帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「陛下のメダル」

「陛下のメダル」
ウルトラマンZ』第7話
2020年8月1日放送(第7話)
脚本 林壮太郞
監督 坂本浩一

 

ウルトラマンゼロ
身長 49m
体重 3万5千t
シャイニングウルトラマンゼロに変身してシャイニングスタードライヴで時間を逆行させてワームホールから脱出した。
ゼットとジードと協力してベリアル融合獣を倒すとゼットに地球を任せて光の国に帰還した。

 

ペガッサ星人ペガ
身長 160cm
体重 55kg
離れ離れになっていたリクを見付けると宇宙各地でデビルスプリンターの影響を受けた怪獣達が暴れている事を報告した。

 

ウルトラマンジードギャラクシーライジン
身長 51m
体重 4万6千t
セレブロにベリアル因子を奪われてベリアルの怪獣メダルを作られてしまう。
ゼットと共にセレブロが変身したベリアル融合獣と戦い、最後は駆けつけたゼロも含めて3人でベリアル融合獣を倒した。
戦いの後、ハルキとゼットに地球を任せて宇宙各地で混乱を起こしているデビルスプリンターに対処する為に旅立っていった。

 

アンドロイド兵バリスレイダー
身長 2m
体重 130kg
セレブロがリクの中にあるベリアル因子を手に入れる為に派遣した。
リクを捕らえてベリアル因子を手に入れる事に成功するがゼット達とジャグラーによって全滅させられた。

 

ベリアル融合獣スカルゴモラ
身長 57m
体重 5万9千t
セレブロがリクから取り出したベリアル因子で作ったベリアルメダルとゴモラメダルとレッドキングメダルを使って変身した。

 

ベリアル融合獣サンダーキラー
身長 53m
体重 5万2千t
セレブロがベリアル、エースキラーエレキングの怪獣メダルで変身した。

 

ベリアル融合獣ペダニウムゼットン
身長 65m
体重 5万4千t
セレブロがベリアル、ゼットン、キングジョーの怪獣メダルで変身した。
最後はゼット、ジード、ゼロの光線を同時に受けて倒された。

 

物語
リクをさらったセレブロはリクからベリアルメダルを作り出す事に成功する。
セレブロが変身するベリアル融合獣に苦戦するゼットとジードのところにゼロが駆け付ける!

 

感想
何日もご飯を食べていなかったリクはストレイジカップ麺を頂く事に。
一般人でありながらギルバリスのコアと戦っていたリクの正体をヨウコ先輩とユカが尋ねるがジャグラーは「色々な怪奇現象に関する情報を動画サイトに上げる的な活動をしている」とフォローする。もちろんこれは『オーブ』の「SSP」が元ネタ。それを受けてリクは「「チャンネルAIB」と言うのを設立してさすらっています。言うなれば風来坊です」と答える。

 

そう言えば、ハルキはリクがこの地球の出身ではない事を知っているのだが、そうなると、どうしてヘビクラ隊長はリクのフォローをするのだろうか?と言う疑問が出てきそうなのだが……。

 

ストレイジのメインルームにバリスレイダーが襲撃してハルキ達が応戦する。こういう生身アクションがあると坂本監督回だなぁと感じる。
ただ、まぁ、後半のゼットとヨウコ先輩のダンスしながらのバトルはやり過ぎな感じがした。『Z』っぽくないと言うか。

 

隊員に変身したバリスレイダーを「怪しすぎる」としていきなり蹴り飛ばすヘビクラ隊長。正体が明らかになったバリスレイダーを見て「隊長の勘ってやつかな」と語る。
本当は宇宙人の能力で相手の正体に気付いたけれどそれを「勘」と誤魔化すのはウルトラマン達がよく使う手段。何だかんだ言いながらジャグラーのやっている事はウルトラマン達に近かったりする。そもそも「宇宙人が正体を隠して特別チームに所属する」と言うのがウルトラマン達の常套手段であるし。

 

セレブロの目的はリクの中にあるベリアル因子を取り出す事。
それを知ってリクは「やめろ! ベリアルを安らかに眠らせてやってくれ!」と訴える。
ウルトラシリーズに限らず人気キャラクターはどうしても何らかの形で再登場する事になる。ベリアルも例外ではなく『ウルトラ銀河伝説』でゼロに倒された後も何度か復活している。『ジード』でリクと決着が付けられた後はベリアルそのものは復活していないが今回のベリアル因子のようにベリアルの力が使われる事は何度もあった。
因みに映像作品とは別に舞台や漫画で展開されている『DARKNESS HEELS』ではベリアルが意外な形で復活を果たしている。

 

緊急事態と判断したゼットはハルキの肉体を強引に操ってオリジナルに変身する。こんな事が出来るとは驚き。過去の作品でも「一体化している人間が気絶しているので今回はウルトラマンの意思で変身したのかな?」と思える話があったがこんなにハッキリとウルトラマンが人間の意思を押しのけて変身する場面は無かったと思う。と思ったら師匠のゼロがタイガやレイト相手にやっていた……。

 

今回の人間大のゼットは50秒間しか活動できないらしい。
巨大化していないのでエネルギー消費が少なさそうなのだが、ゼットはいつもはウルトラゼットライザーに3枚のウルトラメダルを装着して変身しているので、ウルトラメダル無しでの変身は今のゼットにはイレギュラーで負担が大きくなるのだろう。

 

人間大のゼットと会えたヨウコ先輩は「どうしよう。自分が天然だって誤解されちゃったら……」と心配するが、おそらく見ている視聴者の殆どが「ゼットの方が天然だから大丈夫だ」と思っていそう。

 

セレブロが「ゴモラ」や「レッドキング」と言った名前ではなく「古代怪獣」や「どくろ怪獣」と言った肩書きを呼ぶところに彼が怪獣を生物ではなくゲームの駒として見ている感じがする。

 

セレブロがよく呟く「キエテ・カレカレータ」は「私は良い気分だ」と言う意味らしい。元ネタはもちろん『初代マン』の「侵略者を撃て」に登場した宇宙語の「キエテ・コシ・キレキレテ(僕・君・友達)」から。
地球以外の言語が出てくるとSF作品らしさが増すので宇宙語は今後も出していってほしい。

 

ハルキとリクのW変身!!
今回は変身アイテムが同じなので二人とも殆ど同じ台詞と動きをする事になるのだが、それが逆に二人の細かな違いを際立たせていた。

 

ゼット達とベリアル融合獣の戦いは凄かった!
坂本監督はスピーディーでテンポの良いアクションが得意なのだが、それを巨人と怪獣でやると巨大感が損われる事があったのだが、今回はアングルや見せ方を工夫する事でスピーディーでありながら巨大感も出ている戦闘シーンが作られた。正直言って最初に見た時は「これ、一体どうやって撮影したんだ!?」と衝撃を受けた。

 

「俺の弟子を名乗るなら根性見せやがれ!」と言って駆け付けてくるゼロ。
ゼットが自分の弟子を名乗る事に対して第1話の「ご唱和ください、我の名を!」では殆ど完全に拒否していたのだが今回は「それならもっと根性を見せろ」と条件付きだが認めるようになっている。

 

ジードの成長を喜ぶゼロを見て「師匠! 俺は? 俺は?」と食いつき、「どれだけ強くなったのか見せてみろ!」と言われてやる気を出すゼット。なんかメチャクチャ懐いてくる子犬のようで可愛かった。

 

今回は夕焼けの戦いなので赤いカラータイマーがいつもより目立つ戦いとなった。
こうして見るとゼットのカラータイマーの自己主張が凄い。
光の国のウルトラマンのカラータイマーは初代マンのようなオーソドックスなものが殆どなのだが、光の国以外のウルトラマンであるビクトリーやエックスの影響を受けて丸以外のカラータイマーが欲しくなったのだろうか?

 

セレブロに寄生されているカブラギを見てヘビクラ隊長は体調不良者かと思って不用意に近付いてしまう。この頃のジャグラーにしては珍しいミスであったが、ひょっとしたらセレブロは人間に寄生している時は宇宙人的な気配を消す事が出来るのかもしれない。

 

リクとの再会に喜ぶがハルキの存在に気付いて慌てて離れるペガの動きが完全にヒロインのそれであった。

 

自分の中のベリアル因子からベリアルメダルが作られたリクはこの地球に留まろうとするが、ハルキは自分とゼットが地球でデビルスプリンターを悪用する奴を懲らしめるから大丈夫と宣言。その言葉にリクはこの地球をハルキとゼットに任せる事にする。
これまでのハルキの戦いは地球の防衛組織ストレイジとしての使命の延長的なところがあったが、今回の話でストレイジとは別に光の国の宇宙警備隊の使命を受け持つ事となった。
光の国のウルトラマン達と関わるようになるのはニュージェネレーションシリーズらしいのだが、ジャグラーの目的を考えると、ヘビクラ隊長(ジャグラー)の部下であるハルキが光の国の宇宙警備隊の正義に共感して与する展開は不穏なものを感じる。

 

因みに『Z』本編でのゼロの登場は今回の話までとなっている。出来れば最終回くらいは出てほしかった。
地球での戦いを終えたゼットとゼロの話は『ウルクロZ』で描かれていて二人の師弟関係においてかなり重要なやりとりがあるのだが、残念ながらクロニクルシリーズはソフト化されず配信サイトでも一定期間しか配信されないので現在は見る事が出来ない。
『R/B』『タイガ』『Z』と主人公やヴィランが過去のウルトラマンと深い関係があると示されていながらTV本編ではその過去のウルトラマンが殆ど出てこない事がある。クロニクルシリーズや劇場版やボイスドラマやギャラファイシリーズ等で補完はされるのだが、やはりTV本編で描いてほしいなぁと思う話が結構ある。

 

 

人間大のゼットの写真はヨウコ先輩の装備に撮影機器があったと言う事なのかな? そう考えるとハルキの装備にも撮影機器があった恐れが出てくるが……。

 

 

「時間よ戻れ」
ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』第7回
脚本 足木淳一郎
CG 渋谷怜央加
編集 坂口俊昭

 

ギャグシーンだがウルトラマンが自分の目的の為に嘘を吐くって中々見られない場面。ゼットやゼロだから許される感じ。

 

「なんて真っ直ぐに我が儘を言う奴なんだ……」。
ゼットのキャラクターを的確に示した言葉であるw

 

シャイニングスタードライヴによる時間の巻き戻しをウルトラマン達は認識できるらしい。周りに認識されるのなら時間を巻き戻す意味ってあまり無いんじゃ……。『ゼロファイト』の「輝きのゼロ」の時のように仲間の死を取り消せるのなら大いに意味があるが、今回の話だと「ゼロは適当な事を言って都合が悪くなったので時間を巻き戻した」と言う情報をゼットに与える事になるので余計に状況が悪くなってしまった。

 

それにしても「ゼットの師匠であるゼロ」がこんな簡単に時間を巻き戻してしまうとは……。ウルトラシリーズでこんなに軽く時間移動を扱ったのって「ゼットの名付け親であるエース」の「タイムマシンを乗り越えろ!」以来だぞ。