帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ベロクロンの復讐」

「ベロクロンの復讐 ーミサイル超獣ベロクロン二世登場ー
ウルトラマンA』制作第48話
1973年3月2日放送(第48話)
脚本 市川森一
監督 菊池昭
特殊技術 田淵吉男

 

異次元人ヤプール
身長 164cm
体重 48kg
かつてエースに倒されたヤプールの残党で、エースを仲間達のいる地獄に引きずり込もうとする。
Q歯科医院の女医に姿を変え、虫歯の治療に来た星司に特殊なカプセルを仕込んでベロクロンの幻覚を見せた。
正体を見破った星司に撃たれて消滅する。
「そうだ! お前は勝った。勝った者は生き残り、負けた者は地獄へ堕ちる。しかし、これだけ覚えておくが良い。勝った者は常に負けた者達の怨みと怨念を背負って生き続けているのだ。それが戦って生き残っていく者の運命だ!」。

 

ミサイル超獣ベロクロン二世(2代目)
身長 55m
体重 4万4440t
ヤプールの残党が新たに作ったベロクロン。
口からの火炎、全身からのミサイルに加えて、新たにシャボン玉状の溶解液を吐けるようになった。
エースに倒された後、宇宙に運ばれた。怪獣墓場かな?
友情の星よ永遠に」のマッハレスの着ぐるみを改造している。

 

物語
ある朝、星司はベロクロンが復讐に来る夢を見る。
たとえその身が滅びようともヤプールの怨みは決して消えはしない。エースを地獄に引きずり込むまで……。

 

感想
銀河に散った5つの星」以来の市川さんの脚本で、「逆転! ゾフィ只今参上」以来半年振りにヤプールが再登場を果たし、『A』もいよいよ佳境に入った。

 

TACは宇宙パトロールまでしていた。
劇中見るに地球からかなり遠い場所まで行っているようだ。

 

自分は一度ベロクロンに殺されたと振り返る星司。
夕子はエースと分離しても平気だったので、やはりエースは死んだ星司寄りに合体していたと考えて良さそうだ。

 

ベロクロン二世との戦いは初代が登場した「輝け! ウルトラ五兄弟」を踏まえた展開だったのが嬉しい。

 

ヤプールは美人なのだが能面姿がかなり怖い。

 

星司が虫歯の治療に来た時に女ヤプールはどうして一思いに殺さずに特殊カプセルを仕込んで幻覚を見せると言う回りくどい方法を採ったのか?
おそらく普通の殺し方では満足出来ず、星司が自分から超獣に近付いて踏み潰され、エースに変身出来るのにしないで死んでしまったと言う屈辱的な死を与えたかったのだろう。

 

エースとベロクロン二世の戦いはボクシングやら相撲やらと色々遊びが入っている。こう言う戦いは嫌いではないのだが、さすがに今回は物語との雰囲気が違いすぎた。

 

「勝ち負けはとっくに付いている」と言う星司に対し、女ヤプールはその事をあっさりと認める。ヤプールの残党の目的は既に地球侵略などではなくて自分達に勝ったエース(星司)やTACへの復讐となっている。はっきり言って過去のどのような敵より性質が悪いが、これこそヤプールの恐ろしさと言える。

 

冒頭で星司が悪夢を見たように今回は話全体が悪夢を見ているような演出で効果を上げていた。又、ヤプールが壊滅した「逆転! ゾフィ只今参上」や「見よ! 真夜中の大変身」を思わせる演出もあってシリーズの繋がりも感じられた。

 

今回の話は助監督だった菊池昭康さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。