪獣も人間社会に一体だけ出る事になった寂しい存在」と示したのが面白かった。この「一人だけ違う世界に来てしまった」は地球に一人落ちたオメガにも通じるところがある。
今回は「独りぼっちで寂しい人間のミコ」と「独りぼっちで寂しい怪獣のミコト」と「独りぼっちで寂しいオメガ」と「独りぼっち」と言うテーマで人間と怪獣とウルトラマンを繋げていて、こう言った話が最終回で語られた人間と怪獣とウルトラマンの共存へと繋がっていったのかもしれない。
ミコとミコトの関係は「人間と人外」「人外と関わった事で人間の生命力(体力)が削られる」と言ったところがコウセイとソラトの関係に近いところがある。
今回はミコがミコトに依存した為に事態が悪化したところがあるがコウセイもソラトに依存して自身の生きる目的を成り立たせようとしたところがあったので一歩間違えたらコウセイとソラトも今回のミコとミコトみたいになっていた恐れがある。
オメガが怪獣と戦う前に手の平を相手に向けて観測する仕草は「オメガスコープ」と言われているが実はこの動きはオメガの手が怪獣の首の辺りに来る事があって「怪獣の首を絞める仕草」にも見えるところがある。
そう考えると今回の戦いでオメガがミコトに対してオメガスコープを途中で止めたのは「ソラトはオメガに変身してもミコトを殺して良いのか決断が出来ていなかった」と解釈する事も出来る。だからこそ、事情を知らないのでミコトを殺す決断が出来ていたコウセイの存在が今回の戦いに必要となったのだった。
Keep your Chin up 辛い事があっても顔を上げて元気を出して