帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「戦士の使命」

「戦士の使命」
ウルトラマンZ』第15話
2020年10月3日放送(第15話)
脚本 吹原幸太
監督 田口清隆

 

ペガッサ星人ペガ
身長 160cm
体重 55kg
ネオ・ブリタニア号でリクと一緒に宇宙各地で混乱を起こしているデビルスプリンターを処理している。

 

ウルトラマンジードギャラクシーライジン
身長 51m
体重 4万6千t
宇宙各地で混乱を起こしているデビルスプリンターを処理していたが地球の異変を感じて急いで戻ってきた。
宇宙の穴を塞ぐ針を手に入れる為に自らグリーザに取り込まれる。
その後、デルタライズクローによってグリーザと分離させられ、グリーザが倒されると、自分が持っていたウルトラメダルをハルキに渡して再び宇宙に旅立った。

 

合体怪獣トライキング
身長 75m
体重 4万5千t
グリーザに苦戦するゼットとジードを手伝う為にジャグラーが変身した。

 

超合体怪獣ファイブキング
身長 75m
体重 5万5千t
トライキングにレイキュバスとガンQを加えてパワーアップした姿だが、それでもグリーザには勝てなかった。

 

虚空怪獣グリーザ
身長 測定不能
体重 測定不能
ブルトンが消滅した事で宇宙に穴が開いて出現した。
世界を無に飲み込む恐れがある怪獣。
ジードを同化させた事でジードの中のベリアル因子が無の世界に触れて宇宙の穴を縫う針ベリアロクが誕生し、ベリアロクのデスシウムスラッシュで倒された。

 

物語
地球で「虚空振動」が大きくなっている事を知ったリクは急いでハルキに連絡を入れる。ブルトンを倒した事で宇宙に穴が開いて虚空怪獣グリーザが出現したのであった。

 

感想
巨大な宇宙を成立させる為には様々な不条理を引き受けるブルトンのような歪みが必要で、それが消滅した事で宇宙に穴が開いてグリーザが出現したとの事。
ウルトラシリーズでは続き物には色々な形があるが「ある怪獣が別の怪獣の出現に関わる」と言うパターンは意外と少ない気がする。

 

それにしてもブルトンがそんなに凄い怪獣だったとは……。
確かに他とは一線を画す能力ではあるし、『大怪獣バトル』以降のウルトラシリーズ全体の流れに大きく関わるほどの重要怪獣ではあるのだが、宇宙の成立にまで関わるレベルとは思わなかった。
後付けではあるがこんな設定を持つ怪獣を普通に倒した初代マンってやっぱり怪獣退治の専門家だったんだなぁ。

 

ヘビクラ隊長もグリーザの事を知っているのかウインダムで出撃しようとするヨウコを強い言葉で止めている。
ニュージェネレーションシリーズではマルチバースを取り入れているのでブルトンやグリーザは「危険極まりない存在と言う事が別宇宙の人間にも知られている」となって、昭和の頃にあった「宇宙中に知られている存在」を超えて「別の宇宙にも知られている存在」とより注目度と危険度が上がっている。

 

『X』では無かったグリーザによる市街戦が実現。ブルトンとの戦いの直後で復興中だからか人があまりいなくて良かった。それでも最低11人の死者が今回は出ているのだが……。(実際はコロナ対策で一般人をあまり用意できなかったのだろうな)

 

不条理の塊であるガンQの能力でも吸い込む事が出来ないグリーザってマジでヤバいな……。

 

ゼット「先輩(ジード)のウルトラヤバい父親ウルトラマンベリアルの……」。
あれ? ゼットってジードとベリアルの関係を知っていたの? 知っているのに「帰ってきた男!」でジードがベリアルを倒した事をあのテンションで説明していたの!?

 

ゼットとハルキのインナースペースでの会話を聞いていたジャグラー。「地獄耳だから」と説明していたがインナースペースの声が外に漏れる仕組みになっているとは思えないのでダークゼットライザーを使って聞いたと考えられる。

 

セレブロの秘密基地に突入するジャグラーとハルキ。
ジャグラーセレブロやカブラギの事をよく知っているが、セレブロジャグラーの事をよく知らないと言う情報量の違いがここにきて両者の優劣を決める事となった。
ジャグラーと違ってカブラギは普通の人間でセレブロ自身にも戦闘力が無いので、このように直接攻め込まれるとセレブロは対処できないところがある。(だから危険を感じる時はバリスレイダーを予め用意しているのだろう)

 

グリーザが出現したのはセレブロが地球にブルトンを持ち込んだからであるがグリーザの出現で地球が消滅の危機になってもセレブロは特に関心が無さそうであった。セレブロはグリーザ出現を予定していたのだろうか? それとも予想外であったのだろうか?

 

ウルトラゼットライザーにセットされるのを拒むベリアルメダル。『オーブ』の時もだったがこういう時は本当に面倒くさいと言うか大変な人である。息子の時は抵抗無く力を貸してくれたのに。

 

ジードのギャラクシーライジングってグリーザを思い出すデザインだなぁと思っていたらまさかギャラクシーライジングがグリーザと同化するとは思わなかった。
人間らしさを排したグリーザが腕を十時に組むと言うウルトラマンの動きをしたのは意外性があって結構衝撃がある。

 

宇宙の穴を塞ぐにはそれを縫う針が必要。しかし、その針は穴の中にしかないとしてジードはグリーザと同化。結果として、ジードの中のベリアル因子がグリーザの中の無の世界に触れてベリアロクと言う新しい宇宙の針が生まれる。
理屈としては分かるのだが、それでもベリアルの顔が付いた剣が出てくる絵のインパクトが凄まじすぎる。

 

ゼロビヨンド、ジード、ベリアルアトロシアスと言う『ジード』関係の組み合わせで誕生したデルタライズクロー。
拳法とスピードのアルファエッジ、パワーと肉弾戦のベータスマッシュ、超能力のガンマフューチャーと言う既に登場している三つのタイプとどう差別化していくのかなと思ったら今回はベリアロクと言う専用武器が与えられる事となった。
これまでも専用武器を持ったタイプはあったがデルタライズクローの面白いところは専用武器であるベリアロクとの会話があると言うところであろう。喋りが一つの特徴となるタイプとはゼットならではだなと思う。

 

ライバル同士のメダルが共鳴してどちらもパワーアップすると言うのが実にゼロとベリアルらしい。

 

勝手に動くベリアロクにゼットは怒るがハルキは「これから一緒に戦っていくんだから挨拶ぐらいしないと失礼ですよ」と言ってベリアロクに挨拶をして、「俺様を手にしてお前は何をする?」と言うベリアロクの問いに「宇宙の穴を塞ぎましょう!」とハッキリと答える。
ベリアロクとベリアルは別人ではあるが、ベリアルもこういう真っ直ぐで分かりやすい人物は嫌いじゃなさそうな感じがする。(実際、『DARKNESS HEELS -Lili-』のリリもこの系統のキャラだし)

 

ヒカリがジードライザーを直したのでジードがギャラクシーライジングに使用していたギンガ、エックス、オーブのウルトラメダルがハルキに渡される。
「困った人達がいればどこにでも駆けつけて彼らを守る。それが僕達ウルトラマンの使命ですから」と言うリクの言葉を聞いたハルキは「ウルトラマンの使命か……」と決意を新たにする。
前回の「四次元狂騒曲」でハルキは「自分の手が届く範囲で守りたい人を全力で守る」と言う答えを見付けたが、その直後の今回の話で手が届かなくて守りたかったリクを守れないと言う辛い展開が起きてしまった。しかし、最後はウルトラマン達のメダルによってリクを守る事が出来た。つまり、「最初は手が届かなかったがウルトラマン達のメダルの力で二度目は手が届いた」となったのだ。ウルトラマンの力があれば自分の手が届く範囲が今よりも広がって守れる人が増える。ハルキはウルトラマンと言う生き方を少し意識するようになるのであった。

 

リクはデビルスプリンターを探しに別の宇宙に。
ジード』の「キングの奇跡! 変えるぜ! 運命!!」でベリアルがジードに向かって「俺をどれほど否定しようとお前はベリアルの息子! 生きている限り俺の名前からは逃れられん」と言っていたが実際にリクの人生にベリアルの影が関わり続ける事となった。(因みにリクは「逃げるつもりは無い!」と返していた)
息子のリクが父親ベリアルの影を常に感じる人生を送っている一方で父親のベリアルは『DARKNESS HEELS -Lili-』ではあまり息子を意識しないで自由に生きている。ベリアルらしいと言えばらしいかな。

 

今回の話を振り返ってみたらリクとハルキ達が顔を直接合わせる場面が無かったが、やっぱりこれもコロナの影響だったのかな。

 

今回はかつてグリーザを倒したエックスについての言及は無かった。
なんとなくだがエクスラッガーも今回のベリアロクのような宇宙の針の一種だったのかな。

 

 

 

 

「最強の姿!」
ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』第15回
脚本 足木淳一郎
CG 渋谷怜央加
編集 坂口俊昭

 

ゼロとゼットの関係が一歩前進した回。

 

それにしても最強候補のタイプがこんなにあるとはさすがはゼロ。