「銀河に散った5つの星 ー殺し屋超獣バラバ 異次元超人エースキラー登場ー」
『ウルトラマンA』制作第14話
1972年7月7日放送(第14話)
脚本 市川森一
監督 吉野安雄
特殊技術 佐川和夫
殺し屋超獣バラバ
身長 75m
体重 8万5千t
何故か今回は放射能の雨が無かった。
エースに取られた刃物で自分の首を切られてしまう。
異次元超人エースキラー
身長 40m
体重 4万3千t
ヤプールが作り出した超人で、ゾフィのM87光線、初代マンのスペシウム光線、セブンのエメリウム光線、ウルトラマン二世のウルトラブレスレットを備える最強の敵。
エースを圧倒するがウルトラ5兄弟の合体技スペースQで倒される。
名前の意味は「エースを殺す者」。
超人ロボットエースロボット
身長 40m
体重 4万5千t
ヤプールが「エースの一人や二人作り出す事など屁もない事なのだ」として出した。それならエースロボットを量産して地球に送り込めば良いものを……。ただのハッタリか?
実験体としてエースキラーが放つウルトラ兄弟の技を次々に受けて最後はM87光線で倒されてしまった。
ウルトラ兄弟
十字架に磔にされ、エースキラーにそれぞれの技と武器を奪われる。
しかし、最後の希望スペースQで事態を逆転させる。
物語
ウルトラ兄弟が捕らわれている中、TACの高倉司令官はゴルゴダ星の爆破を決定する。
その決定に星司は異を唱えるが……。
感想
「死刑! ウルトラ5兄弟」の続き。
今回の話で星司はウルトラ兄弟の出身を「M87星雲」と言っている。
誤植でウルトラマンの出身地が現在の「M78星雲」になったのは有名な話だが、今回さらに間違う事で本来の出身に戻ってしまった。
その為、ゾフィの必殺技が「M78光線」ではなくて「M87光線」になっている。スタッフは誰も不思議に思わなかったのかな? それとも確信犯?
TACの人工太陽光線で復活する星司と夕子。これは他の隊員にも効果があるのかな?
南太平洋上にある国際本部からやって来た高倉司令官。
TACの本部はニューヨークだったのでは?
様々な組織の中枢があるニューヨークがヤプールに狙われたら大変なので移転したのかな?
高倉司令官が言ったゴルゴダ星爆破はそれほど間違ってはいない。
今まで地球の危機を幾度となく救ってくれたウルトラ兄弟を犠牲にするのは問題あるがTACの使命は地球の平和を守る事。それにヤプールの現在位置が判明していた事はこれまで無かったので、この機会を逃す手は無い。
高倉司令官の言う通り、多少の犠牲も止むを得ないと言える。
ただし、自分に意見したからと、あてつけに星司をパイロットに指名するのは問題。地球の命運がかかっているのだぞ?
ここは竜隊長や山中隊員の言うように経験が豊富なベテランを行かせるべきで、この大事な局面で個人的な好き嫌いを出してしまうのは組織のトップとしては失格で山中隊員に「ヤな奴」と言われるのも当然である。
その山中隊員は星司に代わって危険なパイロット役を引き受けようとする場面が格好良かった。普段は口うるさいものの、いざとなったら頼れる先輩だ。
超光速ミサイルNo.7は「変身超獣の謎を追え!」に登場した新型ロケットエンジンの発展型かな。
今野隊員のロケット工学のオーソリティと言う設定は今回も使われなかった……。
星司はゴルゴダ星もヤプールに支配されているだけで他の住民もいると訴えていたが、その事は詳しく触れられず、結局、ゴルゴダ星はヤプールによって爆破されてしまった……。
星司はウルトラ兄弟を自分の兄弟ではなくて「エースの兄弟」と言っている。この時点では星司とエースの人格はまだ明確に分けられている。
「TAC隊員の命を預かっているのはこの私です!」として高倉司令官を殴る竜隊長がカッコ良すぎ!
有名なモニター越しのウルトラタッチ。
合体変身は距離を超えるとしてエースの神秘性が一気に高まった。
エースキラーは今までにいなかった敵でかなり格好良い。
一回きりの登場なのは勿体なかったので、何度かエースの前に立ち塞がってほしかった。
エースキラーが放ったウルトラブレスレットを弾き返すエース。今回の話以降、ウルトラマン二世はウルトラブレスレットを付けない事があるが、ひょっとしたら今回の戦いでウルトラブレスレットを無くしてしまったのかもしれない。
ウルトラシリーズ初の合体技スペースQ炸裂!
絶対零度でエネルギーを失い、ウルトラチャージで残されたエネルギーをエースに与え、エースキラーにエネルギーを奪われながらも、まだスペースQを使うだけのエネルギーが残っていたとはしぶとすぎるぞ、ウルトラ兄弟!
因みにスペースQの「Q」は五重奏を意味する「クインテット(Quintet)」が由来らしい。
昭二少年の声援をウルトラホールに受けてバラバに勝つ事が出来たエース。
『A』では子供達の声援は太陽エネルギーと同じ力を持つようで、これは最終回「明日のエースは君だ!」に繋がる。
かつてない大規模な作戦も失敗に終わってしまったヤプール。
今回の話で形勢が逆転し、ヤプール側が劣勢に回る事となった。そしてこれからヤプールはどんどん追い詰められていく事になる。
今回の話の放送日が星司と夕子の誕生日でもある七夕なので、劇中でも牽牛と織姫の話題が出ている。
夕子の言う通り、二人の関係は一体何なのだろうか? 単純な恋人とは違う気がするし……。難しい。
やがて二人は牽牛と織姫と同じく離れ離れになってしまう……。
終盤に復帰するが、市川さんは今回の話をもって『A』から一度降板している。