帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「虹の大地」

「虹の大地」
ウルトラマンX』第22話
2015年12月22日放送(『新列伝』第129話)
脚本 小林雄次
監督 田口清隆

 

虚空怪獣グリーザ
身長 測定不能
体重 測定不能
再生した後、ハイパーエナジーシールドを破壊してオペレーションベースXに保管されている全てのスパークドールズを吸収して第三形態に進化する。
取り込んだ怪獣達の能力を使えるようになるが今回は実体を持っている為に攻撃が通用するようになり、ハイブリッドアーマーのウルティメイトザナディウムとエクスラッガーを続けて受けて倒された。
第三形態のデザインはサクラダファミリアの天井をモチーフにしている。

 

電脳怪獣サイバーゴモラ
身長 40m
体重 2万t
ハヤトのジオデバイザーで実体化したが、グリーザに倒されてしまった。

 

物語
グリーザとの戦いで消滅したエックスと大地。
Xioは以前にエックスを救い出したシステムを使って大地の救出作戦を行う。
一方、爆発したはずのグリーザが再生してしまう。

 

感想
大地を助けに行くアスナに向かって「大くんの事を……頼んだよ」と告げるルイルイ。
明確な描写は無いがルイルイは大地に片思いをしていると言う設定だったらしい。

 

大地の母は研究で15年後の地球には生命の発する電波が無かった事から15年後の地球では全ての生き物が消滅していると推測。しかし、エクスラッガーを手に入れると微かな電波を受信出来るようになった事からエクスラッガーが未来に影響していると考えた。エクスラッガーの存在によって15年後の未来が変わったと言う事なのかな?
結局、大地の両親の行方やエクスラッガーの正体は本編では明らかにされなかった。
田口監督によるとエクスラッガーには「想いを形にする力」があり、大地の怪獣と共生したいと言う想いによってエクスラッガーはダークサンダーエナジーを祓う事が出来るようになり、アスナがエクスラッガーを持って大地への想いを語った事でアスナの所に大地が戻って来て、大地の両親に会いたいと言う想いをエクスラッガーが叶えた事で既に消失している大地の両親が最後に大地に声をかける事が出来たとの事。
う~ん……。設定を聞いた後に本編を見返したらなるほどと思うのだが、この設定を知らない状態で本編を見ても「どうしてそんな都合良く奇跡が起こるんだ?」と思ってしまう。大地の両親の話は第1話から引っ張っていたものなので、もう少し分かり易い答えを見せてほしかったし、エクスラッガーが想いを形にするものと言うのは分かったけれど、どうしてそう言うものが出てきたのかの説明がまるで無いので「なんか都合の良いアイテムがあった」で話が終わってしまうのが残念。

 

再生したグリーザはオペレーションベースXに保管されていた全てのスパークドールズを吸収して第三形態に進化する。
第三形態のグリーザは吸収した怪獣達の能力を使えるのでこれまでより強くなったように思えるが一方で実体化した為に今度は相手の攻撃を受け付けるようになってしまったので実際は弱くなったと言える。
第二形態は数値では表す事が出来ない強さだったが第三形態は数値で表す事が出来る強さに変わったと言ったところかな。
因みにグリーザが実体化したのはエクスラッガーを飲み込んでしまったかららしい。これも本編だけでは分かり難い。エックスを吸収した後にグリーザに攻撃が当たるようになっているので、エックスを吸収したのがきっかけなのは分かるのだけれど、エクスラッガーの正体が謎なので、それがグリーザにどのような影響を与えるのかまでは初見では分からなかった。

 

オペレーションベースXの危機にタケルとチアキも前線に出てくる。
しかし、ジオブラスターやウルトライザーでは光線のエネルギーをグリーザに吸収されてしまう。そこにワタルとマモルがやって来てグリーザにジオマスケッティをぶつけて光線ではなく物質を使ってダメージを与える。
ワタルとマモルは今まで月の裏側にいたらしいけれど、あの状況からよく助かったなぁ。グリーザの目標がスペースマスケッティではなくてスパークドールズだったからかな。
前回からのグリーザの脅威でワタルとマモルの事をすっかり忘れていたので今回の登場場面は驚きと格好良さがあった。

 

「私ね。「怪獣達と共に生きる」って大地の夢、絶対に無理って思ってたの。けど、大地は、いつも真っ直ぐで、どんな時も諦めなかった。今は、私も一緒に夢を追いかけたいって思っているよ。どんな夢も、未来が無きゃ叶わないんだよ。今立ち向かわないと未来なんて来ないんだよ、大地! 一緒にこんな戦いなんて終わらせよう。一緒に無茶な夢を追いかけようよ。だから帰って来て、大地!」。
エックスの存在によって大地は「怪獣との共存」と言う夢を信じ続ける事が出来るようになり、そんな大地の存在によってアスナは夢を信じるようになった。このようにエックスが大地に、大地がアスナに影響を与える一方で、今回の話ではアスナが大地を救い出し、「虹の行く先」では大地がエックスを救い出すと逆の関係も作られているのが上手い。ウルトラマンが人間を超えた能力や技術や経験を持つ存在なのでウルトラシリーズではウルトラマンが人間より上の立場になっている事が多いが、『X』ではエックスと大地とアスナ達Xioメンバーを対等の立場に描いている。

 

エクスラッガーによってアスナの想いが大地を呼び戻し、大地達の記憶と想いの強さがエックスを蘇らせる。
大地「よし! 行くぞエックス!」、
エックス「行こう大地!」、
大地&エックス「ユナイトだ!!」。
そしてエクシードXはエクスラッガーでグリーザの胸のコアを砕き、大地の声を聞いたゴモラ達怪獣はグリーザから飛び出し、怪獣達のサイバーカードが大地のエクスデバイザーに集結して全てのアーマーが合体したハイブリッドアーマーが誕生する!
仮面ライダーシリーズでは登場したフォームを全て合わせた「全部乗せ」があるがウルトラシリーズでも遂に登場。作品終盤に全部乗せフォームが出る展開は好きなので今後も増えてほしいのだが、仮面ライダーシリーズのイメージが強いからかウルトラシリーズでは少ない。(ウルトラシリーズでは全部乗せフォームよりウルトラマン達が合体する方が定番かな)

 

ウルティメイトザナディウムとエクスラッガーを受けて遂に倒されたグリーザ。
実体化する前の無敵っぷりはウルトラシリーズの中でも最強クラスであった。
又、ウルトラシリーズの最終回では侵略者を始めとする意思を持った存在が多く登場する中で、意思を持たない、つまり悪意が無い存在であったグリーザは半世紀に及ぶウルトラ史の中でも異色であった。
しかし、これ、大地とユナイトする前のエックスはどうやって太陽に突き落とせたんだろう……?

 

因みにグリーザの肩書きは「虚空怪獣」となっているが「虚空」には「何も無い空間」の他に「大空」と言う意味もあるらしい。

 

怪獣達と力を合わせてグリーザを倒した大地は両親と再会する。
「よく頑張ったね、大地」、
「良い仲間を持ったな」。
そして大地は仲間達の所に帰って行くのだった。

 

ルイルイ「ねぇ、エックス、次は私とユナイトしよっ!」、
エックス「是非とも!」。
おい! そんな簡単に返事して良い話なのか!?
昭和の頃のウルトラマンは人間と意思疎通をする事自体少なかったが、今のウルトラマンは女の子とこう言う感じに会話が出来るとは時代が変わったなと思う。『X』は設定は原点回帰だがキャラクターの描写等は新時代を思わせるものになっていて、「原点回帰」と言うより「温故知新」と言う感じだった。

 

大地「エックス! 最高のユナイトだったね」、
エックス「あぁ、大地、空を見てみろ」。
大地が見上げると大空に虹が……。

 

この後の『新列伝』は第130話「絆でひとつになる世界」で『X』の総集編が放送され、その後はラボチームによってこれまでのウルトラ作品の紹介がされている。
そして第155話「グランドフィナーレ! ウルトラ戦士よ永遠に!」でゼロ、ギンガ、エックスと言った『列伝』『新列伝』で放送された新作の主人公3人が集結。歴代ウルトラマン達が紹介された他、2014年にマレーシアで誕生したウルトラマンリブットが国内作品に初めて登場した。この話をもって5年に亘る列伝シリーズは終わりを迎え、ウルトラシリーズはまた新たなステージに進む事となった。

 

 


【監督コメント付!】『ウルトラマンX』次回予告 第22話「虹の大地」 (新ウルトラマン列伝 第129話 次回予告)

 

 

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