「怪獣の探しもの」
『ウルトラマンオメガ』第6話
2025年8月9日放送(第6話)
脚本 三好昭央
監督 越知靖
猛突怪獣ゲドラゴ
身長 56m
体重 2万5千t
光に弱くて普段は地中深くの巣穴でひっそりと暮らしている。大人しい性格で滅多に地上に出てくる事は無い。雄の目には光を遮る保護板があって昼間でもわずかな時間なら地上で活動する事が出来る。
工事の音を求愛ダンスの音と勘違いして矢神岳の工事現場に現れた雌の個体は光にやられてすぐに死んでしまった。その後に近くの山の崖崩れから雄の個体が現れて雌の個体を追い求めて求愛ダンスを踊った。
雄の個体もレキネスカリバーによって目の保護板を破壊されるが、事情を理解したオメガとレキネスによって雌の個体と一緒に巣穴の中に戻された。
物語
工事現場に突然現れて死亡した怪獣の調査を担当するアユ姉と後輩のカミヤ。
向かった先の崖崩れから工事現場に現れたのと同じ怪獣が現れる。
果たして二体の怪獣の関係は?
感想
実は「爪痕の謎を追え」と同じく「主人公メンバーのドラマを進める為にゲストが存在している」と言う作りになっている話。
「爪痕の謎を追え」は頼れる人生の先輩であるオオヤさんを使ってコウセイの現状と今後を描いたが、今回は頼りにならない後輩のカミヤ君を使ってアユ姉の頼りになって冷静に状況を判断して考える事が出来る部分を描いた。
同じ「ゲストを使って主人公メンバーの掘り下げをする」と言う話でもオオヤさんとカミヤ君と言う真逆のキャラクターを使う事で全く違う話に仕上がるのが面白い。
皆で野宿をする時にソラトが何に向けて手を伸ばしていたのか描かれていなかったが前後の描写を見るにおそらくは月であったと考えられる。
アユ姉は怪獣の対策会議に参加している恩師に誘われて怪獣の研究を担当するようになったとの事。この恩師こそが後に登場するウタ・サユキである。
山が舞台の話が続いたのでこの辺りの『オメガ』は「特撮が地味」と言われている。確かに派手な破壊シーン等は無かったが、今回はモグラ型の怪獣だったので「地面に潜る・沈む」「地面から出てくる」「地面に突き刺す」「地面に埋める」と「地面」を使った場面が多くあって映像面のテーマが分かりやすかった。
個人的にはTVシリーズは「今回の話の映像面のテーマはこれです」と一つに絞って見せてくれる方が分かりやすくて助かるところがある。
アユ姉の説明を聞く為に顔を近付けるオメガの場面がシュール。
『アーク』の「遠くの君へ」で聞き耳を立てるアークもだったが、人間がよくする仕草も巨人のウルトラマンがやるとちょっと変わった不思議な絵になるのが面白い。
アユ姉は絶滅危惧種のクチナガダンスモグラの動きとそっくりだった事からゲドラゴの動きが求愛だった事に気付く。その結果、オメガはゲドラゴは次の繁殖期までしばらく地上に出てこないだろうと考えて巣穴に戻す事を選択する。
怪獣に関する記憶がまだ一部しか戻っていないオメガは目の保護板を破壊したらゲドラゴを倒す事が出来ると言う判断を下したが、そこからさらにゲドラゴの目的が求愛で次の繁殖期までしばらくは地上に出ないと言うアユ姉の調査結果を受けてゲドラゴを倒さないで巣穴に戻すと言う判断へと変わった。
未知の存在である怪獣を研究して情報を得れば怪獣を倒す方法が見付かる。そこからさらに研究を進めてより深い情報を得れば怪獣を倒さなくても済む方法も見付かる。『オメガ』は最終回で怪獣との共存も目標にするようになったが、おそらくそれはオメガが記憶を取り戻したり人間達による調査が進んだりして怪獣に関する知識や情報が増えたからだと考えられる。(そう考えるとアユ姉がいた事でゲドラゴの雄の個体を倒さずに済んだ今回の話とアユ姉がいなかったのでミコトの生態をより詳しく調査して倒す以外の選択肢を作り出す事が出来なかった「ミコとミコト」は対になっていると言えるのかな?)
オメガがゲドラゴの雌の個体を、レキネスが雄の個体を巣穴まで運ぶ事になる。
『オメガ』はソラトとコウセイのW主人公なので、ちゃんと二人に活躍が振られていると嬉しい。
怪獣は特別な存在ではなく人間や動物と同じ生物であると考えたアユ姉は調査チームに残って怪獣に関する調査を続ける事を決意し、アユ姉の話に感激したカミヤ君も調査チームに残る事を決める。
カミヤ君は今回限りのゲストであったが物語の終盤辺りでウタ斑とは別の調査チームの一員として再登場してほしかった。
生物の三大欲求として「食欲」「睡眠欲」「性欲」があるが、お腹が空くウルトラマンのソラトで「食欲」を、途中に眠る場面があった人間のコウセイ達で「睡眠欲」を、求愛ダンスをする怪獣のゲドラゴで「性欲」を描いた話だったのかな。