帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「盗まれたウルトラ・アイ」

「盗まれたウルトラ・アイ」
ウルトラセブン』制作第37話
1968年6月16日放送(第37話)
脚本 市川森一
監督 鈴木俊継
特殊技術 高野宏一

 

マゼラン星人マヤ
身長 160cm
体重 40kg
地球を「狂った星」として恒星間弾道弾で破壊しようとしたマゼラン星人がウルトラアイを盗む為に地球に送り込んだ少女。
ウルトラアイを盗む事に成功するが、自分がマゼラン星から見捨てられた事を知りウルトラアイをダンに返す。地球の危機が去った後、ジュースボックスから出た煙に包まれて姿を消し、ブローチだけがその場に残った。
意外だが「マヤ」と言う名前は劇中では一度も出てこない。

 

物語
ダンは不思議な少女にウルトラアイを盗まれてしまう。
地球に恒星間弾道弾が迫る中、ダンは不思議な少女を追って夜の街へと入っていく。

 

感想
再び着ぐるみが出ない話となったが、逆にウルトラセブンを無理矢理戦わせる事が無くなって名作となった。

 

いきなり怒りまくりのアマギ隊員。なんとソガ隊員に向かって「ウスノロ」とまで言ってしまう。さすがにこれは言い過ぎでは……。

 

「その星から今頃地球を見て、なんて綺麗な星だろうと我々の地球の事を褒めているのかもしれませんね」と言うプラネタリウムのナレーションがあまりにも楽観的。その後、宇宙人であるマヤは地球の事を「狂った星」と語る。

 

「こんな狂った星よ。見てご覧なさい。こんな星、侵略する価値があると思って?」と語るマヤ。確かに地球はこれまで色々な過ちを犯してきたが、自分達の考えで他人の生き死にを勝手に決めて挙げ句に仲間を見捨てるマゼラン星は果たして「正常な星」と言えるのだろうか?

 

出動命令が出ていながらマヤを探しに行ってしまうダン。
今回の話でダンは地球人・ウルトラ警備隊員としてではなく宇宙人・ウルトラセブンとして行動していた。それは最後に呟いた「僕だって同じ宇宙人」でも明らか。
ところでこれは敵前逃亡にあたらないのかな。主人公を特別チームの隊員にした為、今回のように特別チームの隊員としての任務とウルトラマンとしての任務のどちらかを犠牲にしなければいけないと言う問題が生じるようになってしまった。

 

マヤはダンプカーを運転したり機関銃でダンを撃ったりと見かけによらず力持ちさん。

 

ウルトラアイを付けた若者達がダンに襲いかかるが、彼らはマヤに操られていたのかな?

 

自分が見捨てられた事を知ったマヤはウルトラアイをダンに返す。この場面は『ウルトラセブン』の中でも特に印象に残る変身シーンであった。
因みにマヤがダンにウルトラアイを掛けたとするとウルトラアイの向きが前後逆になるので、実際はダンがマヤからウルトラアイを受け取って変身したと言う流れだったのかもしれない。

 

決定稿のタイトルである「他人の星」が素晴らしかった為か「盗まれたウルトラ・アイ」と言うタイトルは評判がイマイチ悪い。でも、「ウルトラアイ=地球の運命」と考えると、マヤは地球の運命を盗み、最後にそれをダンに返したとして、中々面白いタイトルになっていると思う。

 

マゼラン星が発射した恒星間弾道弾はウルトラセブンによって180度回転した。ひょっとしたら、このままマゼラン星へと戻っていったのかもしれない。もしそうなら、マゼラン星を地球、地球をギエロン星、恒星間弾道弾をR1号とギエロン星獣と考えると今回の話は「超兵器R1号」の逆パターンとなる。

 

マヤが姿を消したジュークボックスにはアルファベットの「I」が無い。これは「ウルトラアイが無い」、「愛が無い」、「自分が無い」が掛けられているのかもしれない。自分の意思を持たないマヤはマゼラン星から離れては生きていけなかったのだ。

 

ダンは「この星で生きよう。この星と一緒に……」と告げるが、マヤは無言でウルトラアイを返した後、一人で死を選んだ。それを知ったダンは「なぜ他の星でも生きようとしなかったんだ……。僕だって同じ宇宙人じゃないか……」と呟きながら地球人達のいる夜の街を歩いて行く。
ウルトラマン』にはザラブ星人メフィラス星人と言ったウルトラマンと表裏一体を成す存在がいたが『ウルトラセブン』ではマヤがそれに当たると考えられる。ダンは地球を守ろうとする宇宙人でマヤは地球を破壊しようとした宇宙人。ダンが希望の象徴ならマヤは絶望を象徴していた。最後、地球で生きるダンに対し、マヤが地球で死を選んだのは当然の結果だったのかもしれない。

 

 

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