帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「僕が僕であること」

「僕が僕であること」
ウルトラマンジード』第6話
2017年8月12日放送(第6話)
脚本 三浦有為子
監督 市野龍一

 

ベリアル融合獣サンダーキラー
身長 53m
体重 5万2千t
今回の目的はリトルスターではなくてジード(リク)となっている。
ライトニングキラーカッター、サンダーデスチャージ、サンダークロー、サンダーテール、キラーリバースを使ってジードと戦う。
最初の戦いではジードを圧倒するがゼロが現れたのを見て一時退却する。二度目の戦いではジードクローのディフュージョンシャワーで倒された。

 

ウルトラマンベリアル
身長 55m
体重 6万t
伏井出ケイから状況の報告を受け、伏井出ケイに力を与える。

 

物語
些細な事で喧嘩してしまったリクとレイトの生活を入れ替える事になり、リクはサラリーマンとして一日を過ごす事になる。
「仕事は終わるまで続く。体力の限界が来てもカラータイマーは鳴らない……」。

 

感想
これまで様子見していたゼロが本格的にリク達と絡むようになる。
仮面ライダー同士は戦う傾向にある平成ライダーだとゼロがジードをベリアルと間違えてぶん殴ったところで次回に続くとかありそうだが、ウルトラマン同士は協力する傾向にあるウルトラシリーズなのでゼロはしばらくジードの様子を見て信じて良いと判断してから本格的に絡む事となった。
登場したばかりの頃は問題児だったゼロも様々な経験を積んで落ち着いてきた。

 

今回はリクとレイトがそれぞれの生活を入れ替える話で、リクはサラリーマンの仕事に追われ、レイトは戦う為のトレーニングに音を上げる。
これまでのウルトラシリーズでは大体の主人公が特別チームに入隊していて書類関係の仕事や体を鍛えるトレーニングをやっていた。『ジード』は従来の特別チームが無いので、レイトがサラリーマンとして書類関係の仕事を、リクがライハの指導の下でトレーニングを行うと、これまでの主人公がやっていた事を二人で分けてやる事となった。

 

因みにリクは本来の姿から地球人へと姿を変えている変身型のウルトラマンで、レイトはゼロと一心同体になった一体化型のウルトラマンと、これまであったウルトラマンのタイプを二人で分けて担当している。

 

怪獣出現のニュースが流れているのに普段と変わらず家を出るルミナとマユ。
緊急事態に何をしているんだ?とツッコみたくなるが、東日本大震災新型コロナウイルス流行時の様子を見るとこれがリアルなのかもしれない。

 

シャプレー星人のシャプレーメタルを参考に作られたブローチを付ける事でリクの姿を周囲の人間にはレイトに見せる事が可能となる。
このブローチは『セブン』の「地震源Xを倒せ」でシャプレー星人が使っていた物。これはまたマニアックなものを拾ってきたなぁ。

 

ゼロに変身した時にレイトは凄い高揚感を味わっていた。
『帰マン』の郷秀樹のようにウルトラマンと一体化した人間がその力に溺れてしまう事があるが、彼らも今回のレイトと同じ状態だったのかもしれない。

 

レイトが仕事を頑張れるのは守りたい大切なものがあるからとして家族の姿を見せる。それを見たリクは自分にはそれも無いと返すが、レイトは以前の自分にも無かったと答える。
確かに妻や子供は基本的には自分で見付けて手に入れるもの。リクには親と言う家族はいなかったが、これから新たな家族を自分で見付けて手に入れる事は出来る。

 

レイトはリクに向かって「僕達は身近な人を大切に思うから世界を守りたいと思う。君は世界を守る中で自分の大切なものを探していく。そう言う運命を担っているのかも」と告げる。
この「大きな目的の中で大切なものを見付ける」と言うのは『列伝』の第103回でウルトラマン達の戦いを見たベリアルが辿り着いた答えと似ている。ただし、レイトの話が「守る事」についてだったのに対し、ベリアルは「強さを得る為に守るべきものを見付ける」と「守る事」はあくまで手段で最終目標は「強くなる事」であった。

 

レイトの話を聞いたリクはサンダーキラーとの戦いで「必ず見付けてみせる! 自分の大切なものを! それまでこの世界を壊すわけにはいかないんだ!」と決意。
リクの決意に機は熟されジードクローと言う武器が与えられる。
これまで「皆にヒーローとして認められたい」と言う思いで戦っていたリクが「自分の大切なものを見付ける為、その大切なものがある世界を守る」と言う新たな思いで戦うようになった。
尚、今回の話でリクが「壊さない」と決意したこの世界はかつてベリアルによって壊されかけたものだったりする。
因みに「クロー」は「爪、鉤爪」と言う意味がある。ひょっとしたら、ジードクローはベリアルの爪をイメージしたものなのかもしれない。

 

「武器を使うには使う人間にそれ相応の器がいる。どんな名刀も小さな器の人間が使ったら棒以下よ」。
ライハ役の山本千尋さんが実際にアクションが出来る人なので、こう言う台詞も彼女が言うと説得力が格段に増す。

 

サンダーキラーは怪獣のエレキングと超人のエースキラーが融合しているので怪獣っぽさと人間っぽさが混じり合ったところがある。個人的にベリアル融合獣の中でも一番好きなデザイン。
レッドキングゴモラエレキングと言う有名怪獣に続いてエースキラーがベリアル融合獣の素材に選ばれているが、今回の目的がジードと言うウルトラマンなので対ウルトラマン用の存在であるエースキラーが選ばれたのかな。

 

 

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