帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「カネナリ怪獣パーク」

「カネナリ怪獣パーク」
『ウルトラマンオメガ』第9話
2025年9月6日放送(第9話)
脚本 兒玉宣勝
監督 市野龍一

 

深海怪獣グビラ
身長 50m
体重 3万5千t
工事現場で冬眠状態で発見されたと思いきや実は寝たふりで餌が集まるのを待っていた。
高温の潮を吹いて相手を攻撃する。
トライガロンクローのトライガロンクロークロススラッシュで倒された。

 

物語
冬眠中の怪獣が発見されるが土地を管理しているカネナリコーポレーションは政府の調査を拒否する。
実は金成社長は冬眠している怪獣を使った一大プロジェクトを構想していたのだった。

 

感想
カネナリコーポレーションの社長である金成丈二は冬眠中の怪獣を保護する為に部外者をシャットアウトする。
今までの話で多くの怪獣が街を破壊していてテリジラスに至っては生きている人間を食べているので、怪獣グビラの存在が世間に広く知られたら駆除の方向で話が進むと言う金成社長の説明は納得出来る。実際、『オメガ』はこの時点ではゲドラゴ以外の怪獣は全て倒されている。

 

アユ姉は「怪獣の探しもの」でゲドラゴの生態を調査して最終的には倒さなくて済むようにしていた。今回も怪獣を調査したら冬眠のサイクルが分かるかもしれないと言っている。結果としてグビラが人間を餌と認識していたので倒す事になったが、アユ姉の調査が進んで人間以外の餌を用意する事が出来たら駆除以外の選択肢が生まれたかもしれない。

 

冬眠している怪獣を使って動物園的なものを作る「カネナリ怪獣パーク」のプロジェクトを知ったコウセイは「怪獣を見世物にして商売するつもりなんですか?」と金成社長に詰め寄り、ここから「万全な対策を取っている」と言う金成社長と「未知の生物である怪獣は管理出来ない」と言うコウセイが対立する事になる。
ウルトラシリーズは基本的にお金儲けを否定しているので今回の金成社長の言動も肯定出来ない流れになっているが、最終回で提示された怪獣との共存を考えると実は「怪獣は管理出来ない」と言うコウセイの主張より「万全な対策を取れば怪獣を駆除しなくても済むようになる」と言う金成社長の主張の方が正しかった事になる。
個人的にはお金儲けは全否定されるものではないと思う。怪獣を保護して人類と共存させるのに「人間以外の存在とも仲良くするべき」「戦うだけを考えてはいけない」と言う綺麗事だけでは難しいところがある。金成社長のように怪獣の存在を経済の中に組み込んで利益を得られる仕組みを作る事が出来たら様々な企業や団体が参加して怪獣が問答無用に駆除される流れは確実に変わるであろう。あまり子供に向かってお金お金と言いたくないと言う気持ちは分かるが、経済活動を除外して世の中の変化を描くのは絵空事過ぎないかなと自分は思っている。

 

『オメガ』のテーマの一つに「やりたい事をやる」があるが、金成社長がインタビューで答えていた「我慢をしたくない」も「やりたい事をやる」だと言える。
そう考えると金成社長は「カゼになる」に登場したオオカミ君と同じく「「やりたい事をやる」を一歩間違えたらこうなってしまう」を体現した人物だったと言える。

 

金成社長と考えが合わなかったのは分かるが、金成社長に関するものにまで文句を言い続けるコウセイは見ていてあまり気持ちの良いものではなかった。でも、そこからグビラが目覚めて金成社長が危機に陥ったら何の迷いも無く助けに行く事が出来るのがコウセイの良いところ。
そして金成社長もコウセイやオメガに助けられたら素直にお礼を述べたり、コウセイの行動に感化されて自分も他の人を助けに行くようになったりするのが良かった。こういう場面が一つあるだけでその人物に対する印象が大きく変わる。

 

これまでのウルトラマンはちょっと頷くだけで色々伝えていたので、かなり分かりやすいジェスチャーを使ってコウセイ達に色々伝えようとするオメガは今までに無いもので面白い。

 

今回の話はソラトの掘り下げ回にもなっている。
影がある仮面ライダーと違って光の巨人であるウルトラマンは品行方正なヒーローが多いが、ソラトは前回の「霧降山の伝説」で他人の分のロコモコまで食べてしまったり今回の話でも勝負に勝ったとは言え朝食のバナナを独り占めしたりと食い意地が張っていた。しかし、今回、金成社長を観察したソラトは「手に入れたいものをただ手に入れる」のではなく「手に入れたバナナをコウセイと分け合って食べる」と言う新たな楽しみ方を覚えたのであった。

 

今回の話は兒玉宣勝さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。
因みに兒玉さんは役者としても活動していて『ギンガ』で産廃業者の木村を演じていた。

 

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