帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪獣を斬る少女」

「怪獣を斬る少女」
ウルトラマンジード』第2話
2017年7月15日放送(第2話)
脚本 安達寬高
監督 坂本浩一

 

ベリアル融合獣スカルゴモラ
身長 57m
体重 5万9千t
伏井出ケイがライザーにゴモラレッドキングの怪獣カプセルをセットしてフュージョンライズした姿。エリちゃんに宿っているリトルスターを狙う。
ショッキングヘルボールやインフェルノ・マグマを使ってジードと戦うが、最後はレッキングバーストで倒される。が、怪獣カプセルがオーバーヒートしただけで伏井出ケイ自身は無事であった。
ライハによると6年前にも現れたらしい。

 

三面怪人ダダ
身長 190cm~40m
体重 70kg~7千t
ミクロ化器を使って人間を縮小して捕獲する。
エリちゃんに宿っているリトルスターを狙うが失敗し、最後は伏井出ケイに倒された。

 

物語
怪獣とウルトラマンの出現で世界は一変した。
そんな中、避難所にいたエリちゃんが手から炎を出して騒ぎになってしまう。
一方、リクはウルトラマンとして戦っていく事に迷いを見せていた。

 

感想
エリちゃんが「火なら私が点けるよ」と言って自分の能力をあっさりと披露したり、ライハが真剣を持ち歩いて実際に物を切ったりと現代日本とはちょっと思えない場面がある。
多くのウルトラシリーズウルトラマンと怪獣・宇宙人と特別チーム以外は現実に近い設定である事が多いのでエリちゃんやライハの行動はちょっと違和感を覚えるが、現代日本を舞台に特殊能力を持った者達が登場する漫画やアニメだと似た場面があっても違和感を覚える事は少ない気がする。おそらくだが、漫画やアニメは全て絵で表現されるので現代日本を舞台にしてもファンタジーが少し入って現実ではあり得ない事をやっても違和感は少ないのだが、実写だとファンタジーの度合いが漫画やアニメより低いので似たような事をしても違和感が出てしまうのかもしれない。(話が少し外れるけれど、漫画やアニメを実写化した時の違和感は元の絵に似ている似ていない以前に絵で描かれた人物と生身の人物とではファンタジーの度合いが大きく違ってしまうと言うのが理由の一つかなと思う)
ジード』は漫画やアニメっぽい設定が多いので、これまでのウルトラシリーズのイメージで見ると違和感を覚えるところもあるのだが、これまでのウルトラシリーズにはあまり無かったものを他のジャンルから取り入れているので新時代のウルトラ作品と言う感じになっている。

 

ジード』の世界はウルトラマンや怪獣が出現した事実が殆ど忘れ去られているので、今回の話で巨大生物に「怪獣」と言う呼称を用いる事が正式に決定したり、その怪獣を調査するチームの設立が急がれる等の話が出てくる。
多くのウルトラ作品は怪獣や宇宙人が本格的に出現していなくても世界的な組織があるものなのだが、本作は怪獣の存在が公式には確認されていないのでそれらに対する組織も設立されていないとされ、第2話である今回の話で調査チームの設立を求める声が上がるも時間が足りなかったのか実際に設立される事は無かった。『初代マン』で科特隊が設定された後、地球人の特別チームが登場しなかった作品は大変珍しい。

 

基本的にウルトラシリーズウルトラマンに変身する人だけ特別な存在であると言う作品が多い。なので『セブン』のモロボシ・ダンや『ティガ』のダイゴは色々と悩む事となった。
本作でもリクはウルトラマンジードに変身し変身前でも人間離れした身体能力を持っているのだが、本作ではリクだけでなくヒロインのライハも宇宙人と互角以上に戦える戦闘力を持ち、ゲストのエリちゃんは発火現象を起こし、更にそれ以外の人物もペガッサ星人のペガに報告管理システムのレムと普通の人間ではないものばかりとなっている。
昔は特殊な能力や出自を持った人物はごく一部だったのだが、時を経て、皆何かしら特別なものを持つようになった。多様性、多様化の時代に合わせた変化なのかもしれない。

 

ライハ「これで怪獣を斬るの。……訂正する。怪獣が人間に戻ったところを斬るの」。
「人間が巨大な怪獣を斬る」と言った事でリクに戸惑われたライハはスカルゴモラが人間の変身であった事を明かして改めて自分の目的を説明する。
でも、『T』だったらライハが大ジャンプしてスカルゴモラの頭に飛び乗りそのまま刀で目を斬るくらい出来そう。

 

リク「やめろよペガ、足を掴むのは」、
ペガ「何もしてないよ、ペガは」、
リク「じゃあ、どうして足が動かなくなったんだ?」、
ペガ「それは君の意思だ」、
リク「僕の?」、
ペガ「君はベリアルの子供。でも、君は君だ」。
ペガの言葉にリクは決意し、怪獣に向かって駆け出す。
ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」。
そしてリクはウルトラマンとベリアルの力でジード・プリミティブになるのであった。
前回からのペガの発言だが「リクが心の中で思っているけれどハッキリと言葉に出来ない事」をリクに代わって言葉にしているところがある。今回の場面にしてもペガが自分の足を掴んでいない事をリクは分かっていたはずだ。あの場面はリクがペガに自分の気持ちを代弁してほしくて話しかけたのだと思われる。
ペガはテレパシー等は使えないのでリクの心を読んで喋っているわけではない。長年ずっと一緒にいたのでリクの考えている事が分かるのであろう。まさにペガはリクの影であるのだ。

 

前回の「秘密基地へようこそ」でリクが変身して戦った理由の一つは「ドンシャインのようなヒーローになりたい」であった。しかし、変身して戦っても人々は自分を応援したりお礼を述べたりせず逆に怯えて脅威に思ってしまった。
なので、今回のリクは変身して戦う事を拒むのだが、再び怪獣が街を破壊し、更に怪獣の目的がエリちゃんである事を知り、それらを守る為に戦う事を決意する。そしてリクはエリちゃんの「お願い……。助けて……!」と言う祈りを受けて勝ち、戦いが終わった後ライハに「ありがとう」とお礼を述べられるのであった。

 

初登場時からリクは人並み外れたジャンプ力を持つと言う描写があり、ジードへの変身後もまずジャンプして相手に跳び蹴りをする事が多い。

 

ウルトラシリーズで主人公達が事件と関わるのは偶然であったり特別チームの仕事であったりが多く、主人公達と事件が密接な関係にあったと言う話はあまり多くない。しかし『ジード』はスカルゴモラジードと同じシステムで出現し、その目的であるリトルスターはウルトラマンであるジードに祈ると宿主から分離し、今回の話で「星雲荘」と名付けられる秘密基地もリクの為に用意されていたと殆どの設定が主人公リクと密接に関わっていると言うウルトラシリーズでは珍しい形になっている。

 

早くも第2話でライハにジードである事を知られたリク。
これはライハが「巨大怪獣は人間が変身したもの」と言う情報を持っていたので「巨人ウルトラマンも人間が変身する」と言う推測が出来たのだと思われる。
ライハに正体がバレた事でリクはジードとして戦った事のお礼を直接聞く事が出来た。

 

戦いが終わって、ライハも星雲荘で生活する事になる。男の子と女の子が一つ屋根の下で暮らすと言うのはラブコメの王道。ウルトラシリーズでは主人公もヒロインも特別チームの同僚である事が多いのであまり使われてないパターンであった。

 

リク達が暮らす秘密基地の名前が「星雲荘」に決まる。
「星雲荘」と言うのはリクとペガが元々住んでいたアパートの名前だが、『X』の「われら星雲!」にも登場していて、そちらも地球人と宇宙人達が一緒に暮らす場所となっていた。

 

最後に伏井出ケイがリクの近くを通ったのはリクの様子を見るのが目的だったように見えるが、リクに声を掛けられてサインを求められるのはさすがに予想外だったと思われる。伏井出ケイは一体どんな気持ちでリクのお願いに応えて本にサインをしたのであろうか……。

 

今回からリクのナレーションが入るようになる。
主人公のナレーションは『ネクサス』を思い出す。
主人公がナレーションを務めていると主人公の心情等を説明してくれるので、主人公のドラマがどこを向いているのかが分かりやすくなる。

 

今回から本格登場した鳥羽ライハはSF作家のロバート・ハインラインから、伏井出ケイはSF作家のフィリップ・K・ディックから名付けられた。

 

 

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