帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『ウルトラマンカンパニー こちらウルカン特捜(騒)隊でーす』

ウルトラマンカンパニー こちらウルカン特捜(騒)隊でーす
1996年3月9日公開
脚本 右田昌万
監督 日下部光雄

 

ウルトラマン生誕30周年記念映画 ウルトラマンワンダフルワールド』の1作として『ゼアス』等と共に公開された。
『キッズ』『グラフィティ』と同じくウルトラシリーズのキャラクターをデフォルメした作品。

 

地球そっくりのきぬた星にある「ウルトラマンカンパニー」がガヤガヤデパートにあるモヤモヤ像の警備をする事になるが、そこからかつてモヤモヤ像の力で神以上の存在となったモヤモヤ人の秘密へと事件が発展していく。
わずか30分でデパートの警備から始まって、悪者の屋敷への潜入、海の底にある島への冒険、そして最後は島が地球を飛び出して衛星軌道上に静止していた謎の宇宙船にドッキングすると宇宙にまでスケールが大きくなっていくのには驚いた。この短い時間にこれだけ色々盛り込んでよく綺麗にまとめられたなぁ。

 

ウルトラマンカンパニーの従業員はセブン社長、ウルトラくん、おばさんキャラが良い味出してるガボちゃん、分身の術が使えるバルタくん、優しくて力持ちなレッキンくん、化粧に余念が無いメトロ、機械に強いダダコ、謎のウー(名前が分からない)の8名となっている。
ウルトラくんがカプセルを掲げると服がウルトラマンカンパニーの制服に変わる。そう言えばウルトラシリーズと言えば「変身」が大事な要素の一つだが『キッズ』や『グラフィティ』ではその要素は無かったなぁ。

 

衛星軌道上に静止していた謎の宇宙船の中心部にはたくさんのモヤモヤ像があって、中央のパイプオルガンを弾くとモヤモヤ像が願いを次々と叶えていく。そこでヤンゴ博士はモヤモヤ像の力で邪魔者を動物や食べ物に変え、遂には自分自身を怪獣に変えてしまう。
可愛らしい絵からは予想外にモヤモヤ像の力が凄くて驚いた。ヤンゴ博士が自分を「宇宙で最も強く最も偉大な存在」と言ってしまうのも分かる。
モヤモヤ像の力を制御できなくなってしまったヤンゴ博士の最期が結構エグかった……。

 

古文書と言えば昔にあった出来事が書かれてあるものだが本作に登場する古文書は「近い将来の出来事が分かる」と言うものになっている。この設定がラストシーンに繋がる事になる。

 

主題歌は椎名へきるさんの『夢まで走ろう』。

 

本作は日下部さんのウルトラシリーズ最終作となっている。