「バロッサの家」
『ウルトラマンオメガ』第18話
2025年11月15日放送(第18話)
脚本 中野貴雄
監督 田口清隆
海賊宇宙人バロッサ星人(五代目)
身長 2~53m
体重 100kg~2万5千t
名前は「ザーゴン」で、はるばる遠い宇宙からやって来た。
フィギュアの収集癖があり、「略奪こそが我が掟。全宇宙のお宝は俺様の物だ!」と宣言して、ダダの縮小光線銃でソラトを縮小し、掌の渦巻きでコウセイを拉致した。
モルフォ蝶の鱗粉で巨大化し、オニオンの金棒を振り回して戦う。
最後は母親に叱られてソラト達から手を引く事になる。
海賊宇宙人バロッサ星人(六代目)
身長 170cm
体重 70kg
ザーゴンの妹で名前は「ギルダ」。
バロッサ星人の姿を「醜い」と考えていて、地球人のお姫様の姿に変身している。
地球から360光年離れた惑星H-4126から地球人を観察していて、勇敢な騎士と囚われのお姫様の話に感動する。
着せ替え人形の収集癖があり、地球人がまもなく滅びるので美しい個体だけでも救おうとコウセイを連れ去った。
兄の事を「宇宙で一番野蛮で残酷な略奪者」「粗暴で雑な性格」と評するが最後は兄の命を助けてほしいとオメガに懇願する。
海賊宇宙人バロッサ星人(母)
身長 2m
体重 120kg
ザーゴンとギルダの母親で、懲りずに人間を飼おうとした子供達を叱り、後日、太陽倉庫に謝罪に来る。
移動手段にブルトンを使用している。
物語
メテオカイジュウの特訓に出かけたソラトとコウセイは謎の宇宙人にさらわれてしまう。
果たして二人をさらった宇宙人の正体と目的は一体……?
感想
「今出来る事にベストを尽くしたいんだ」と言ってコウセイはメテオカイジュウの特訓を行うがソラトに「力が入りすぎて空回りしている」と言われてしまう。
どうもコウセイは何かをやると決めたら自分の限界を超えて頑張ってしまうところがある。前回の「風花」でコウセイの「これからは全然俺を使ってください!」をサユキが却下したのは「地球は地球人の力で守らないといけない」の他に「コウセイが無理をしてしまう」も理由にあったと思われる。
冒頭のオメガとレキネスの稽古は逆水平チョップやモンゴリアンチョップが繰り出されてプロレスのような始まりであった。
ムツゴロウさんのようにオメガに可愛がられるトライガロン。すっかり和みペット枠になっちゃって。
『オメガ』は宇宙人の登場が少ないが、今回の話ではバロッサ星人が登場して、彼らが使うアイテムとしてダダの縮小光線銃、ザラブ星人の宇宙語翻訳機、ヒッポリト星人のヒッポリトタール、シャプレー星人のメタル、オニオンの金棒等が登場して『オメガ』の宇宙にも様々な宇宙人がいる事が示された。(ただし、バロッサ星人が移動にブルトンを使用しているので実は彼らは『オメガ』の宇宙とは別の世界から来た可能性もある)
バロッサ星人が使うアイテムの中で変身ステッキの元々の所有者である「ビビデバ星人」だけはこれまでのウルトラシリーズに登場していない。
よく考えたら宇宙には様々な宇宙人がいるので、視聴者が既に知っている宇宙人以外の宇宙人が存在していて、その宇宙人の名前をバロッサ星人が出しても問題は無い。
今回のビビデバ星人の変身ステッキのようにこれまで登場していない宇宙人の名前を持ち出せばこれまで使われた事が無いアイテムを出す事が出来ると言うのはなるほどであった。
ところで「ビビデバ星人」の名前の由来は「ビビディ・バビディ・ブー」かな。
今回はメインストーリーとは別のギャグ回に見えるが、「地球文明に危機が迫っている」「この星の人間はまもなく滅びる」「たとえ滅びゆく種族でも人間は仲間と一緒にいるのが幸せ」と『オメガ』終盤のメインストーリーに関わる台詞がいくつかある。
平成ウルトラシリーズ辺りから作品全体に亘って展開される大きなストーリーや謎が組み込まれるようになったが、『ダイナ』や『コスモス』の頃はメインストーリーとそれ以外の話がはっきりと分けられていたところがあったのに対してニュージェネレーションシリーズは殆どの全ての話にメインストーリーに関わる何かが組み込まれるようになった。おそらくだが今回の話を『ティガ』や『ダイナ』の頃に作っていたらバロッサ星人の台詞から「地球人に滅亡の危機が迫っている」等が外されて完全にメインストーリーとは無関係の話になっていた可能性がある。
ニュージェネレーションシリーズは新しい解釈の宇宙人が登場するようになって自由度が増したところがあるが、一方で殆ど全ての話がメインストーリーと何らかの関わりがあるようになったので自由度が失われたと感じるところもある。
映し方が良かったのもあるが今回の舞台となった洋館の雰囲気が素晴らしくて良かった。
ギルダは昔から地球を観察していて、その中でも勇敢な騎士と囚われのお姫様の話が好きらしい。ギルダはバロッサ星人の姿を「醜い」と考えて地球人に変身するようになったが、ひょっとしたら360年前の地球にギルダの姿のモデルになった地球人のお姫様がいたのかな?
縮小されたコウセイから見たら人間大のアユ姉とギルダの取っ組み合いが巨人同士の戦いになると言う場面が面白かった。
ザーゴンの命令では動かなかったメテオカイジュウ達がコウセイの「そいつらはな、お前の物でもないしフィギュアでもない! 俺の友達なんだ!」の言葉で動いた事で彼らがコウセイのどこに惹かれたのかが分かる。
今回はちっちゃい状態ではあるがメテオカイジュウ三体揃い踏みの戦いが見られる。
ウルトラシリーズのような怪獣作品だと登場するキャラクターも巨大なものが多くなるが、たまにはこういう「ちっちゃいもの」を使った話も面白いので見たい。
巨大化したバロッサ星人に追われる中で自分達を落っことしてしまったコウセイに向かって怒るちっちゃいメテオカイジュウ達が可愛い。
予算やスケジュールの関係で難しいと思うが、正直言って、こういう場面をもっと見たかった。
バロッサの家の中での戦いではレキネスの念動力がバロッサ星人を操って形勢を逆転させ、屋外の戦いではトライガロンの素早さがバロッサ星人を翻弄して形勢を逆転させ、最後はヴァルジェネスが勝敗を決しようとすると今回もメテオカイジュウそれぞれに活躍があった。
母「あなた達! また人間を拾ったりこようとして。ウチでは飼えないと言ったでしょ!」、
ギルダ「ちゃんとお世話をするから!」。
今回はギャグ編ではあるが、バロッサ星人は人間を自分達と対等の存在であるとは全く思っていない事が端々から見えて、深く考えていくとちょっと怖くなるところがあった。
バロッサ星人の母がお詫びに持ってきた「マンダリン草饅頭」はメチャクチャ美味しいが地球人は食べない方が良いらしい。まぁ、『T』の「出た! メフィラス星人だ!」を見ると地球人にはリスクが大きい食べ物かな?
エンディングに入った後もドラマが続くのは平成ウルトラシリーズを思い出す。
平成ウルトラシリーズで好きな演出だったので、このパターンの話も増やしていってほしい。