「第二覚醒」
『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』第7話
2009年1月31日放送(第7話)
脚本 荒木憲一
監督 梶研吾
原始怪鳥リトラ(S)
身長 15m
体重 1万t
ペダン星人のUFOの襲撃からスペースペンドラゴンを守る為に現れた。
その後、ゴモラと力を合わせてタイラント撃破に貢献する。
アタック:1100 ディフェンス:800 スピード:1700 必殺技:ファイヤーストライク
宇宙怪獣エレキング
身長 20cm~53m
体重 500g~1万5千t
前回の敗北で消滅し、命をバトルナイザーに回収された。
断末魔の際に自らリンクを切った事でレイの命を救ったとケイトに説明され、タイラントへのリベンジを果たしたレイに感謝の気持ちを掛けられた。
アタック:1300 ディフェンス:900 スピード:700 必殺技:放電光線
暴君怪獣タイラント
身長 62m
体重 5万7千t
ゴモラと再戦するが第二覚醒したレイには敵わず、最後はゴモラとリトラの連続攻撃に敗れ去った。
アタック:1400 ディフェンス:600 スピード:700 必殺技:火炎放射
物語
グランデとの戦いに敗れて生死の境を彷徨うレイ。
絶望に打ちひしがれるZAPクルーの前にケイトが現れ、レイ復活の方法を授ける。
感想
グランデに敗れたレイが復活して第二覚醒によるパワーアップを果たす。
リベンジ戦は激しい動きを見せるゴモラが前回は手も足も出なかったタイラントを追い詰め、おまけに主題歌がかかる中で勝利すると燃え要素満載で見ていて盛り上がる!
レイを回収したZAPクルーはスペースペンドラゴンで惑星ハマーを脱出。
そこに精神体となったケイトが現れ、レイがまだ生きている事を告げる。
エレキングが自らリンクを切った事でレイは命を取り留めたが、衝撃によってその命はバトルナイザーに回収されている。レイを甦らせるにはグランデとの戦いで失われたバトルナイザーを回収する必要があった。
「まだ希望はある。今ならまだ弟を、レイモンを甦らせる事が出来る!」「急げ! レイモンを助ける事が出来るのはお前達だけだ!」。
上から目線の命令口調であるが、要は「大切な弟を早く助けてほしい!」と言う事。
ようやく脱出した怪獣惑星に再び降り立つのか。
ここでボスより先にハルナ、クマノ、オキの3人が惑星ハマーに戻る事を進言している。
レイのドラマはボスとの関係に依っていたところが多かったが、ここでこれまでの細かい描写の積み重ねを生かしてレイと他3人の関係も構築していったのが上手かった。
怪獣の死がレイオニクスの最期なので、本来ならエレキングが消滅した時にレイも消滅するはずだったのだが、エレキングが断末魔の際に自らリンクを切った事でレイの命は救われた。
オキも言っているが何て健気な奴なんだ……。タイラントとの戦いでもスペースペンドラゴンを庇っていたし。
そう言えば、エレキングは使役される怪獣としてウルトラシリーズに何度か登場しているが、そのどれもが使い主に対して健気で忠実であった。この辺りは「ポインター」と言う犬をモデルにしたのが関係しているのだろうか?
これまで真のレイオニクスバトルに敗れながらも生き延びたレイオニクスがいたのはこのリンク切りが理由だったと思われる。
勝利を重ねるグランデの前にもケイトは現れて「私の弟を甘く見るな」と忠告。その後、グランデの「スッゲー、ベッピン」をスルーして姿を消す。
この場面、可愛い弟を倒した相手に対するリベンジ宣言以外の何物でもない。
バトルナイザーの中に回収されたレイとエレキングの魂。何となく怪獣墓場を思わせる雰囲気。
そこに現れたケイトは「お前には、あの声が聞こえないのか? お前を呼ぶあの声が。そう、仲間が……」と告げ、その言葉でレイは仲間達の声に気付く。
ケイトはZAPクルーに向かって「レイモンが全てのレイオニクスを倒し、レイブラッドの後継者として全宇宙を支配する。それが私の望みだ」と言っていたが、この場面を見る限り、既にケイトはその望みを捨てていて、今はレイが仲間達と共にいる事を望んでいるように思える。
言ってしまえば今回のケイトは「やはり弟思いの姉さんでした」だった。
復活したレイに合わせてバトルナイザーがネオバトルナイザーへと変化。第二覚醒が始まる。
この時にレイが召喚したゴモラのパラメータに変化は無かったが前回は手も足も出なかったタイラントに勝利している。使役するレイオニクス自身の能力が向上すれば、それが怪獣にも影響を及ぼすようだ。
タイラントが敗れて死んだと思われたグランデだったが生きていた。タイラントが消滅する前に自分からリンクを切ったとの事。ここがレイとの決定的な違い。
グランデは「レイ! 美人のねーちゃんに免じて今日はお前に花を持たせてやる。だがな! 今度会う時は紹介しろ、お前のねーちゃん! 約束したぞ!」と勝手に約束して去って行ってしまった。
「地球に帰ろう」と言うボスにレイはこの惑星ハマーに残る事を伝える。レイブラッド星人の復活を阻止する為と言うのが理由。
これまで大きな目的が無く、怪獣を見たらただ応戦していたレイがここに来て遂に目的を定めた。ここですかさずボスが「平和の為に戦う」とこれまで私闘だったレイの戦いを正義の戦いへとスムーズに変えたのが上手い。
レイの宣言を聞いてハルナ、クマノ、オキも惑星ハマーに残る事を告げる。
レイを甦らせる為に惑星ハマーに戻る事を進言する場面といい、今回はレイの事を思うZAPクルーのキャラクターが確立していて良かった。こういう人間関係の変化こそ物語の醍醐味の一つと言える。
「お前は俺達の大切な仲間だ。地球に帰る時はお前も一緒だ」。