帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「双頭の火炎獣」

「双頭の火炎獣」
ウルトラマンギンガ』第3話
2013年7月24日放送(『新列伝』第4話)
脚本 谷崎あきら
監督 原口智生

 

宇宙海人バルキー人(SD)
身長 14cm~49m
体重 150g~2万2千t
放火魔の菅生ユウカと行動を共にし、ヒカルとタロウが寝泊まりしている教室へと入り込んだ。

 

双頭怪獣キングパンドン(SD)
身長 14cm~63m
体重 150g~6万8千t
ダークダミースパークによって菅生ユウカがダークライブしている。
二つある口から炎を吐いて相手を寄せ付けない。
ギンガセイバーによって斬られた大地から吹き上がったマグマに飲み込まれて「焼きを入れられる」形となった。
戦いの後、スパークドールズはヒカル達に回収された。
キングパンドンが今回選ばれたのは「火を吐く」と「二つの頭を持つ=二面性がある」かららしい。

 

誘拐怪人ケムール人(SD)
身長 14cm~30m
体重 150g~1万5千t
教室で起きた火事を鎮火させる為にヒカルがウルトライブし、急いで教室に向かい消火栓で鎮火に成功した。
消化液が炎と激しく反応する為に使う事が出来ず、炎を吐くキングパンドンに対して有効な攻撃手段が無かった。

 

物語
恋に夢にと先の見えない未来に苛立ちを隠せない健太。
そんな時に出会った菅生ユウカと言う存在をきっかけに健太は再び写真を撮る事を決意する。
しかし、ユウカの目的はギンガスパークがある降星小学校を焼き尽くす事であった。

 

感想
健太主演話。美鈴の事が好きだったのだが、美鈴とヒカルの関係を気にして苛立ちを募らせ、それと前後してカメラマンになる夢も捨てようとしていた。
この健太のドラマは今回の話から第5話の「夢を憎むもの」まで続く事となる。
この時点で既にバルキー星人は健太に目を付けていたのだが、まだ直接利用する事は無くて、今回はユウカをヒカルやタロウが寝泊まりしている教室へと入り込ませるのに利用した。

 

銀河神社が火事で焼け落ちてから追跡魔や不審火と言った犯罪が増えて街が物騒になったらしい。
タロウは人の心の闇に付け込む悪しき何者かが事件に絡んでいると語り、それを聞いたヒカル達は怪獣のスパークドールズと闇のスパークを与えて人間の悪い心を利用している存在が街にいるとして、事件の背後に潜む闇の支配者へと注意を向けるようになる。
産業廃棄物の不法投棄や追跡魔、そして今回の放火とそれぞれ立派な犯罪なのだが、それらは犯人だけが悪いのではなくて、その裏で糸を引いている黒幕がいるとされた。

 

今回ゲストの菅生ユウカは降星小学校の卒業生だと名乗って健太達に近付く。
その後も消え行く母校の最後の思い出を写真に撮ってほしいと言って、健太を利用してヒカルとタロウが寝泊まりしている教室へと入り込む事に成功する。
まさかこの「降星小学校の卒業生」と言う設定が後に闇の支配者の正体を知る手掛かりになるとは思わなかった。
学生時代に直接会話を交わす事は無かったとは言え、自分達の敵が母校の先輩だったと言うのはさり気に辛い設定だと思う。
因みに菅生ユウカと言う名前はオリジナルのパンドンが登場した『セブン』の「史上最大の侵略 前編」「史上最大の侵略 後編」に登場した「幽霊怪人ゴース星人」から付けられている。

 

ユウカが服を脱ぐのをタロウが意識する場面は、服を脱ぐ事でタロウの視線を背けさせ、その間に放火の準備をすると言う事。

 

星の降る町」でヒカルがギンガに変身したのを見たバルキー星人は次の「夏の夜の夢」でさっそく追跡魔が変身したケムール人に美鈴を襲わせ、今回は健太を利用してヒカルとタロウが寝泊まりしている教室に入り込み、この後も「アイドルはラゴン」で千草を怪獣にダークライブさせてギンガと戦わせる等、かなり早い段階で勝負を仕掛けてきている。
一方で、この時点では仲間であるはずの友也との意思疎通は上手くいっておらず、ギンガに対してあと一歩のダメ押しが出来なかった。

 

産廃業者や追跡魔と違ってユウカはバルキー星人と行動を共にしている。つまり、闇の存在について分かっているのだ。
『ギンガ』にはダークライブした人間が何人かいるが、いきなりダークダミースパークを渡されてダークライブした者が殆どだったので、ユウカのように事情を理解している者は珍しい。

 

タロウ達は闇の支配者についてまだ何も知らず、タロウはバルキー星人が親玉かと尋ねるが、バルキー星人は自分はエージェントで自分の上に闇の支配者がいる事を喋ってしまう。

 

美鈴への想いが実らないのと連動して写真を撮るモチベーションも低下していった健太。
彼の写真は風景とかではなくて「好きな人を撮りたい」と言うもの。
ユウカと出会った健太は再び写真を撮る目的を見付けたが、ユウカにとって健太は単に利用できる相手でしかなかった。
それを知ったヒカルは健太の夢を踏みにじったユウカに怒りを爆発させるが、ユウカは「世間はそんなに甘くない」「叶いもしない夢なんて見たって後悔するだけ」と答える。しかし、ヒカルは「あぁ、世間は甘くねぇよ……。プロになるのは無理かもしんねぇし、後悔するかもしんねぇよ。でも、それを決めるのは健太だ! あんたじゃない! 人の夢に勝手に見切りつけてんじゃねぇ!」と叫ぶ。
実はユウカの放った火で健太が教室に持ち込んだ撮影機材が燃えたはず。その場面をしっかりと見せてくれたらヒカルの怒りがより伝わったと思う。

 

その頃の友也は街を歩いていて偶然通りがかった千草から小学校が火事だと知らされて現場に駆け付けている。この事からバルキー星人と友也は別々に行動している事が分かる。

 

「世間は甘くない」「叶いもしない夢を見ても後悔する」と言う台詞からユウカも夢で挫折した人間だと分かる。最後に「だって、私、寂しかったんだもん」と言っていたので孤独さも過ちを犯した理由の一つかもしれない。
ただ、ユウカの事情が最後に言葉だけで語られているのでイマイチ伝わりにくい。やはりここは回想場面を用意するか、言葉だけで語るにしてももう少し具体的な話を用意するべきだったと思う。
事件解決後、謝るユウカに健太がユウカのせいじゃないと言う場面もよく分からない。この時点の健太は闇の支配者の存在を知らないのでユウカは単なる放火犯なはず。
今回の話は火の照り返しでユウカの表情が変わるとか、二つの頭を持つキングパンドンで二面性を暗示したりとか、火ばかり扱っていたユウカが最後に涙と言う火を消せる水を流したと言う結末等、面白い要素があったのに全体的に活かせなかった感じ。

 

特撮場面はかなり不満が残る。
まず、ギンガとキングパンドンがどこで戦っているのかが分からない。
学校近くで戦っていたら、健太やカッキーの他、小学校の火事に気付いた街の人達までもが戦いを目撃してしまう恐れがある。『ギンガ』は他の作品に比べて戦闘場面における制約が多いので、その辺りはもっと気を使ってほしかった。

 

どさくさに紛れて友也はタロウのスパークドールズを回収し、そのままジャンキラーに乗って宇宙へ。
「ここは僕の相棒ジャンキラーの中です」。
そう語る友也の手にはダークダミースパークが……。

 

 

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  • 発売日: 2013/06/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー