「大爆発五秒前 ー海底原人ラゴン登場ー」
『ウルトラマン』制作第7話
1966年8月7日放送(第4話)
脚本 南川竜
監督 野長瀬三摩地
特技監督 高野宏一
海底原人ラゴン(2代目)
身長 30m
体重 2万t
木星開発用の原爆が爆発し、その放射能で突然変異を起こした。
かつては好きだった音楽にも敵意を示す等、本能が完全に狂ってしまった。
口から光線を吐く。体に原爆をぶら下げたまま暴れる。スペシウム光線を受けて崖から海へと転落した。
因みに今回はオス。
物語
木星開発用のロケットが太平洋上に墜落し、積んであった原爆が1個行方不明になる。
そして巨大なラゴンが葉山マリーナに現れた。
感想
ラゴンは原爆のせいで巨大になるわ本能が狂って暴れるは音楽嫌いになるわ光線は吐くわウルトラマンに倒されるわと踏んだり蹴ったり。『ウルトラQ』の「海底原人ラゴン」ではラゴンは母性的な存在だった事を考えると今回の人間の業は深い。
ゲストのミチコちゃんはフジ隊員とはどういう関係だったのだろうか?
もし無関係だったら、せっかくの休暇なのに子供の面倒を見る事になったフジ隊員が気の毒。
ラゴンにジェットビートルを撃墜されて脱出するアラシ隊員。
『ウルトラマンA』のTAC辺りはホイホイ脱出しているイメージがあるが科特隊が脱出するのは珍しい。
ラゴンと原爆に対して有効な手を打てない中、「ウルトラマンさえ来てくれたらな。ウルトラマン、来てくれ」と漏らすイデ隊員。早くもウルトラマンへの依存心が見えてきていて、後の「小さな英雄」の事を考えるとなかなか重要なシーン。
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』もだったが、今回のラゴンのように人型の怪獣が明確な意思を持って迫って来ると言うシチュエーションはかなり怖い。
今回のウルトラマンとラゴンの戦いは「原爆を落としたら20秒で爆発する」と言うハンデがあったのでかなり緊迫したものとなった。
最後、ウルトラマンが原爆を持って宇宙に去ってから皆の所にハヤタ隊員が戻ってくるのが早すぎるが逆にヒーローらしくて良かった。