帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズとゴジラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「風花」

「風花」
『ウルトラマンオメガ』第17話
2025年11月8日放送(第17話)
脚本 吉上亮
監督 越知靖

 

地底怪獣パゴス
身長 30m
体重 2万t
NDFの「対怪獣試作徹甲弾」によって倒されたが傷口から現れた粘菌が全身を覆うと活動を再開した。

 

古代粘菌怪獣エドマフィラ
身長 39m
体重 2万3千t
怪獣の死骸に取り付くとどんな攻撃でも倒せないので1000万年前の地球で猛威を振るった粘菌。
地球の生態系を根本から壊すところであったが氷期の到来によって怪獣ごと凍ってしまった。しかし、北海道の晃雪山にある永久凍土の中にあった古代怪獣の牙にまだ休眠中の粘菌が残っていて、古代怪獣の牙が対怪獣試作徹甲弾の芯鉄に使われてパゴスに撃ち込まれた事で粘菌がパゴスの死骸に取り付いて動かすようになった。
「増殖」が目的で、パゴスの死骸を使ってグライムの死骸が保管されている研究所を目指した。
ダメージを受けても粘液で傷を修復する事が出来る。
「乾燥」と「凍結」が弱点で、ヴァルジェネスハルバードハリケーンで乾燥させられた後、ヴァルジェネスハルバードフリージングで凍結させられ、そのままあらゆる水分が奪われて全てが凍り付く宇宙空間へと運ばれた。

 

物語
NDFは新兵器の「対怪獣試作徹甲弾」で怪獣パゴスを倒すが、死体から謎の粘菌が現れたパゴスは活動を再開する。
死んでいるはずのパゴスが動き出した理由は一体何か?

 

感想
『オメガ』の第11話から第16話までは新設定や新キャラが次々と登場する怒濤の展開であったが、今回の第17話からは怪特隊が様々な事件に立ち向かうと言う従来のウルトラシリーズに近い話が積み重ねられていく。

 

倒されたはずのパゴスが活動を再開した理由を突き止められなかったアユ姉は「すみません。力が及ばず……」と謝罪するが、タイラ隊長は「怪獣は未知の生物だ。怪特隊の解析が頼りです」と返して怪特隊を責めるような事はしなかった。
ウルトラシリーズでは横暴な軍が登場する事が度々あるが、彼らが横暴な態度を取れるのは彼らなりに怪獣を解析して自分達の手で怪獣を倒せると言う自信があったからで、まだ怪獣について分からない事ばかりで自分達の手で怪獣を倒せると言う保証も無い『オメガ』のNDFは横暴にならず必死に怪獣に対処し続けるのであった。

 

第1クールでは怪獣についてコウセイが質問してソラトが断片的な記憶を取り戻して答えると言う形が多かったが、今回の話では怪獣についてコウセイが素人ならではの素直な意見を述べて、それに対してソラトとアユ姉とサユキが自分達の持っている知識を出して答えを探していく形となっている。
ソラトは記憶喪失で万全の状態ではないのだが、それでもウルトラマンと地球人が同じレベルで議論を交わして答えに辿り着いていくと言う構図が良かった。

 

アユ姉は「グライム再び」等で自分に自信が無くて意見を述べるのを躊躇するところがあったが、「急な寒波に御用心」でソラトの記憶喪失の件を警察に報告していなかったコウセイを注意したり「霧降山の伝説」で騒ぎ続けるゴーストライダーズを叱ったりする姿を見ると本来は自分の中に軸をしっかりと持っていて気も強い人物だと思われる。おそらくはしっかりしているが故に高いレベルが求められる怪獣対策チームで自分が役に立てるのか足を引っ張らないかと考えてしまって「グライム再び」で見られた自信があまり無い感じになってしまったのだろう。しかし、今は怪特隊で頑張ると心に決めたので今回のアユ姉は全ての場面で意見をしっかりと述べて判断も速くてと実に頼りになる存在となっていた。

 

タイラ隊長の「やるべき事はやる」と言う言葉にグッときたコウセイ。
NDFのタイラ隊長の言葉でアユ姉やコウセイが成長していくのが良い。
ウルトラシリーズでは主人公が所属していない組織の扱いがイマイチだったりする事があるが、組織は違っても人々を守ろうとする気持ちは同じだと思うので、NDFのタイラ隊長のように主人公が所属する組織でなくても立派な人物を出してほしい。

 

1000万年前の地球でエドマフィラが猛威を振るっていたと言うソラトの説明を聞いたサユキは「まるで見てきたように詳しいね?」と尋ね、それについてソラトは「実際に見たわけじゃなくて記録で……」と答える。
これによってオメガは実際に見る他に記録を通して知識を得ていた事が示された。おそらくだがこれらの記録を収集していたのが『ニュージェネレーションスターズ』に登場するガメドンであろう。

 

エドマフィラの粘菌を止めるにはただ凍結させるのではなくて水分を奪って乾燥させなければいけないとしてヴァルジェネスの自然を操る能力が決め手となる。
何度か書いているがちゃんとメテオカイジュウが活躍できる展開になっているが嬉しい。

 

エドマフィラの事件が解決した後、研究中の試作徹甲弾は全て解体され、発掘された古代怪獣の牙や骨も厳重な封印がされる事となった。
問題が起きたらすぐに武器を解体して怪獣の牙も封印するとは「立派」だと思うが、上に書いたように『オメガ』のNDFは自分達の今の戦力では怪獣を倒せない事が分かっているので、倒したはずの怪獣がゾンビのように動いてしまうエドマフィラが潜んでいる武器の解体・封印は「当然」であった。(でも、意外とヒーロー作品ってこの「当然」の事をしなかったりする)

 

タイラ「自分達は人間だけで怪獣に対抗出来る術を求めた。ですが、その結果、自ら怪獣を生み出してしまいました」、
サユキ「だとしても人間が自分の手で自らを守ろうと努力する事は間違いじゃない。これからも怪特隊を助けてくれる?」、
タイラ「もちろんです」。
ウルトラシリーズで怪獣や宇宙人の力を地球人が使おうとするとろくでもない事が起きて今回もパゴスの死体をエドマフィラに操られる事になった。これまでの作品だったら怪獣の牙を武器に利用しようとする人間は愚かで悪い人物として描かれる事が多かったが今回はNDFやタイラ隊長をそのように描く事はしなかった。
『オメガ』は怪獣が出現するようになってまだ数ヶ月なので、この短期間で軍が未知の存在である怪獣を撃破出来る武器を開発する為には未知の存在である怪獣の力を利用しないと難しいところがある。今回のような不測の事態が起きる恐れはあるが一刻も早く怪獣の被害から人々を守る為には未知のものにも手を出さなくてはいけないと言う厳しい状況があった。

 

「怪獣博士と怪獣使い。やっぱり二人は良いコンビだね!」。
実はサユキはゾヴァラスの時にこっそりと調査ドローンを飛ばしていて、コウセイを怪特隊に招いたのも彼の秘密を守る為であった。
まぁ、コウセイは怪獣が暴れている近くでメテオカイジュウを出撃させていたので怪獣が出現した時に周辺を調査する人がいたらバレてしまうよね。
第1クールでコウセイは自分やソラトの存在がバレたら大変な事になると心配していたがバレた相手がアユ姉とサユキで本当に良かった。これが違う人であったら第11話以降の展開は全く違うものになっていた恐れがあった。

 

コウセイ「よし! これからは全然俺を使ってください!」、
サユキ「NO! むしろ逆だよ、あの力は最後の最後の頼みの綱。軽はずみに使っちゃ駄目。地球は地球人の力で守らないと」。
そう言ってサユキはソラトの方に目を向けるのであった。
コウセイはメテオカイジュウにすっかり気を許しているが実はオメガが記憶喪失で全てが明らかになっていない状態なのでオメガもメテオカイジュウも今回発掘された怪獣の牙と同じ「人類にとって未知の強大な力」だったりする。今はメテオカイジュウの力を使わないと怪獣を倒す事が難しい状況であるがサユキとしてはまだ謎が多い未知の力を当てにする事は危険であると判断したのだと思われる。

 

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