「イージス 光る時」
『ウルトラマンX』第5話
2015年8月11日放送(『新列伝』第110話)
脚本 中野貴雄
監督 坂本浩一
ウルトラマンゼロ
ゼロ時 身長 49m 体重 3万5千t
ウルティメイトゼロ時 身長 55m 体重 5万5千t
宇宙警備隊所属のウルトラマンで、バンデロを追って別の宇宙からやって来た。
最初は自分一人で全て解決しようとしていたが、大地とエックスがウルトラマンゼロアーマーで惑星ギレルモまで辿り着いたのを見て考えを改め、エックスと協力してバンデロとブラックキングドリルカスタムを倒した。
暗殺宇宙人ナックル星人バンデロ
身長 43m
体重 2万t
怪獣兵器を売りさばく死の商人で、Xioのスパークドールズを狙った。
次元を自由に移動する事が出来る。光線銃を駆使して戦う。
ルナミラクルゼロのミラクルゼロスラッガーで全身を切り刻まれ、ゼロツインシュートで止めを刺された。
用心棒怪獣ブラックキング
身長 65m
体重 6万t
バンデロが使う怪獣。
Xio識別カテゴリーではタイプGに分類される。
口から熱線を吐く。
バンデロとのタッグでエックスを追い詰めるが、途中から参戦したゼロのウルトラゼロキックで頭部の角を折られた。
用心棒怪獣ブラックキングドリルカスタム
身長 65m
体重 6万t
ゼロに破壊された頭部の角をドリルに改造された。
ドリルの角からドリル・ブラスターと言う光線を撃つ。
ゴモラ振動波とエレキング電撃波とザナディウム光線の連続攻撃を受けてスパークドールズになった。
物語
スパークドールズを使ったXioの実験を狙ってナックル星人バンデロがブラックキングを差し向けて来た。
そこにバンデロを追って別の宇宙からウルトラマンゼロもやって来て……。
感想
ゼロのゲスト出演回。
次元移動用のウルティメイトゼロだけでなくストロングコロナゼロとルナミラクルゼロも披露して最後は黒幕のバンデロまで倒す活躍っぷり。第2期ウルトラシリーズの頃は客演した先輩ウルトラマン達は散々な目に遭っていたが、21世紀に入って先輩ウルトラマン達の扱いは大きく変わった。
大地の父が超時空理論を研究していた事が明かされ、大地の母の研究所があった場所が三次元宇宙と平行世界を繋ぐ特異点の一つであったりと大地の両親の消失先についていくつかヒントが出されている。
エックスのザナディウム光線によってスパークドールズにされた怪獣達を研究してザナディウム光線に含まれている怪獣をスパークドールズにする粒子を取り出す事に成功すれば地球人も怪獣をスパークドールズにする事が出来る。
これまで怪獣に対して「駆除する」しか方法が無かったがエックスの登場によって「スパークドールズにする」と言う選択肢が増えた。
今回はナックル星人とブラックキングのコンビなので『帰マン』の「ウルトラマン夕陽に死す」と「ウルトラの星光る時」のオマージュがいくつか見られる。
ブラックキングドリルカスタムは『ウルトラ超伝説』のグラビア版に登場したブラックキング(改造)がモデル。マニアックなチョイスに驚いた。
バンデロが潜伏していた惑星ギレルモは『パシフィック・リム』を手掛けたギレルモ・デル・トロから名付けられている。
バンデロは西部劇の悪役風のキャラ付けがされていて、結果の為には手段は選ばない人物で戦闘中に投石までする。正々堂々とはかけ離れたキャラなのだが、プロレスの実力者ヒールのようなハッキリとした悪役振りが逆にカッコ良くなっている。
グルマン博士が物陰に向かって走って行く大地を見た直後にエックスが現れる。おそらくここでグルマン博士はエックスと大地の関係を確信したのだろう。
その大地だが後のウルティメイトゼロのサイバーカードを譲り受ける時のグルマン博士の態度から自分とエックスの関係が既に気付かれている事を感じたと思われる。
ゼロの噂を知っていたグルマン博士。これはゼロが過去にも『X』の世界にやってきた事があるのか、逆にグルマン博士が別の宇宙に行った事があるのか、どちらなのだろうか?
バンデロの目的はスパークドールズを怪獣兵器として売りさばく事。通信機で売人と取引をしていたが、その取引相手の正体は後の話で明らかとなる。
エックスに自己紹介する時にゼロは「俺は宇宙警備隊のゼロ」と答えている。『ベリアル銀河帝国』ではウルティメイトフォースゼロは「新しい宇宙警備隊」と言う事だったが、今のゼロは両方の組織に所属しているのか、それとも今のウルティメイトフォースゼロは宇宙警備隊に組み込まれているのだろうか。
ゼロの力を解析してウルティメイトゼロのサイバーカードが完成。そこから作られたウルトラマンゼロアーマーはウルティメイトイージスの力を備えていて次元の壁を超える事が出来る。一部とは言え、ウルトラマンの力を解析して再現する事に成功するとはグルマン博士は凄すぎる。『ダイナ』のゴンドウ参謀や『ネクサス』のダークザギが知ったらさぞ驚くだろうなぁ。
ルイルイを助けに行きたいと訴える大地だったがゼロに「2万年早いぜ、お前らには。俺に任せな」と断られてしまう。その後、ウルトラマンゼロアーマーで惑星ギレルモにやって来た時に「よくここまで来られたな」と言うゼロに対して「2万年も待っていられないんでね」とエックスが言い返したのが面白かった。
ウルトラマンは兄弟や親子や上司部下や師弟と言った上下関係があって会話にもその上下関係が出る事が多いのだが、今回のエックスとゼロにはそう言った上下関係が無いのでこのような会話が出来た。
最後のゼロとエックスとルイルイの写真の場面はこれまでのウルトラマンでは考えられなかったもので、より身近で親しみのあるヒーローと言うニュージェネレーションシリーズのウルトラマン像を強く印象付ける場面となった。
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