帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「星の魔法が消えた午後」

「星の魔法が消えた午後」
ウルトラマンタイガ』第11話
2019年9月14日放送(第11話)
脚本 小林弘利
監督 辻本貴則

 

サラサ星人麻璃亜
ヒロユキが出会った「魔法使い」。
ギマイラを制御する事が出来る存在としてオショロに狙われる。
ギマイラの影響で魔法が使えなくなってしまった。

 

宇宙怪人ゼラン星人オショロ
身長 170cm
体重 70kg
購入したギマイラを制御する為に魔法使いの麻璃亜を狙う。

 

地底怪獣パゴス
身長 30m
体重 2万t
地底から突然現れた謎の怪獣。
分子構造破壊光線や螺旋掘削光線を撃ち、ヘルスラッシュも弾く硬い表皮を持つ。
タイガとタイタス相手に優勢に戦うが、フーマによって表皮が柔らかい腹部を光波剣・大蛇で切り裂かれて倒された。

 

吸血怪獣ギマイラ
身長 59m
体重 5万2千t
パゴスが倒された直後に地底から現れた謎の怪獣。
世界から夢を見る力(魔法)を奪った真犯人であった。

 

物語
仕事帰りにヒロユキは不思議な能力を使う女性と出会う。
その女性・麻璃亜は自分の事を「魔法使いだった」と語る。

 

感想
今回が「星の魔法が消えた午後」で次回が「それでも宇宙は夢を見る」と最近のウルトラシリーズでは珍しく長いサブタイトルとなっている。
第1期ウルトラシリーズや平成三部作では短いサブタイトルが多かったのでウルトラシリーズのサブタイトルは短い印象があるが自分は長いサブタイトルも結構好き。

 

まさかの魔法使いが登場。
今回の話では『80』のギマイラが再登場するのだが『80』の湯浅監督は大場久美子さん版の『コメットさん』も担当していた。自分は『コメットさん』のシリーズは見ていないのだが、魔法使いのコメットさんは宇宙から来たと言う設定になっているらしい。

 

「木が人を襲う」と言う怪奇現象について何の情報も持っていなかったタイガにヒロユキが「ウルトラマンなのに知らないの?」と言ったり、オショロと麻璃亜を追いかけるヒロユキにタイガが「足が遅すぎる!」と言ったりと人間とウルトラマンのズレがちょこちょこ描かれていた。

 

『タイガ』に登場する宇宙人はシリアスなキャラクターが多かったので今回登場したオショロのどこかコミカルなキャラクターは印象に残った。

 

斧を使うホマレ先輩が似合いすぎるw
アレを持ってオショロと戦った時はとんでもないグロ展開になるんじゃないかと冷や冷やした。
それにしても宇宙人に襲われた女性と一緒にいたからとは言え病院の中にまで斧を持ってきても大丈夫だったのだろうか?

 

麻璃亜によるとどの星の生き物も多かれ少なかれ宇宙に満ちる魔法と共鳴しているとの事。ウルトラシリーズでは地球人は特殊な能力を持つ人があまりいないが、それは魔法と共鳴できる人が少ないと言う事なのかな。

 

今回登場する怪獣はパゴスとギマイラ。
1966年に放送されたシリーズ第一作の『Q』に登場した怪獣と1980年に放送された昭和TVシリーズ最終作の『80』に登場した怪獣が同じ話に出ると言うのが今のウルトラの面白いところ。

 

今回の話でギマイラと一緒に出た怪獣はパゴスだったが、これがラブラスだったら次回がとんでもない鬱回になるところだった。

 

パゴスとの戦いでちゃんと竹林があるのが良かった。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第11話「星の魔法が消えた午後」 "ULTRAMAN TAIGA" episode11 Preview + Director interview !!

 

 

「負け犬の子 後編
『トライスクワッド ボイスドラマ』第11回
挿絵 後藤正行
文芸 鶴田幸伸
演出 足木淳一郎

 

かつてのタイタスはウルトラマンに変身した後の姿に負い目を感じていて、今のフーマはウルトラマンに変身する前の姿に負い目を感じていると言う事か。
以前にフーマ自身が言っていたが、外見の話と言うのはかなりデリケートな問題を孕んでいるので、ボイスドラマとは言えウルトラシリーズと言う子供向け作品でこの問題を取り上げたのは驚きであった。

 

O-50の戦士の頂は「装置」なんだよね。輪には明確な基準があって、その基準に合わせて力を与えてるだけ。メッセージを発する事もあるが、心を持った存在ではなく、ミッションに必要な情報を伝える機能が備わっていると言う感じがする。

 

戦士に頂に選ばれる理由をフーマやゲルグは外見の問題と考えたようだけれど、おそらくフーマが何だかんだ言っても自分と言う存在を完全否定はしていなかったのに対して、ゲルグはどこかで自分と言う存在を否定し色々と諦めていたところがあったような気がする。

 

ゲルグが戦士の頂に来た者達を襲った理由は語られなかったが、もし自分が選ばれなくて他の人間の姿をした者が選ばれたら「外見が化け物の自分はウルトラマンにはなれない」と言う事実を突き付けられてしまう事になるので、その事実を見ないようにする為に自分以外の全ての者をウルトラマンにしないようにしたのかもしれない。
ゲルグは悟っているように見えて言葉の端々に外見に対するコンプレックスが表れていた。もしゲルグが他の人間を襲った理由が自分のコンプレックスを見ないようにする為であったとしたら、残念ながらゲルグはウルトラマンになる資格が無いと言える。
ゲルグが自分の外見にコンプレックスを抱いていたのに対し、フーマはそんなゲルグと出会った事で他人の姿に対して気を付けるようになった。ゲルグ本人はウルトラマンになれなかったが、フーマがウルトラマンになれたのはゲルグと言う存在がいたからであったと言う事が出来る。

 

ジャグラーやサキやゲルグがウルトラの力を与えられなかったのは戦士の頂が彼らの問題を見抜いていたからと言えるが、一方でウルトラの力を得られなかった為に彼らは大きく歪んでしまったとも言える。
今回のフーマもだが、ウルトラマンの変身者の中にはウルトラマンになる前は色々と問題を抱えていた人物もいるので、ジャグラー達もウルトラの力を得ていたら今とは大きく変わっていた可能性がある。

 

それにしても装置に過ぎない戦士の頂の輪はまだしも星間連盟は滅ぼした方が良いだろう、さすがに……。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第11回「負け犬の子 後編」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 11

 

 

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