帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「密着! 2人の素顔」

「密着! 2人の素顔」
『ウルトラマンオメガ』第10話
2025年9月13日放送(第10話)
脚本 三好昭央
監督 市野龍一

 

熔鉄怪獣デマーガ
身長 50m
体重 5万5千t
霧ヶ崎市の岬温泉に現れ、その後、左右市の如月温泉に現れた。
口から熔鉄光線を、背中から熔鉄弾を放つ。
肉体そのものが超高温となっていてオメガやトライガロンを苦戦させる。念動力を使うレキネスとは相性が悪く、最後はレキネスカリバーで倒された。

 

物語
映像ディレクターの新川麻希によるソラトとコウセイへの密着取材が始まるが、マキ姉への対応の違いからソラトとコウセイが喧嘩をしてしまう。

 

感想
政府や国立自然研究センターでもまだ調査中で具体的な事が分かっていない怪獣について詳しい知識を持っているソラトとコウセイにマキ姉は関心を抱く。
現実世界で考えたらコロナウイルスが確認されて世界中が右往左往していた時にウイルスに関する細かい知識を持っている若者二人が出てきたとなるので、それならまずこの二人を取材しようと考える人が出てくるのは当然であろう。
アユ姉もソラトが怪獣の知識を持っている事に疑問を抱いてはいたが、あまり他人に深入りするタイプではないので、その辺りはなぁなぁとなっていた。マキ姉はゲストなので出番は今回限りであったが疑問点をズバズバ指摘するキャラは物語を進めるのに効果的なので何度か再登場しても良かったかなと思う。

 

ソラトの正体がバレたらマズいのに誰かに指摘されるまでソラトについての細かい設定を考えず、指摘されたらその場その場で適当な嘘を吐いて誤魔化そうとするコウセイ。正体がバレたらマズいのならその辺りの設定をちゃんと予め考えておかないと……。
マキ姉はそんなコウセイの誤魔化しから生じる矛盾点や不自然さをどんどん指摘していく。コメディ回のゲストなのであまり深掘りされなかったが、個人的にはマキ姉には劇中のツッコミどころを全て指摘して問題を解消していくところまでいってほしかった。

 

今回の舞台は温泉街。
のぼりや看板と言った小物を使って他の回とは違った雰囲気が作り出されていた。

 

今回のソラトとコウセイの喧嘩は「記憶喪失のソラトはごく身近な人間の事しか考える事が出来ない」「コウセイは自分達の知り合いではない人達の中には自分達と敵対する事になる人もいると考えている」と言うズレから生じている。
ソラトはこれまで関わってきた人の多くが善人だったので、自分の正体がバレた時に悪意や敵意を持った人間がやって来る事を考えられないところがある。(これまでの話でソラト=オメガに悪意や敵意を持っていた人間と言えば「カゼになる」のオオカミ君がいるが、ソラトは風邪を引いていたのでオオカミ君と直接会っていない)
一方のコウセイはこれまでの人類の歴史から人外であるソラトの存在が知られたらどういう人達が自分達の前に現れるのかが想像出来てしまう。「何があっても俺達は友達だ」と言うソラトの言葉にコウセイは「分かった。好きにしろ」と答えるが表情や態度を見ると身近な人達との繋がりだけではどうしようも無い事が世の中にはある事を頭に浮かべている事が分かる。

 

マキ姉が語った「実際に被害が起きている地域と起きていない地域とでは意識に差がある」は東日本大震災や熊による被害を身近に感じる岩手県民としてなるほどとなるところがある。
今回はソラトとコウセイの喧嘩が物語のメインだったのだが、この「怪獣が出現するようになった世界での、怪獣が出現した事がある地域と一度も出現していない地域の意識の違い」は面白いテーマだと思うので、これをメインテーマにした話も見てみたかった。

 

デマーガの肉体が超高温なので近接戦のトライガロンでは戦えず念動力を使えるレキネスが活躍するのが上手かった。
『オメガ』はメテオカイジュウのそれぞれの特性をかなり意識した戦いになっている。

 

ゲストであるマキ姉を次回以降も引っ張るわけにはいかないので最後はソラトとコウセイへの密着取材を終えなければいけなかったのは理解出来るが、途中あれだけシリアスな感じで怪獣災害について訴えていたのに最後はオメガの推しになって取材を中断してしまうと言う展開は正直言って納得出来ない。この結末のせいで繰り返し訴えていた怪獣災害を伝える理由もどこまで本気だったのか疑わしくなって、マキ姉と言う人物がかなり薄っぺらくなってしまった。

 

コウセイがアユ姉にソラトの正体を教えていない理由だが、「アユ姉は信じられてもアユ姉の知り合いまでは信じられない」だと思われる。実際、今回はアユ姉経由でマキ姉がソラトとコウセイの密着取材をする事になったし、「怪獣の探しもの」に登場したカミヤ君も悪い人ではないのだが仮にカミヤ君がソラトの秘密を知ったら何かの拍子でポロッと言ってしまいそうな怖さがあるので、そう言ったリスクを考えるとコウセイがアユ姉にもソラトの正体は秘密にしておいた方が良いと判断したのは分かるところがある。

 

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