帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「地底への挑戦」

「地底への挑戦 ー黄金怪獣ゴルドン登場ー
ウルトラマン』制作第29話
1967年1月29日放送(第29話)
脚本 南川竜・金城哲夫
監督 野長瀬三摩地
特殊技術 高野宏一

 

黄金怪獣ゴルドン
身長 65m
体重 6万t
日本一の埋蔵量を誇る太田山金鉱から現れた黄金の肌を持つ怪獣。
地上より地中の方が速く、ベルシダーの3倍の速度で地中を移動する。
光に弱く、ベルシダーの光線銃を受けて地上に出たところをコロナ弾とスーパーガンで倒された。
実は2匹いて、2匹目もベルシダーの地底魚雷を受けて地上に出たところをスペシウム光線で倒された。
名前の由来は「ゴールド」から。

 

物語
日本一の埋蔵量を誇る太田山から金が採れなくなった。原因は怪獣ゴルドンだ。
科特隊は地底戦車ベルシダーを出動させる。

 

感想
イデ隊員の発明ではマルス133の方が有名だが「科特隊宇宙へ」はマルス133が無くても話は成り立つ。しかし、今回は地底戦車ベルシダーが無くては話が成立しない。つまり今回は怪獣ではなくて発明品によって成立した『ウルトラマン』唯一の話だと言える。

 

ゴルドンは一つの着ぐるみで2体の怪獣を登場させたアイデアが上手かった。途中にあった尻尾の伏線も見事。
ところでゴルドンによって室生町は全滅したらしい。画面には出てこなかったが実は今回の被害は『ウルトラマン』の中でもトップクラスだったのかもしれない。

 

金に取り憑かれた男はよく考えたら可哀相だった。
太田山の金鉱を見付けたのにゴルドンに金を食べられて山は廃坑になってしまった。おそらく生活とかも大変になってしまったのだろう。それなら、あれだけゴルドンや金に執着したのも分かる。
因みにムラマツキャップは「金は全部お前の物」と言っていたが、最終的に金は科特隊によって室生町の復興資金に充てられたらしい。金に取り憑かれた男が文句を言いそう……。

 

今回はムラマツキャップとイデ隊員は地底に閉じ込められてフジ隊員は地上で負傷すると科特隊では珍しく危機であった。

 

ゴルドンを倒したウルトラマンはムラマツキャップ達の救出に向かう。「オイルSOS」に続いてクライマックスを怪獣退治ではなくて人命救助にした事でウルトラマンに戦い以外の存在理由が与えられている。

 

今回の話は野長瀬監督の『ウルトラマン』監督最終作となっている。