帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「超獣は10人の女?」

「超獣は10人の女? ーくの一超獣ユニタング登場ー
ウルトラマンA』制作第11話
1972年6月16日放送(第11話)
脚本 上原正三
監督 平野一夫
特殊技術 佐川和夫

 

くの一超獣ユニタング
身長 55m
体重 4万7千t
大東女子大のサイクリング部員に変身してTACのレーダー設備を次々に破壊していった。『ハチのムサシは死んだのさ』がお気に入り。
口や手から糸を出して相手に巻き付ける。
星司をリモートコントロールして夕子と離してエースに合体変身出来ないようにした。
部長の綾が司令塔となって他の9人をリモートコントロールする。綾自らもユニタングの角になって発光攻撃でエースを苦しめる。バラバラになっても平気だったがウルトラシャワーで溶かされてしまった。

 

物語
次々に破壊されるTACのレーダー設備。その付近には必ず女子大生のサイクリング部員がいた。不審に思った星司は潜入捜査を行うが、それは超獣ユニタングの罠であった。

 

感想
超獣10万匹! 奇襲攻撃」で「女は魔物」と漏らした星司がその恐ろしさを存分に味わう話。結局は夕子に助けられるが、ここまで情けない主人公はこれまで無かった。

 

TACの通信網は第1話の「輝け! ウルトラ五兄弟」では東京タワーを使っていたのだが、どうやら専用の設備が出来たらしい。しかし、今回の話でユニタングに破壊されてしまう。
ヤプールは今回も超獣は倒されたが当初の目的は達成している。第1クールはヤプール側がやや優勢な展開となっている。

 

今回の話はウルトラシリーズでは珍しく心の声が多い。特に星司はかなりお喋り。

 

夜にユニタングがバラバラになっている場面はちょっとホラー。
サイクリング部員達が自転車に乗ったまま合体変身し、綾が「変身!」と言ってユニタングの角に変身するのに驚いた。
サイクリング部員は人間と自然についてのレポートを作っていると嘘を吐くが、後にヤプールの関心が自然に向いていくのは偶然なのかな?

 

ヤプールがどの時点で星司と夕子の秘密に気付いたかは不明。考えられるとしたら「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」の時かな?
今回は星司と夕子を狙った初めての作戦で、星司を巡る夕子と綾の女の戦いが凄い。
2人が引き離されたらエースに合体変身出来ないと言うのは他の作品では出来ない『A』ならではの展開だった。

 

今回の話に限らないが、夕子が健気。
事故の時に星司がまず自分の心配をしてくれたのが理由らしいが、おそらくそれだけではないだろう。
このまま星司と夕子の話を続けていたら、どのような最終回になっていたのかはやはり気になるなぁ。

 

大超獣を越えてゆけ!」に続いて活躍したTACのバイクだがこれ以降は見せ場が無くなってしまう。残念。

 

ユニタングがTAC基地から離れた理由は謎だが、ユニタングが街を襲う時に電車が通っていたのは細かくて感激だった。
ところでエースはもう少し考えて戦ってほしい。TAC基地はメチャクチャだったぞ。

 

今回と次回の本編監督を担当した平野一夫さんは後に「見よ! 真夜中の大変身」の脚本も担当している。