「宇宙船救助命令 ーサイゴ キーラ登場ー」
『ウルトラマン』制作第38話
1967年4月2日放送(第38話)
脚本 上原正三
監督 円谷一
特殊技術 有川貞昌
砂地獄怪獣サイゴ
身長 45m
体重 4万t
Q星に棲む怪獣。
口から砂煙を吐く。
キーラと戦うも苦戦を強いられ、その後、科特隊のスペースタンクのミサイル攻撃で倒された。
『ウルトラマン』で最後に作られた着ぐるみなので名前の由来は「最後」から。
光熱怪獣キーラ
身長 40m
体重 2万t
サイゴと同じくQ星に棲む怪獣。
目を閉じる事で光を溜め、強烈な光で相手の目を潰す。
八つ裂き光輪を尻尾で弾き返し、スペシウム光線にも耐える強豪だったが、ウルトラサイコキネシスに敗れた。
物語
プロスペクター計画中に謎の光で宇宙ステーションV2との連絡が取れなくなってしまう。
宇宙船救助命令を受けた科特隊は宇宙船・白鳥で宇宙へ行く。
感想
ほぼ全編に亘って宇宙やQ星と言った地球以外の場所が舞台になっている話。
撮影が大変だからか、昭和のウルトラシリーズでは地球以外の場所を舞台にした話はかなり少なくて、アニメ作品の『ザ☆ウルトラマン』を除けば数回しかない。平成になるとCGの導入もあって実写でも宇宙を舞台にした話が多くなり、『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』以降は話の舞台を地球に限らない作品も増えてきた。
「科特隊宇宙へ」と違って今回の科特隊は宇宙関係の装備が充実している。
宇宙ステーションV2やプロスペクター計画による太陽系開発と今回は『ウルトラマン』では珍しく宇宙に目を向けた話になっていて、次作である『ウルトラセブン』への動きを感じる。
スパイダーショットの10倍の威力を誇るニードルS80であるが、マルス133やQXガンのように怪獣を倒していないので印象は薄め。
危機に陥った時にムラマツキャップはハヤタ隊員に全幅の信頼を寄せていて、改めてハヤタ隊員が科特隊のサブリーダーである事が分かる。
サイゴはキーラとの戦いを見るとそれほど弱い怪獣とは思えないので、そんなサイゴを倒した科特隊はやはり強くなったのだと考えられる。
今回は地球以外の星が舞台になって新兵器が次々と登場するのが「科特隊宇宙へ」、時間制限が課せられた救出作戦が「海底科学基地」、キーラの能力とアラシ隊員の戦いが「射つな! アラシ」とこれまでの話を思い出させるものが多かった。
細かいところだが他にも「大爆発5分前」や「英雄」等、『ウルトラマン』を見続けていたら思わずニヤリとする場面がある。最終回間近だからであろうか?
有川監督が『ウルトラマン』に参加したのは前回と今回の2本のみ。又、上原さんが『ウルトラマン』で単独でクレジットされたのは今回のみとなっている。