「ペギラが来た!」
『ウルトラQ』制作第14話
1966年1月30日放送(第5話)
脚本 山田正弘
監督 野長瀬三摩地
特技監督 川上景司
冷凍怪獣ペギラ
身長 40m
体重 2万t
南極に棲む怪獣。
口からマイナス130度の冷凍光線を吐いて反重力現象を起こす。黒煙を出して飛行する。
日本の南極観測基地を襲撃するがペギミンHを詰めた気象観測用ロケットを受けて逃げ去った。
名前の由来は「ペンギン」かな。外見はアザラシに似ている。
特殊美術の成田亨さんと造形の高山良策さんのコンビが手がけたウルトラ怪獣第1号となっている。(ただし、初稿デザインは東宝の井上泰幸さんが手掛けている)
物語
南極観測基地が異常な寒波に襲われた。
特別取材班として南極観測隊に参加した万城目は3年前に失踪した野村隊員の謎を解こうとする。
感想
今回の話は南極が舞台になっていて、レギュラーキャラクターも万城目のみの登場となっている。
元から極寒の地である南極がペギラの冷凍光線によってマイナス130度と言う人間が生きていけない環境に変わり、南極観測基地が破壊されて外に放り出された瞬間に全員が死の危険に陥るとペギラ襲撃の緊張感があった。
成田さんと高山さんのコンビが手がけたウルトラ怪獣第1号であるペギラは造形だけでなく演出にも力が入っていて、まさに名怪獣と言える存在感がある。
成田さんの怪獣デザインの三原則。
1、動物がただ巨大化したものはしない。
2、奇形化した妖怪や化け物にはしない。
3、体を壊したり血を流したりはしない。
ペギラの冷凍光線によって反重力現象が起こるが、機械や磁石に影響があったり雪上車が舞い上がったりと磁力が関係しているようにも見える。
伊藤隊員の発言やエンディングナレーションでペギラは動物である事が強調されている。同じウルトラ怪獣でも『帰ってきたウルトラマン』まではどんなに突飛な存在でも一応は生物と言うものが多くて『ウルトラマンA』の超獣からは生物と言うより兵器や妖怪と言ったものが多くなってくる印象がある。
南極で行方不明になりながらも苔を食べて3年も生き延びていたと言う犬のサブローは南極観測隊のタロとジロがモデルかな。
今回の話は東宝の野長瀬三摩地さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。