帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「セブンからエースの手に」

「セブンからエースの手に ー獏超獣バクタリ登場ー
ウルトラマンA』制作第31話
1972年11月3日放送(第31話)
脚本 山田正弘
監督 岡村精
特殊技術 川北紘一

 

獏超獣バクタリ
身長 62m
体重 5万9千t
動物園のバクに黒い彗星が運んできた異次元エネルギーが取り憑いて超獣化した。
頭部からあらゆる物を溶かす霧を吐く。両手から炎を放つ。
セブンのエメリウム還元光線で異次元エネルギーを取り除かれて元に戻った。
名前の由来は「バク」かな。因みに人々の夢を食べると言われている「獏」は架空の存在です。

 

ウルトラセブン
身長 40m
体重 3万5千t
「エースよ、バクタリを殺してはいけない」と言うウルトラサインを発して地球にやって来た。
エメリウム還元光線でバクタリから異次元エネルギーを取り除いて元の姿に戻した。
そんな事が出来るのならずっと地球にいてくれた方が……。

 

物語
謎の黒い彗星が目撃された。
数日後、TAC基地にミオちゃんと言う女の子がやって来て、バクとバクおじさんを助けてほしいと訴える。

 

感想
冒頭の黒い彗星は何か?
異次元エネルギーの塊と言われている事からヤプールの怨念と考えて良いだろう。

 

久々登場となった梶隊員だが今回の話が最後の出演となる。
どうして今回の話に出たのかだが、ひょっとしたら契約の関係だったのかもしれない。と言うのも今回の話で梶隊員役の中山克己さんの出演がちょうど26本になる。(『T』で白鳥さおりを演じたあさかまゆみさんは13本の出演と言う契約だった) もしそうなら今回の話より「さようなら夕子よ、月の妹よ」に出てほしかった。
正直言って梶隊員の降板は残念。ヤプールが滅亡したので超獣の名前や設定を語る役がいなくなってしまったが、梶隊員にその役を引き継いでほしかった。

 

この後の梶隊員は何をしていたかだが、兵器開発部門から出向していたので元の部署に戻ったと考えられる。兵器開発に専念出来るようになり、後に登場するシルバーシャークやゴールデンホークと言った超兵器を開発する事が出来たのかもしれない。

 

少女が簡単に潜入出来るTAC基地。ゲートのチェックはどうなっているんだ? ヤプールが滅亡して気が緩んでいたのか?

 

ミオちゃんのスカートの中に鼻を突っ込むバク。どういう意図があった場面だったのだろう……。誰かスタッフの趣味か?
他の人と見ている時にこう言う場面が来ると説明に苦慮する。

 

バクと話せると言うバクおじさん。まさか本当にバクが喋る場面があるとは驚きだった。

 

飼育員のおじさんがなかなか良い人物であった。

 

星司はバクとバクタリの関係を怪しむが美川隊員には話さなかった。「きみにも見えるウルトラの星」の香代子に対してもそうだったが、星司は夕子には話していた悩み等を美川隊員や香代子には話していない。やはり夕子の代わりはいないと言う事だろうか。

 

TACの最高司令官が登場。高倉司令官ではなかったが、やはり「銀河に散った5つの星」での失敗で更迭されたのかな?
今回は警察の幹部も登場しているが、TACと警察の縄張り争いはこの頃には無くなっている。何となくだが、TACの権限が強くなってきた気がする。

 

超獣化の恐れのある存在は超獣になる前に即処分。これは冷静に考えたらかなり怖い考え。今回の話ではあまり掘り下げられなかったが、この考えは後に『ティガ』のクリッター編や『ガイア』や『コスモス』等で掘り下げられる事になる。
それにしても超獣化の恐れがあるのに一般人が簡単に入れる所で処分するのは問題がある。『帰マン』の「戦慄! マンション怪獣誕生」の反省が活かされていない。

 

セブンが登場するがわざわざ出るほどだったとは思えない。
セブンに超獣化した動物を元に戻せる能力があるのなら、エースではなくてセブンが地球にいるべきで、出来れば他の解決方法を考えてほしかった。
『A』ではセブンのゲスト出演が多かったが、これは『ファイト』の人気が関わっているのかな?

 

ミオちゃんは星司の事を誰から聞いたのか?
おそらくダンからだと考えられる。ラストでダンが「僕の言った通りだったろ?」と言っているので、どこかにあったダンとミオちゃんの場面がカットされてしまったのだろう。

 

「お礼ならウルトラマンエースに言っておくれよ。僕はあんまり役に立たなかった」と言う星司。悪いがエースもあまり役に立っていない。お礼ならエースではなくてセブンに言うべき。

 

山田さんが『A』で脚本を書いたのは今回の話だけとなっている。