「人間牧場」
『ウルトラセブン』制作第22話
1968年3月3日放送(第22話)
脚本 山浦弘靖
監督 鈴木俊継
特殊技術 大木淳
宇宙怪人ブラコ星人
身長 2m
体重 170kg
世界各地で様々な生物をさらい、自分達の食料である赤い胞子を繁殖させようとしていた。実験の結果、女性ホルモンが最も適している事を知り、全ての女性を人間牧場にしようとした。
怪力の持ち主。円盤は捕獲光線を使う。
極東基地に侵入した個体はキリヤマ隊長にウルトラガンで倒され、円盤群はウルトラホーク1号に全滅させられた。その後、赤い胞子は土星の鉱石から採取されるα73で除去された。
物語
アンヌ隊員の友人ルリ子が行方不明になった。
しばらくして発見された彼女の腕には謎の赤い胞子が付いていた。
感想
「アブダクション」「キャトルミューティレーション」「宇宙人解剖」とグレイ型宇宙人を思わせる要素がある話。
「地球を我々の物にする!」と漠然とした目的だけ述べる宇宙人が多い中、ブラコ星人は食糧の確保と言う具体的な目的が語られているのが特徴。
ポインター空を飛ぶ!
ハイドランジャーを持って来るには時間がかかりすぎるので、すぐに調査を開始できるこの装置はさすがウルトラ警備隊と言える。でも、残念ながら円盤は発見できなかったので、次からはソナーも付けてほしい。
ブラコ星人がいきなりメディカルセンターに現れたのには驚いた。どこから入ってきたのだろう?
「緑の恐怖」と違って今回はパラライザーを持っていなかったのでアンヌ隊員は襲われて赤い胞子を植え付けられてしまった。
「非常手段だ!」と叫んでウルトラホーク3号で特攻するダン。
ウルトラシリーズでは戦闘機に乗った主人公が墜落した直後に変身する事があるがダンはそれをわざとやる事で時間の短縮を図っている。
「ウルトラセブンは土星に向かおうとしている」と説明するキリヤマ隊長。
どうして知っているのか不思議だが、ウルトラセブンはいつも全てを知っているような行動を取っているので、おそらく今回もウルトラセブンならα73の事を知っているのだろうと考えたと思われる。
今回のウルトラホーク1号はウルトラセブンを助けてブラコ星人の円盤群を全滅させると大活躍であった。
今回の話は最後にウルトラセブンと宇宙人の戦いが無いと言う変則的な作りになっている。ワンパターンを避けようと、『ウルトラマン』とのイメージの重なりを避けようとする工夫が見られる。
事件解決後、皆が心配しているのをよそにダンは楽しそうに絵を描いていた。
ウルトラセブンは宇宙軌道図作成が仕事の恒点観測員340号なので、久し振りに宇宙に出てその想いを筆に込めたのかもしれない。(それともあれが宇宙軌道図なのかな)
どちらにせよ、皆が心配しているのだから早く帰ってあげてと言いたくなる。まだダンの心は地球より宇宙にあると言う事なのかな。
今回はモノクロや緑一色の場面等、色々と凝った絵が見られる話だった。