「サラリーマンゼロ」
『ウルトラマンジード』第3話
2017年7月22日放送(第3話)
脚本 安達寬高
監督 坂本浩一
ダークロプスゼロ
身長 45m
体重 3万5千t
かつてゼロを模して作られたロボット兵器。
ダークロプスゼロスラッガー、ダークロプスメイザー、ダークロプスゼロショット、ディメンジョンストームを使う。
伏井出ケイが怪獣カプセルで召喚していて、最初の戦いではジードを追い詰めるもゼロには勝てなかった。二度目の戦いでは3体召喚されたがソリッドバーニングに全て倒された。
物語
光の国から盗まれたウルトラカプセルを追ってサイドスペースに辿り着いたゼロ。
そこではゼロそっくりのダークロプスゼロとベリアルそっくりのジードが戦っていた。
感想
ゼロが次元を越えてサイドスペースにやって来るがダメージが酷かったウルティメイトブレスレットが壊れてしまう。これによってゼロは『ベリアル銀河帝国』以降に得た多くの能力を使用できなくなってしまう。
先輩ウルトラマンがレギュラー出演するのは過去に『レオ』のセブンがいる。セブンは第1話でマグマ星人との戦いで受けたダメージによって戦闘不能になってしまい、以降はレオを特訓して育てる事になった。ゼロもそのままだと強すぎて主人公のジードの存在理由が無くなってしまうので今回の話でダメージによって弱体化する事となった。
ゼロは弱体化したので以前のように圧勝する事は出来なくなったが、それでも新人ウルトラマンのジードよりは強いと言う絶妙な位置となった。
巨大怪獣スカルゴモラとの戦いで巨人ジードが人々を守るヒーローだと皆に思われ始めたところでジードと同じ巨人のダークロプスゼロに街を破壊させる伏井出ケイは本当にいやらしい。
因みにこのジードとダークロプスゼロの戦いはベリアルのそっくりとゼロのそっくりが戦うと言う構図になっていて、ベリアルとゼロの場合とジードとダークロプスゼロの場合とでは善悪が入れ替わると言うのが面白い。
今回のゼロがレイトと一体化した場面は『帰マン』の「怪獣総進撃」のオマージュとなっている。
因みにゼロはラン、タイガ、レイトの3人と一体化した事があるが、崖から落ちそうな人を助けようとしたランはセブンの、自分の乗っている戦闘機が宇宙船とぶつかったタイガは初代マンのオマージュとなっている。
ゼロとレイトの会話は『サーガ』でのゼロとタイガや『X』でのエックスと大地のようなコミカルな感じになっている。
一方で『サーガ』や『X』の時と違って今回のゼロはレイトの体を一時的に借りる事が出来るようになっている。最初からこれが出来るのなら『サーガ』の時に変身であんなに苦労する必要が無かったので、これはその後に出来るようになったのであろう。
そもそもウルトラマンが意識のある人間の体を自分の意思で動かすと言う事は殆ど無い。人間の意思を尊重するウルトラマンとしたらこれはかなりギリギリのラインなのかもしれない。宇宙警備隊所属でありながらある程度の自由が与えられているゼロだからギリギリ許されているのかもしれない。
ゼロとレイトの関係はこれまでのウルトラマンと人間の関係より『仮面ライダー電王』のイマジンと良太郎の関係に近いところがある。
リクはレムを使って「彼の名はウルトラマンジード。敵ではありません。運命に逆らい、立ち上がる者です」と言うメッセージをマスコミに送る。
これまでの作品では謎の巨人ウルトラマンが人類にとって敵なのかどうかと言う判断は特別チームによって下される事が多かった。しかし、本作にはそう言う特別チームが無いので、リクはマスコミを使ってジードの印象を良くする方法を採る事になった。
因みに今回のゲストであるトオルがジードを応援したのは彼もドンシャインが好きだったかららしい。ジードがヒーローとして世間に受け入れられていったのは『ドンシャイン』のようなヒーロー作品の存在も大きかったと思われる。
今回の話でリクはドンシャインのキーホルダーを手に入れる事が出来なかったが後に入手できたらしく後続の作品ではキーホルダーを身に付けている。
ウルトラマンは一体化する事で相手の傷を癒やす事が出来ると言う能力を使ってキングは宇宙が崩壊する寸前に一体化して宇宙の崩壊を阻止するのだが、宇宙が大きすぎた為にキングの意識は拡散してしまった。
ウルトラマンと一体化した人間の傷が治っていたと言う描写はこれまでにもあったので、それを応用して宇宙を崩壊の危機から救うと言う展開はなるほどであった。
それにしても宇宙と一体化すると言うスケールの大きさが凄い。ウルトラマンは奇跡を起こす存在であるが、彼らが起こした奇跡の中でも群を抜いている。
クライシス・インパクトの騒動の最中、光の国で開発されたウルトラカプセルが何者かに盗まれてしまい、ゼロはそれを探してサイドスペースにやって来た。
『レオ』の「決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟」でウルトラキーが盗まれた時もだが、光の国は割と侵入されやすいところがある。
ゼロの事を「気の合わない相手」と言う伏井出ケイ。
今回は自分がベリアル融合獣に変身するのではなく、ダークロプスゼロをもう一度召喚している。ゼロとは直接戦いたくもないと言う感じなのかな。
二度目の戦いではダークロプスゼロが3体も召喚される。
レムによると残存していた試作機か量産化されていた個体との事。
ダークロプスゼロを量産したものが『ベリアル銀河帝国』に登場したダークロプスなので、ここは残存していた試作機の方かな。
ソリッドバーニング登場!
ロボットっぽい演出が最高に格好良い!
ソリッドバーニングはゼロの父親であるセブンと師匠であるレオの力を融合させたものなので、ゼロの登場回で敵がロボットのダークロプスゼロである今回にピッタリなフォームであった。
因みに「ソリッド」は「堅固、硬質」と言う意味がある。
今回から本格登場した伊賀栗レイトはSF作家のグレッグ・イーガンから名付けられていて、ルミナはグレッグ・イーガンのSF小説『ルミナス』から、マユは同じくグレッグ・イーガンのSF小説『繭』から名付けられている。