帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「俺のやりたいこと」

「俺のやりたいこと」
『ウルトラマンオメガ』第12話
2025年9月27日放送(第12話)
脚本 足木淳一郎
監督 武居正能

 

水棲毒獣ドグリド
身長 52m
体重 6万t
新たな個体が出現するがエルドギメラに捕食されてしまった。

 

爆進細胞怪獣エルドギメラ
身長 65m
体重 5万6千t
他の怪獣を捕食する事で遺伝情報を取り込んで増殖するギメラ細胞を持つ。
グライムに続いてドグリドも捕食して形態を変化させた。
ギメラ細胞が受け止められるエネルギーには限界があり、キャパシティを超えると耐えられずに自壊する。レキネスとオメガによって打ち込まれたNDFの対怪獣アンカーからエネルギーを送り込まれてダメージを受けた後、レキネスカリバーコンティニュアスで倒された。
後にアユ姉は「大昔の人達が見たエルドギメラの記録がキマイラの神話として現代に残っているのかもしれない」と考察した。

 

物語
エルドギメラとの戦いから回復したソラトは太陽倉庫から出て行く事を決める。
ショックを受けて飛び出したコウセイは謎の女性と出会って怪獣の調査に付き合わされる事になる。
一方、アユ姉はエルドギメラへの対策を考えていく。

 

感想
自分の存在がコウセイに無理をさせていたと考えたソラトは太陽倉庫から出て行く事を決める。
コウセイは謎の女性との調査でも途中からやる気を出して前のめりになる場面がある。
実はこれまでの『オメガ』を見ていると「地球の常識を持っていないソラトが暴走して、それを常識人のコウセイがブレーキをかける」みたいな印象を抱くが実はコウセイの方がブレーキが利かないところがあって、ソラトが地球の常識を身に付けると「コウセイが調子に乗って暴走して、それを怪獣の気配等を察知出来るソラトがブレーキをかける」と言う逆転現象が起きた。

 

エルドギメラは他の怪獣を捕食して遺伝情報ごと会得する怪獣であった。
『オメガ』は「食べる」シーンが非常に多く、ソラトだけでなくコウセイやアユ姉も何かしら食べている場面がある。そしてそんな人間をも捕食する存在としてこれまでテリジラスのような怪獣が登場していたが、ここに来てそんな怪獣をも捕食する食物連鎖の頂点に位置する存在としてエルドギメラが登場した。

 

突然現れた謎の女性の荷物持ちをする事になって、そのまま怪獣の調査に付き合わされる事になったコウセイ。
ソラトとのやりとりもだが、コウセイって何かに振り回される巻き込まれる体質なんだろうなぁ。

 

捕食した怪獣の遺伝情報を得るエルドギメラの存在は実在の生物では類似するものはおらず、一番近いのはギリシャ神話の怪物キマイラであった。
「キマイラ」を元に「エルドギメラ」が名付けられたのかなと思ったが、政府がこの名称を発表したのはアユ姉がキマイラとの類似性を考える前であった。アユ姉が手にしたキマイラの絵が描かれた本は遺伝子組み換えを扱ったものだったので、国立自然研究センターにエルドギメラは何者かが遺伝子組み換えで作り出した存在ではないかと考えた人がいたと言う事なのかな。

 

コウセイ「俺、やりたい事ずっと探していたんです。それで最近見付かったような気がして……。自分では上手くやれてたような気がしていたけど、調子乗って、失敗しちゃって……。自分がやりたかった事って何だったのか分からなくなってきたって言うか……」、
謎の女性「私だったら失敗しようが何しようがやらずにはいられないけどね。やりたい事ってのはそういうもんでしょ? 誰だって間違える事はあるよ。そのまま逃げるか挽回するか、決められるのは自分だけ。何故君がそれをやりたいと思ったか、大事なのはそこじゃない?」。
ソラトは最近のコウセイは無理をして自分と一緒に戦っていると考えたが、実はそうではなくてコウセイは自分がやりたいと思ったからソラトと一緒に戦っていたのであった。(そしてちょっと調子に乗って暴走してしまった)

 

今回登場した謎の女性の正体はアユ姉の恩師でもあるウタ・サユキ。
実はウタのキャラクターは「爪痕の謎を追え」に登場したオオヤさんに近いところがある。
オオヤさんはコウセイが「やりたい事を見付ける」のを手助けする存在であったが、今回のウタはコウセイが「やりたかった事を続ける」のを手助けする存在となっている。

 

エルドギメラの特性を分析してその対策まで考案したアユ姉。それに対してタイラ隊長は「あなたの熱意に敬意を表します」と告げる。
タイラ隊長は前回の「グライム再び」で「必要なのは能力と熱意」と言っていたので、前回と今回のタイラ隊長の対応からアユ姉はキャリアは無くとも能力は既に十分あって残るは熱意だけであった事が分かる。

 

NDFは開発中の対怪獣アンカーをエルドギメラに打ち込んでエネルギーを送り込む。
タイラ「出力を上げろ!」、
部下「これ以上はもちません!」、
タイラ「まだだ! もたせろ」。
昔の作品のように限界以上に出力を上げて装置が壊れてしまう事は無かったが、それでも昔の作品を思い出すやりとりが聞けて思わずニヤリとなった。

 

エルドギメラの攻撃からオメガがNDFを守ってそのまま反撃するまでをワンカットで見せた場面が良かった。これによってオメガが人々を守る存在である事が絵でしっかりと見せられた。

 

外れてしまったNDFの対怪獣アンカーをレキネスの念動力で再びエルドギメラに刺してNDFの作戦を再開させる展開が見事。ちゃんとコウセイがいたから形勢逆転出来たと言う形になっているのが良かった。

 

コウセイがメテオカイジュウを使っているところを見てしまったアユ姉。
まぁ、この時点でのソラトとコウセイは特別チームに所属していないし『ガイア』のPALのような秘密を守るのを手伝ってくれる存在もいないので遅かれ早かれ秘密はバレていたと思う。今までは運が良かっただけで。

 

序盤の頃は地球の常識が分からなかったソラトが「ごちそうさま」と言う感謝の言葉をしっかりと口にする。ソラトにこのような常識を身に付けさせたのはおそらくコウセイであろう。そしてソラトがコウセイから常識を学んだと言う事はソラトはコウセイの言う事は正しいと思っている事を示している。
今回の前後編でソラトはコウセイが正しさから外れていった事を感じ、普段は正しいコウセイがそこから外れるようになった原因は自分の存在にあると考えてコウセイから離れる事を決断する。だからこそ、最後にコウセイが正しいところへと戻ってこれたのを知ってソラトも再びコウセイと一緒にいる事を選ぶ事が出来た。
因みにソラトはコウセイのどのようなところを「正しい」と思ったかだが、おそらくそれは「優しいところ」であろう。今回の前後編はコウセイの気持ちを分かりやすく描いているが、一方でソラトがコウセイの「優しい」をどれだけ大事にしているかも示していた話であった。

 

エルドギメラとの決戦で使われた挿入歌はAshさんとMindaRynさんによる『アンブレイカブル』。ヒーロー作品らしい盛り上がる曲となっている。

 

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