帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「漆黒のウルトラ兄弟」

「漆黒のウルトラ兄弟
ウルトラマンギンガ』第9話
2013年12月4日放送(『新列伝』第23話)
脚本 荒木憲一
監督 石井良和

 

暗殺宇宙人ナックル星人グレイ(SD)
身長 14cm~43m
体重 150g~2万t
黒木の心の闇を使ってダークダミースパークを作り出し、そのまま黒木をアントラーダークライブさせた。
自分の父がダークライブしてヒカルを殺そうとしていた事を知ってショックを受ける美鈴の前に現れ、その心の闇に付け込む。

 

磁力怪獣アントラー(SD)
身長 14cm~40m
体重 150g~2万t
磁力光線を使って周囲の磁力を操る。
ダークダミースパークによって黒木がダークライブされている。気力と体力を使い果たしたヒカルを倒すべく降星小学校を襲おうとする。
美鈴達がウルトライブしたジャシュラインが思うように動けないのを見て攻め立てるが、セブンダークが放ったワイドショットを受けて倒された。
戦いの後、スパークドールズはヒカル達に回収された。

 

ウルトラマンダーク(SD)
身長 14cm~40m
体重 150g~3万5千t
美鈴の父がダークダミースパークでダークライブした。
オリジナルと同じくスペシウム光線や八つ裂き光輪を使用する。
戦いの後、スパークドールズはヒカル達に回収された。
ライブステージ『ウルトラヒーローバトル劇場』に登場した「ウルトラマンガイスト」のスーツを使用している。

 

ウルトラセブンダーク(SD)
身長 14cm~40m
体重 150g~3万5千t
美鈴の父がダークダミースパークでダークライブした。
オリジナルと同じくワイドショットやアイスラッガーを使用する。
ヒカルの訴えを聞いた後、ギンガクロスシュートをわざと受けて倒された。
戦いの後、スパークドールズはヒカル達に回収された。
ライブステージ『ウルトラヒーローバトル劇場』に登場した「セブンガイスト」のスーツを使用している。

 

宇宙三面魔像ジャシュライン(SD)
身長 14cm~60m
体重 150g~6万t
ホツマがいずこからか入手していたスパークドールズ。
気力と体力を使い果たしたヒカルに代わって美鈴と健太と千草がウルトライブした。
3人の意思が一致せず思うように動く事が出来なかったがヒカルが回復するまでの時間稼ぎは出来た。

 

物語
闇に染まったウルトラ兄弟の攻撃を受けて倒されてしまったギンガ。
絶体絶命の危機に今度は美鈴と健太と千草の3人がウルトライブする!

 

感想
『ギンガ』は戦闘が間延びしている回がいくつかあるが、今回の戦闘はテンポが良かった。

 

ウルトラマンダーク登場。ギンガがザラガスとの戦いを終えた直後に乱入してくるのは「アイドルはラゴン」でのジャンキラーと同じ。3分間の活動限界があるのでギンガは連戦になると勝てなくなる。
ウルトライブが解除されたヒカルに向けてセブンダークはアイスラッガーを放とうとするが美鈴が身を挺してヒカルを守るのを見て思い止まる。暴走している状態とは言え普通の人間相手にアイスラッガーを使おうとした美鈴の父が怖い。

 

ヒカルは気力と体力を使い果たしただけで命に別状は無いとして、ホツマはスパークドールズのタロウにお茶を振る舞い「これまでの活躍を存じ上げている」と話す。
この時にタロウはホツマに選ばれし者の紋章が浮かび上がっているのを目撃する。礼堂家は代々に亘ってギンガスパークを御神体として守っていたので、ヒカルの祖父であるホツマも選ばれし者だったのは納得。
ホツマが言った「タロウのこれまでの活躍」は『ギンガ』以前の『T』や『メビウス』での活躍も含まれていると思われる。後に『新列伝』で「秘伝の書」が登場しているので、これを使ってホツマはタロウに関する知識を得ていたと考えたら辻褄が合う。
放送当時は謎だらけの人物に思えたホツマだが秘伝の書の設定を当てはめて考えたら多くの謎が解ける。

 

ダークダミースパークの影響か、今回の話で美鈴の父のキャラクターがいきなり変わる。
「人間には支配する者とされる者と言う二種類しかおらず、後者の人間は掃いて捨てるほどいる」。
暴走しているので言い方が過激になってはいるが、そういう考え方を美鈴の父が元々持っていたのは確か。会社が大きくなるに従って人間を区分けして扱うようになっていったのかもしれない。
美鈴の和菓子作りの設定は最初から出ていたが、出来れば両親の話も序盤から触れてほしかった。

 

黒木がダークライブしたアントラーの磁力光線は物をただ引きつけるだけでなく磁力の向きを変える事も出来ると以前に比べてパワーアップしている。
この時に友也とくっついたカッキーが何故か嬉しそう……。

 

美鈴の父はダークダミースパークを使ってヒカルのギンガスパークに働きかけ精神世界でヒカルと直接会話する。
おそらくこれはヒカルがギンガスパークでウルトライブしたらダークダミースパークで怪獣にダークライブした人間の姿を見る事が出来ると言うのを応用したと思われる。
これまでの人々に比べて美鈴の父はダークダミースパークの力を引き出している。

 

美鈴の父が初代マンとセブンのスパークドールズを使って連続ダークライブしているのは、ヒカルが最初は怪獣にウルトライブして途中でギンガにウルトライブするのと同じ。劇中では描かれていないが、ヒカルの怪獣からギンガへの切り替わりは今回のウルトラマンダークからセブンダークへの切り替わりと同じようになっていると思われる。

 

眠っているヒカルに代わって今回は美鈴と健太と千草の3人が戦う事に。
3人でウルトライブできる怪獣としてホツマが提示したのはジャシュライン。
美鈴はどこからスパークドールズを持って来たのか疑問に思う。ホツマは既に闇の支配者の正体を知っているので、おそらく闇の支配者の部屋から持ち出したのだろう。
どうしてホツマがジャシュラインの事を知っていたのかだが、これは「秘伝の書」を通じて知識を得ていたからと考えられる。

 

ジャシュラインにウルトライブした健太は「スゲー! スゲー! 俺、本当に怪獣を操ってんだ!」とはしゃぐ。そう言えば健太はこれが初めてのライブになるんだった。
ホツマがジャシュラインを選んだのは顔が三つあるから。しかし、三人の意思が一致しないので歩く事すらままならない状態に……。これを見ると「星の降る町」で二人でサンダーダランビアにダークライブしていた山田と木村は凄かったんだな。因みにキングパンドンも顔が二つあるので二人でライブ出来た事になるが、「双頭の火炎獣」の時のユウカには一緒にライブする仲間がいなかったんだろうなぁ……。
ジャシュラインは『メビウス』の「父の背中」ではかなり強かったのだが今回は大した活躍が無かった。三人で混乱してしまうくらいなら美鈴一人でウルトライブした方が活躍できた気がする。
前回もだったが今回も美鈴達がウルトライブしてもあまり活躍できなかったのが残念。今回は一応時間稼ぎは出来たらしいが、演出を見る限りはそう言う風にはあまり見えなかった。

 

美鈴の父がセブンダークにダークライブする場面はセブンの変身シーンを髣髴とさせながら邪悪な感じに仕上がっている。
ウルトラマンダークとセブンダークはそのワルっぽい戦い方が印象に残った。倒れたギンガに向けて至近距離でスペシウム光線を放ったり、ギンガを盾にしてエメリウム光線でジャンナインを倒したりと見事な鬼畜振りであった。
それにしても美鈴の父は格闘技を習っていたのか若い頃はやんちゃをしていたのか、あまりにも戦い慣れていた。

 

久し振りにジャンナインが登場。前回の話で自己修復に5時間かかると言っていたが、もう5時間経ったのだろうか? それとも完全に修復していない状態で来たのだろうか?

 

「美鈴……。負けちゃ駄目だ! 美鈴の為に!」とヒカルが決意してから、ジャンナインに止めのワイドショットを放とうとするセブンダークの左腕をギンガが掴み、すぐさまセブンダークが右手でアイスラッガーを掴もうとするも、その前にセブンダークの顔面にギンガがパンチを繰り出し、そこから逆転劇が始まるのが盛り上がる!
「美鈴はあなたの為に和菓子を作ったんだ! 分かるか! お母さんとの思い出の味をあなたに食べさせて思い出してもらいたいんだ! お母さんと出会ったあの頃のあなたに戻ってほしいから! だから! 目を覚ませ! 美鈴の為に!」。
先に美鈴の父が「美鈴の為にヒカルも闇の支配者に与しろ」と言ったが、それをヒカルは「美鈴の為に目を覚ませ」と言い返す。それを聞いたセブンダークは抵抗する事無くギンガクロスシュートを受けて敗れるのだった。
今回はウルトラマンダークとセブンダークが登場したが、どちらかと言うとセブンダークの方が印象に残った感じ。おそらくそれはゼロとの話でセブンに父親のイメージが付いていたからであろう。

 

ところで前回の話で倒されたばかりの桑原はともかく、剛は今回どこにいたのだろう?

 

今回の話は荒木さんの現時点でのウルトラシリーズ脚本最終作となっている。

 

 

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