帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪特隊特務斑」

「怪特隊特務斑」
『ウルトラマンオメガ』第16話
2025年10月25日放送(第16話)
脚本 足木淳一郎
監督 越知靖

 

深海怪獣キングアリゲトータス
身長 2~45m
体重 250kg~2万8千t
静岡県の湾岸で立て続けに目撃された正体不明の生物。
海の魚が少なくなったので食料を求めて陸に上がった。
アリゲトータスの上位種で、自分の意思で体温を操作して体の大きさを変える事が出来る。
粘液で全身がヌルヌルしていて物理攻撃を避ける事が出来る。
ヴァルジェネスアーマーのヴァルジェネスハルバードフリージングで体温を下げられて体の大きさを元に戻されるとアユムにスタンガンカートリッジを撃ち込まれて気絶し、最後は怪特隊本部で保護・研究扱いとなった。

 

物語
「怪特隊」が本格的に始動する事となった。
「ウタ斑」に所属する事になったソラト・コウセイ・アユ姉の3人は正体不明の生物が目撃された加工工場を調査する事になる。

 

感想
第10話までは「ソラト&コウセイとアユ姉とゲスト」の形で様々なエピソードが積み重ねられていったが、第11話から今回の第16話までは怪特隊結成に至る一つの長いエピソードが展開された。

 

「怪獣特別対策隊、通称・怪特隊。国土防災省に本部を置き、日本全土を九つのエリアに分けたAからIまでの実働斑を持つ。その任務は怪獣の痕跡の調査やあらゆる分野での研究、そしてNDFと連携した具体的な対策案の構築など多岐に亘る。怪特隊は怪獣の被害から社会を守る人類の砦なのである」。
いよいよ怪特隊が始動。怪特隊は調査を担当して攻撃はNDFが担当するわけだが、この「調査の組織と攻撃の組織が分けられている」は前作『アーク』の他に『シン・ウルトラマン』でも見られた。主人公の所属組織が大型兵器を持たない調査チームになるのは製作にかけられる予算の問題もあると思われるが、少数精鋭で怪獣の調査から撃退まで全て担当するのは現実的に考えて無理があると言うリアリティラインの問題もあると思われる。

 

サユキはオオヤさんの許可を得て太陽倉庫を自分の拠点にすると、エリアに関わらずサユキ個人の判断で出動できる独立斑(ウタ斑)にアユ姉だけでなく自分の個人的なアシスタントと言う形でソラトとコウセイも招き入れ、ソラトが住民票と履歴書を用意出来ない事を知ると「手伝ってくれるのなら提出しなくても良い」と融通してまでソラトを怪特隊に加えた。
このようにサユキがソラトとコウセイを特別扱いするのは二人がオメガやメテオカイジュウと関係していると推測しているから。太陽倉庫を自分の拠点にしてソラトとコウセイを怪特隊に加える事でサユキはソラトとコウセイの行動を常に把握出来る環境を作り上げたのであった。

 

ソラトが調査チームである怪特隊への参加を「面白そう」と言ったり、住民票と履歴書の提出を誤魔化す為に「お役所仕事とか面倒臭そうだし」と言い訳するところは宇宙観測隊の設定を頭に入れて見ると思わず笑ってしまう。

 

「怪特隊は世界規模の防衛組織のテストも兼ねているから」。
ここで語られる「世界規模の防衛組織」とは最終回に登場する「怪獣科学特別捜査隊」の事。
全2クールだとゴールを見据えて物語を展開出来るのか、ニュージェネレーションシリーズは他のシリーズに比べて最終回の伏線となる要素が途中の話に散りばめられている事が多い。

 

ソラトとコウセイは怪特隊と太陽倉庫の業務を兼務する事に。
『80』でウルトラマンと特別チームと他の仕事の三足のわらじは大変だと散々描かれた。コウセイはウルトラマンに変身はしないがメテオカイジュウを使って怪獣と戦うと体力を消耗してしまうので大変さはウルトラマンであるソラトと同じと考えて良いだろう。ウルトラマンでも大変な三足のわらじを人間であるコウセイが課せられてしまうのはさすがに気の毒。

 

まだ準備が終わっていないのに怪獣事件の調査に向かう事になったコウセイ達。
コウセイ「まだ何にも説明とか受けてないんですけど?」、
サユキ「怪獣がこちらの事情を汲んでくれると思うか!」。
入隊が決まったら上司の厳しさがちょっと増すところがリアルだなぁ。

 

お揃いのユニフォームに怪獣探知機のKモニターに通信インカムに対象に電極を打ち込んで感電させるスタンガンカートリッジに移動手段のライトビートルと当初は『Q』の形に近かった『オメガ』が一気に『初代マン』に近い形になった。
昭和の頃は視聴率等の関係でテコ入れがされて当初の世界観がブレる事もあったが『オメガ』の怪特隊は当初の世界観を上手く発展させた設定追加であった。

 

俺と宇宙人と学者さん」ではアユ姉が怪獣出現を訴えてもダムの職員は話を聞いてくれなかったが今回は怪特隊である事を証明すると障害無く怪獣の調査を行えるようになった。
こうして見るとやはり『初代マン』の「科特隊」は限られた時間で物語をスムーズに進める為に有効な設定だった事が分かる。

 

今回はゲストメインの話ではなかったが、怪獣の目撃者達は表情や喋り方に少しクセがあって『オメガ』のゲストらしいキャラ付けがされていた。

 

ソラトの変身とコウセイのトライガロン出撃をW変身のように描いたのが実に格好良かった。
仮面ライダーやスーパー戦隊と違ってウルトラシリーズはヒーローが複数登場する事が珍しいのだが、『オメガ』ではメテオカイジュウを使う人物をウルトラマンではないコウセイにする事でヒーローを複数にする事が出来た。

 

オメガ&トライガロンとキングアリゲトータスの戦いは何故かギャグになっていた。
トライガロンでは事態を打開出来ず、その後に出されたヴァルジェネスがキングアリゲトータスの巨大化を解除したと言う流れだったので、トライガロンが弱いと言う印象にならないように戦いをギャグにしてオメガを乗せて走ったり水が苦手だったりとコミカルなイメージを付けて誤魔化したのかな?

 

キングアリゲトータスはキングゲスラの改造となっているが、実は『初代マン』の「沿岸警備命令」に登場した初代ゲスラはピーター(アリゲトータス)の改造だったりする。

 

メテオカイジュウが三体揃ったわけだが、自分の体温を上げて巨大化したキングアリゲトータスを小さくする為に四大元素を使えるヴァルジェネスが選ばれると言ったようにそのメテオカイジュウを使う事になった理由がちゃんと描かれているのが嬉しい。

 

いよいよ怪特隊の「ウタ斑」が本格始動したわけだが、ソラトは人間大の怪獣相手でも巨大怪獣相手でも活躍して、コウセイはメテオカイジュウを使ってキングアリゲトータスを小さくする事に成功するなど巨大怪獣相手に活躍して、アユ姉は工場に隠れているキングアリゲトータスの発見に向けて指揮を執ったり最後にコウセイを襲うキングアリゲトータスに対してスタンガンカートリッジの使用を的確に行うなど人間大の怪獣相手に活躍すると3人のそれぞれの長所が示される形となった。
最後にソラトとコウセイとアユ姉が拳を合わせてこのチームで頑張っていく事を誓うが、それぞれの長所を組み合わせたらどのような怪獣事件が起きても解決出来るであろうバランスの良さを今回の初出動で見せてくれた。

 

サユキはソラトとコウセイとアユ姉だけでなくオメガの姿も見ながら「面白いチームになりそうだねぇ」と呟く。
基本的にウルトラシリーズは主人公側であるウルトラマンと特別チームは序盤から対立する事が殆ど無いので特別チームの隊長はかなり早い段階でウルトラマンは人類の敵ではないと判断する事になるのだが、『オメガ』は怪特隊の始動が中盤となっているので、サユキは怪特隊が始動するまでの15話をかけてオメガが人類の敵ではないと目処を付ける事が出来た。

 

imagination.m-78.jp